連載 | #324 ポップな画像を紹介してみた

輝く宝石…に使ったのは絵の具! 見る角度で変化する神秘的な1枚

輝く宝石…に使ったのは絵の具! 見る角度で変化する神秘的な1枚
輝く宝石…に使ったのは絵の具! 見る角度で変化する神秘的な1枚

「プリズムホワイト」/画像はすべてTAKUYA YONEZAWAさんの提供

POPなポイントを3行で

  • 宝石のきらめきを絵の具で描く
  • 見る角度で変化する神秘的な1枚
  • 着想は「パレットに残った絵の具」
地球が誇る大地の産物・宝石の輝きを絵の具で表現した作品「プリズムホワイト」。Twitterに投稿されるや否や、その美しさから大きな反響を集めています。

絵の具で描かれたにもかかわらず、角度を変えることで異なる輝きを放つという“一枚”。

作品の誕生のきっかけや絵の具とは思えない輝きの秘密について、作者である画家・TAKUYA YONEZAWAさんに話を聞きました。

残った絵の具のきらめきから誕生

今回の「プリズムホワイト」を手がけたのは北海道を中心に活動している画家・TAKUYA YONEZAWAさん。

PIGMENT JEWELRY」と題したシリーズの1作で、これまでほかにもエメラルドやルビーなどを制作してきました。

「PIGMENT JEWELRY」シリーズ・エメラルド

「PIGMENT JEWELRY」シリーズ・ブライト ルビー

パレットに残った絵の具が光に照らされて、キラキラと輝いたのを見て「宝石のようだ」と着想を得たのが制作のきっかけ。

そこから、昔は絵の具に使われる顔料が、岩や植物、中には宝石を砕いてつくられていたことを思い出し、絵の具で宝石を描くことの必然性を感じたと言います。

今作「プリズムホワイト」では、角度によって変わるターレンスジャパン社の絵の具・バイオレットとブルー2種類を使用。

粒子が細かく、これまで使用したパール系絵の具の中でも「最高峰レベルで絵の具の反射が美しい」のが特徴です。

YONEZAWAさんは「角度を変えて見た際に、その2色の混ざり合いやグラデーションが綺麗に発色するように工夫しました」とコメント。加えて、細かいところまで計算して描いたことを教えてくれました。

「同系色のコントラストが低い色合いを用いた制作でしたが、その中でも輝きが感じられるように色の重ね方を考えながら慎重に制作を進めました」

少し横の角度の「PIGMENT JEWELRY」シリーズ・プリズムホワイト

絵の具からインスピレーション、画家ならではの捉え方

パレットに残った絵がきっかけとなり誕生した「PIGMENT JEWELRY」シリーズ。背景にはYONEZAWAさん絵の具への強い思い入れがあるようです。

「絵の具は画家の想像力を具現化する重要な画材であると同時に、つくり手のモチベーションを上げてくれる大切な存在だと思います。自分にとって絵の具は見ているだけでワクワクする魅力的なものです

「PIGMENT JEWELRY」シリーズ・ビスマスブルー

同じ名前の色でもメーカーによって艶や色合い、混ぜた時の色合いも異なる絵の具。その違いを把握するのは一見大変そう。

でも、YONEZAWAさんいわく「(その違いが)楽しくて、ついつい色々な種類を買ってしまい、アトリエには絵の具がたくさんあります(笑)」と、プロならではの楽しみ方を紹介。

最後は絵の具が持つ可能性についても語ってくれました。

「絵の具ってモチーフの色を再現するために用いられがちですが、今回のプリズムホワイトのように絵の具の色や質感、艶からインスピレーションを受けて新しい表現や作品が生まれることも少なくないです

ウソみたいだろ。絵画なんだぜ、これ。

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