父親として、キャラクターではなく一人の人格と向き合った「マコト」
このように書くと、さいとうさんが合理的でドライな人物だったり、物語に入り込んでいなかったように見えてしまうかもしれないが、そんなことはない。むしろ、端々の情報から「医者が事故で動けなくなった娘と自分の体を入れ替えようとしている」という物語の核に気づいた際には、物語に入り込みすぎた結果、となりの病室のセットで炊かれていたスモークの匂いに反応して「なんか変な匂いがしてきた」と本気で不安そうにしていた場面もあった。 個人的には、その姿がバラエティでドッキリにかけられた結果だれも信用できなくなり、番組側が意図していないところにまで不安がっているお笑い芸人の姿と重なって面白かった。
今回さいとうさんは「アユムは自身が置かれている状態を把握している」という考えのもとやり取りを行っていた場面がある。
何故さいとうさんがそのように考えていたのかは、ディズムさんのYouTubeチャンネルのメンバーシップ会員限定で公開されたアフタートーク動画にて語られている。実際に父親として子供と接しているさいとうさんならではの考えが聞けるので、他の回と合わせてぜひチェックしてみてほしい。
さいとうさんのそういった反応は、これまでTRPGに触れておらず「だいたいこうなるだろう」というある種のお約束を知らないからこそ、「アユム」に対して救われるべきキャラクターではなくリアリティを持った人格として対応した結果なのではないかと感じた。 『カタシロRebuild 侵蝕』では、これまでTRPGなどに触れてきていない人たちも多く出演している。そういった人たちが持ち込む外部からの視点がつくり出す物語は、TRPG版も含めた「カタシロ」の物語の幅を大きく広げているようだ。
【画像】現地で撮影したセットの数々
「カタシロ」やTRPGをもっと楽しむために
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