現在公演中のTRPGシナリオを原案とする舞台『カタシロRebuild 侵蝕』。
舞台の元となった「カタシロ」は、ゲームマスターとプレイヤーが1対1で行う『新クトゥルフ神話TRPG』向けのシナリオ。
配信者グループ・驚天動地倶楽部のメンバーであるディズムさんが制作した同シナリオには思考実験が組み込まれており、参加するプレイヤーの内面が反映されることで十人十色の物語をつくり出すことができる。実際に、TRPGプレイヤー以外にもゲーム実況者、YouTuber、バーチャルYouTuberなど様々な層がプレイし、人気を獲得してきた。
そんな「カタシロ」は、人気を受けて2021年に舞台化。公演に先立って実施されたクラウドファンディングでは4400万円以上もの支援金を獲得。「CAMPFIRE クラウドファンディングアワード2021」でエンタメ賞を受賞した。
現在行われている第2回公演『カタシロRebuild 侵蝕』でもクラウドファンディングが実施され、目標額の300万円を初日に達成。最終的には達成率704%となる2100万円の支援を集めている。
今回は2月7日に開催されたYouTuber/イラストレーターのさいとうなおきさん出演回の模様を現地レポートする。
※本記事には、「舞台『カタシロRebuild 侵蝕』06」のネタバレが含まれます。
さらに現在は、イラストレーターだけではなくYouTuberとしても活動中。イラストの技法だけでなく、イラストレーター向けのSNSの運用法やマインドセットなども含め、イラストレーターが生き抜くための様々なノウハウを発信している。【やってない?】下手な線の描き方!!
一視聴者としては、さいとうさんの発信する情報は漠然とした“努力”のようなものではなく、現状を把握し、合理的に状況を変えていくためのプロセスだと認識をしている。そして、今回の『カタシロRebuild 侵蝕』では、その要素がよく出ていたように感じた。
少しすると、現場の空気が切り替わり、スタッフのスタンバイも完了。つつがなく舞台が進行されていった。
会場で見ていて、舞台全体を通して印象的だったのが、さいとうさんの判断の速さだ。
舞台の第1弾が発表された際にKAI-YOUが行ったディズムさんへのインタビューで、ディズムさんは原案となったシナリオ「カタシロ」について「プレイヤーにその人独自の考えを見せてもらおうと価値観を問うような思考実験を組み込みました」と語っている。
冒頭で述べた通り、その思考実験を通して考え出された結論が、参加者それぞれの物語を形づくってきた。その点において、さいとうさんは今回、医者から提示された3つの思考実験すべてに対して、葛藤するというよりも自身の考えを即答している。
それだけでなく、治療室の中を積極的に探索し、となりの病室の患者・アユムにとの対話においても頻繁に情報を引き出し、推論を立てたうえで、さらにその推論を医者に投げかけていた。 さいとうなおきさんのそういった行動は、悩み抜いた末に結論を出し、ドラマティックな展開を起こすような物語の“エモさ”とは離れたもののように感じられる。しかし、自分の置かれている状況を分析し、対処を行うというスキルはフリーランスで働くクリエイターにとって必須のものだ。
特にさいとうさんは自身の動画内でも、サービスの進化で起きたイラストレーターの潮流の変化に合わせて、自身の画風を意識的に変化させていることなどを語っている。ラストにある決断をする際に「契約書を交わしていただければ」と求めていた部分も含めて、フリーランスとして業界を生き抜いてきたさいとうさんらしさが出ていて非常に興味深かった。【徹底解説】2019から2021年の絵柄の変化
舞台の元となった「カタシロ」は、ゲームマスターとプレイヤーが1対1で行う『新クトゥルフ神話TRPG』向けのシナリオ。
配信者グループ・驚天動地倶楽部のメンバーであるディズムさんが制作した同シナリオには思考実験が組み込まれており、参加するプレイヤーの内面が反映されることで十人十色の物語をつくり出すことができる。実際に、TRPGプレイヤー以外にもゲーム実況者、YouTuber、バーチャルYouTuberなど様々な層がプレイし、人気を獲得してきた。
そんな「カタシロ」は、人気を受けて2021年に舞台化。公演に先立って実施されたクラウドファンディングでは4400万円以上もの支援金を獲得。「CAMPFIRE クラウドファンディングアワード2021」でエンタメ賞を受賞した。
現在行われている第2回公演『カタシロRebuild 侵蝕』でもクラウドファンディングが実施され、目標額の300万円を初日に達成。最終的には達成率704%となる2100万円の支援を集めている。
今回は2月7日に開催されたYouTuber/イラストレーターのさいとうなおきさん出演回の模様を現地レポートする。
※本記事には、「舞台『カタシロRebuild 侵蝕』06」のネタバレが含まれます。
イラストレーターが生き抜くノウハウを発信するさいとうなおき
『カタシロRebuild 侵蝕』に主人公・マコトとして出演したさいとうなおきさんは、『ポケモンカードゲーム』などのイラストを手がけるイラストレーターだ。最近ではNFTにも進出しており、出品作が約600万円で落札されるなど、人気と実力を兼ね備えている。さらに現在は、イラストレーターだけではなくYouTuberとしても活動中。イラストの技法だけでなく、イラストレーター向けのSNSの運用法やマインドセットなども含め、イラストレーターが生き抜くための様々なノウハウを発信している。
フリーランスとしての経験が垣間見えた本番
会場に到着すると、舞台はもう準備万全の状態。セットの前で、さいとうさんや司会をつとめるイラストレーター・しまどりるさん、医者役をつとめるディズムさんが談笑していた。少しすると、現場の空気が切り替わり、スタッフのスタンバイも完了。つつがなく舞台が進行されていった。
会場で見ていて、舞台全体を通して印象的だったのが、さいとうさんの判断の速さだ。
舞台の第1弾が発表された際にKAI-YOUが行ったディズムさんへのインタビューで、ディズムさんは原案となったシナリオ「カタシロ」について「プレイヤーにその人独自の考えを見せてもらおうと価値観を問うような思考実験を組み込みました」と語っている。
冒頭で述べた通り、その思考実験を通して考え出された結論が、参加者それぞれの物語を形づくってきた。その点において、さいとうさんは今回、医者から提示された3つの思考実験すべてに対して、葛藤するというよりも自身の考えを即答している。
それだけでなく、治療室の中を積極的に探索し、となりの病室の患者・アユムにとの対話においても頻繁に情報を引き出し、推論を立てたうえで、さらにその推論を医者に投げかけていた。 さいとうなおきさんのそういった行動は、悩み抜いた末に結論を出し、ドラマティックな展開を起こすような物語の“エモさ”とは離れたもののように感じられる。しかし、自分の置かれている状況を分析し、対処を行うというスキルはフリーランスで働くクリエイターにとって必須のものだ。
特にさいとうさんは自身の動画内でも、サービスの進化で起きたイラストレーターの潮流の変化に合わせて、自身の画風を意識的に変化させていることなどを語っている。ラストにある決断をする際に「契約書を交わしていただければ」と求めていた部分も含めて、フリーランスとして業界を生き抜いてきたさいとうさんらしさが出ていて非常に興味深かった。
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