『ちはやふる』末次由紀が基金設立 背景に“競技かるた”が直面する課題

『ちはやふる』末次由紀が基金設立 背景に“競技かるた”が直面する課題
『ちはやふる』末次由紀が基金設立 背景に“競技かるた”が直面する課題

ちはやふる基金

POPなポイントを3行で

  • 『ちはやふる』作者・末次由紀が基金を設立
  • 「かるたに恩返しがしたい」ちはやふる基金
  • ちはやふる小倉山杯に協賛、賞金を拠出
漫画『ちはやふる』著者の末次由紀(すえつぐゆき)さんを発起人として、「一般社団法人 ちはやふる基金」が設立された。

かるたに恩返しがしたい」という末次さんの強い意向のもと「これまで競技かるたの世界を支えてきた皆様と連携し、子どもたちの情熱を応援するとりくみが必要だ」として設立された基金。

個人サポーター及び企業スポンサーからの寄付金、また『ちはやふる』関連グッズ販売の収益金をもとに、競技かるたの情報発信や各種大会の運営支援、また小倉百人一首のさらなる普及振興を目指す。

基金の活動として、2月23日(日)に嵐山文華館で開催される「小倉百人一首競技かるた 第1回 ちはやふる小倉山杯」に協賛。大会において、トップ選手のさらなる技術向上の一助となることを祈念し、優勝者に100万円、準優勝者には50万円の賞金を基金より拠出する。

『ちはやふる』通じて競技かるたにできること

『ちはやふる』は、2008年より女性向け漫画雑誌『BE・LOVE』(講談社)で連載中の、競技かるたに打ち込む高校生の成長を描く物語。

テレビアニメ化、映画化などのメディアミックスを経て、競技かるたの裾野を広げたきた同作。連載開始以来、国内の競技かるた人口は大幅な増加傾向にあり、その数100万人に達すると言われている。 一方で、人口増加に伴い、競技かるたの普及振興、選手の育成支援、大会運営などに携わってきた関係各所は、人的、金銭的な運営負担の増大などの新たな課題に直面している現実があるという。

「ちはやふる基金」では、「かるたを愛するみんなのために」をスローガンに、関係各所にかかる運営負担軽減のための多角的な支援、及び競技かるたと小倉百人一首のさらなる振興を目的とした、継続的な情報発信を行っていく。 基金の発起人であり、『ちはやふる』の作者である末次さんは、マンガ投稿サービス・コミチに設立の経緯をつづった漫画を公開。

その中で、参加者急増に伴い運営費かさみ、赤字の危機にある大会や(外部リンク)、大会で日本一になったとしても続けることが難しいといった競技かるたを取り巻く現状が語られている。

発起人・末次由紀コメント
競技かるたで、仲間と楽しい時間を過ごしてもらいたい。
競技かるたからもらった、たくさんのものに恩返しをしたい。
かるたの競技人口は右肩上がりを続けています。
だからこそ、競技かるたに親しみを持つ子どもたちに
「ずっとかるたを続けていたい」
という夢をもって、強くなっていってもらいたい。
競技かるたを通じて、百人一首の文化に触れ、
世界中に友達を作ってもらいたい。
これまで競技かるたの世界を支えてきた皆様と連携し、
子どもたちの情熱を応援するとりくみが必要だ
——そういう想いから、ちはやふる基金を立ち上げるに至りました。
ご理解、ご協力いただけますと幸いです。

漫画にひもづく基金としては、ALS(筋萎縮性側索硬化症)への支援を目的とした『宇宙兄弟』の「せりか基金」(外部リンク)、基金とは異なるが『SLAM DUNK』(スラムダンク)作者の井上雄彦さんが創設した「スラムダンク奨学金」(外部リンク)などがある。

いずれも設立された背景に触れることで、それらを取り巻く環境の問題点や課題、何が必要とされているのかが見えてくる。エンターテインメント作品として何ができるのか、またそのファンとして何ができるのか──「ちはやふる基金」を含め、作品を通じてこれまで以上に視野を広げるきっかけにもなりそうだ。

エンターテインメントができること

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大会情報

第1回 ちはやふる小倉山杯

主催
一般社団法人 全日本かるた協会
共催
公益財団法人 小倉百人一首文化財団
協賛
一般社団法人 ちはやふる基金
協力
BE・LOVE編集部
大会実施日
令和2年2月23日(日)
午前10時開会式(午後5時30分終了予定)
会場
嵯峨嵐山文華館(競技会場:2階畳ギャラリー 和室大広間)

<概要>
2019年〜2020年にかけてのタイトル保持者(第66期名人 第66期準名人 第64期クイーン、第64期準クイーン、全日本選手権者(2019年4月実施)全国選抜大会優勝者(2019年3月実施)、全国女流選手権大会優勝者(2019年6月実施))と、2019年1月から12月までの全日本かるた協会主催・公認大会のA級優勝者の中から8名(男女4名ずつ)が出場し、3回戦で優勝から4位までを決定する。

出場選手は以下の通り。
桑原 圭太郎(8段)/京都大学かるた会
岸田 諭(8段)/篠山かるた会
坪井 寛行(7段)/東京大学かるた会
中島 宇一(5段)/東京大学かるた会

本多 恭子(6段)/大津あきのた会
山下 恵令(6段)/東京明静会
荒川 裕理(6段)/京都小倉かるた会
山添 百合(6段)/京都小倉かるた会


【一般社団法人 ちはやふる基金】
発起人:末次 由紀 (すえつぐ ゆき)
代表理事:本保 美由紀 (ほんぽ みゆき)
所在地:東京都港区

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