『映画秘宝』休刊号、ベスト映画に『ワンハリ』爆発級の映画愛で2019年を振り返る

『映画秘宝』休刊号、ベスト映画に『ワンハリ』爆発級の映画愛で2019年を振り返る
『映画秘宝』休刊号、ベスト映画に『ワンハリ』爆発級の映画愛で2019年を振り返る

創刊25周年記念号にして休刊号『映画秘宝』3月号

POPなポイントを3行で

  • 『映画秘宝』2019年ベスト&トホホ作品ランキング発表
  • 町山智浩、のん、宇多丸ら総勢175名が選び抜いた作品たち
  • 創刊25周年記念号であり休刊号
映画誌『映画秘宝』の創刊25周年記念号にして休刊号となる2020年3月号が、1月21日に発売された。

本誌では、映画評論家の町山智浩さん、女優・のんさん、ヒップホップグループ・RHYMESTER宇多丸さん、みうらじゅんさんら、“映画狂い”の著名人175名が選ぶ「2019年度 映画秘宝ベスト&トホホ10」を特集。

年間ランキングのほかに、本誌で映画イラストを連載している中川翔子さんによる休刊号特製描き下ろしイラスト、そして愛読者コーナーもページを増やして展開するなど、休刊号らしく、映画と『映画秘宝』への愛あふれる企画が盛りだくさん。

休刊号の表紙を飾るのは、『三國志』『信長の野望』などのゲームパッケージイラストを手がけるイラストレーター・長野剛さんが、「2019年ベスト映画メドレー」をテーマに描いたイラスト。

スパイダーマン:スパイダーバース』『ジョーカー』『アイリッシュマン』『全裸監督』など、2019年の映画シーンを語るには欠かせない映画のキャラクターたちが並んだ。

他の映画雑誌とは一線を画する『映画秘宝』

映画評論家の町山智浩さんが1995年に創刊した『映画秘宝』。創刊号では当時、最低映画監督として名高いエド・ウッド監督を特集している。

1999年に隔月刊雑誌としてリニューアル、2002年より月刊化。主にアクション、ホラー、SF映画などのジャンル映画の特集を中心とした誌面づくりでコアな映画ファン層から絶大な支持を得ている。

いわゆる大作と呼ばれる商業映画だけでなく、マイナー作品やカルト的な人気を集める映画なども取り上げ、歯に衣着せぬ映画評とともに、他の映画媒体とは一線を画す雑誌として映画ファンに長年愛されてきた。

2019年ベストは満場一致でタランティーノ『ワン・ハリ』

映画『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』
今回の休刊号では著名人175名、『映画秘宝』ライター、そして『映画秘宝』の愛読者が声を揃えて“2019年ベスト映画”と評したのは『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』だった。

本作は、スクリーンから映画愛が伝わる作品を多くつくり上げてきたクエンティーノ・タランティーノ監督の集大成であり、また、レオナルド・ディカプリオさんとブラッド・ピットさんの2大スターが共演したことでも大きな話題となった。

2019年ベスト映画にこの作品を挙げた放送作家のアサダアツシさんは「タラの優しさに溢れたラストは泣かずにいられない。」、ライターのakiraさんは「ずっと映画好きでいたことが報われたような多幸感に満ち溢れた逸品。愛しかない!」とコメントしている。映画愛にグッときた観客が多くいた作品だろう。

『映画秘宝』が選ぶ2019年度映画ベスト10
1位 『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』
2位 『ジョーカー』
3位 『スパイダーマン:スパイダーバース』
4位 『アベンジャーズ/エンドゲーム』
5位 『アイリッシュマン』
6位 『T-34 レジェンド・オブ・ウォー』
7位 『マリッジ・ストーリー』
8位 『グリーンブック』
9位 『ボーダー 二つの世界』
10位 『工作 黒金星(ブラック・ヴィーナス)と呼ばれた男』

ベストとトホホ両方で選出される『ジョーカー』

『映画秘宝』が選ぶ2019年度映画トホホ10
1位 『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』
2位 『ターミネーター:ニュー・フェイト』
3位 『ジョーカー』
4位 『トイ・ストーリー4』
5位 『サスペリア』
6位 『Diner ダイナー』
7位 『アド・アストラ』
8位 『アリータ:バトル・エンジェル』
9位 『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』
9位 『新聞記者』

ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』や『ターミネーター:ニュー・フェイト』、さらには『トイ・ストーリー4』『アド・アストラ』などがトホホな映画として選出。

一方で、『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』や『ジョーカー』が「ベスト」と「トホホ」両方に入っていることも興味深い。ポジティブとネガティブな反応は、多くの支持を集める作品ならではだろう。

ほかにも、2019年度の「ベスト・ガイ」には『ジョーカー』のホアキン・フェニックスさん、「ベスト・ガール」には『ターミネーター:ニュー・フェイト』のマッケンジー・デイヴィスさんが選ばれている。

すでにネット書店では完売している『映画秘宝』休刊号、書店で早めに手にとることをおすすめする。

ランキング投票参加者(敬称略)
町山智浩、柳下毅一郎、のん、内山昂輝、田中俊介、斎藤工、みうらじゅん、宇多丸(Rhymester)、小出祐介(Base Ball Bear)、大槻ケンヂ(筋肉少女帯)、松永天馬(アーバンギャルド)、黒沢薫(ゴスペラーズ)、杉作J太郎、ギンティ小林、伊賀大介、清水崇、白石晃士、入江悠、滝本誠、高橋ヨシキ、人間食べ食べカエル、LiLiCo、いのうえひでのり、片岡亀蔵、田亀源五郎、相原コージ、服部昇大、桜庭一樹、深町秋生、ぬまがさワタリ、東京トガリ and more……!!

見逃したくない映画たち

SHARE

この記事をシェアする

Post
Share
Bookmark
LINE

関連キーフレーズ

0件のコメント

※非ログインユーザーのコメントは編集部の承認を経て掲載されます。

※コメントの投稿前には利用規約の確認をお願いします。

コメントを削除します。
よろしいですか?

コメントを受け付けました

コメントは現在承認待ちです。

コメントは、編集部の承認を経て掲載されます。

※掲載可否の基準につきましては利用規約の確認をお願いします。

POP UP !

もっと見る

もっと見る

よく読まれている記事

KAI-YOU Premium

もっと見る

もっと見る

本・文芸の週間ランキング

最新のPOPをお届け!

もっと見る

もっと見る

このページは、株式会社カイユウに所属するKAI-YOU編集部が、独自に定めたコンテンツポリシーに基づき制作・配信しています。 KAI-YOU.netでは、文芸、アニメや漫画、YouTuberやVTuber、音楽や映像、イラストやアート、ゲーム、ヒップホップ、テクノロジーなどに関する最新ニュースを毎日更新しています。様々なジャンルを横断するポップカルチャーに関するインタビューやコラム、レポートといったコンテンツをお届けします。

ページトップへ