発端は、仁科さんの大学の先輩だというあずまさんがTwitterで言及したこと。
「大学の後輩が3年弱かけてほぼ原付だけで日本の全部の市町村を回ってたんだけど、それが今日ついに終わったらしい。全部の市町村がサイトにまとまってる。あなたのよく知ってる場所も出てくるはずです。しかもこの人は写真がめちゃくちゃにうまいんだよ。信じられる?」
これが1月14日の記事執筆時点で6万5000件以上のリツイート、22万3000件を超える「いいね」の大反響を呼び、仁科さんのWebサイトにアクセスが殺到。大学の後輩が3年弱かけてほぼ原付だけで日本の全部の市町村を回ってたんだけど、それが今日ついに終わったらしい。全部の市町村がサイトにまとまってる。あなたのよく知ってる場所も出てくるはずです。しかもこの人は写真がめちゃくちゃにうまいんだよ。信じられる? https://t.co/RF6nU3Y1PW
— あずま (@sngazm) January 8, 2020
あまりのアクセス集中ぶりに、サーバー側が3分ごとにアクセス制限をかけるという事態に。
現在はアクセスも多少落ち着いたのか、Webサイトへのアクセスも比較的容易になっています。3分毎にアクセス制限がかかっているみたいです💦
— かつお (@katsuo247) January 8, 2020
問い合わせもしましたが、サーバー側からは何もできないと教えていただきました。せっかくのところご迷惑をおかけしてしまい度重ねて申し訳ありません。そして閲覧していただき本当にありがとうございます。 pic.twitter.com/q2ABpjCtwa
KAI-YOUは、そんな嬉しい悲鳴(?)をあげることになった仁科さんにメールインタビューを行い、旅を始めたきっかけや、全国を巡るなかで見つけた印象的な場所について聞いてみました。
一度旅を中断、資金を集め再び出発。ついに幕を閉じる
実は仁科さん、2018年に一度旅を中断し、その後再開のための資金を募るためにクラウドファンディングを実施。これが目標を大きく超えた678%でサクセスし、再び旅に出発。そして、先日1月7日に長い長い旅に幕を閉じたというわけですが、件のツイートで一気にその旅が知れわたることになった、という経緯だそう。
旅のきっかけは「単純に日本のことを知らないから」
旅を始めたきっかけについて仁科さんは、「ふと日本の市町村をすべて巡れたらと思うようになり、その手段として原付を選択しました。単純に日本のことを知らないから、一つずつ巡れたらいいなあと思って」とコメント。実は筆者も似たような形で日本一周を敢行したことがあるのですが、先々で出会う同志に旅のきっかけを聞いてみると、仁科さんと同様の返事が返ってくることが多かったのが印象に残っています。
インターネットやLCC(格安航空会社)の普及で手軽に海外へ行けるようになった今だからこそ起こる、改めて日本のことを知りたいという衝動。
それは素朴かつ素敵なものですよね。
長いトンネルを抜けた先の入道雲に、胸を打たれる
また、旅先で特に印象に残っている風景として仁科さんが挙げてくれたのが、自身のTwitterのプロフィール写真にもなっている「夏の入道雲」。場所は長野県伊那市で、「長い長いトンネルを抜けた後、視界一面に広がった入道雲を見て胸を打たれました」とのこと。 同じく日本一周をしていた筆者にとっては「わかる!」と、思わず相槌を打ちたくなる話でして。
というのも、日本はとにかく山が多く、またそこを貫くトンネルが多いんです。またトンネルとは言ってもさまざまで、路面標示が消えかけている場所もざらですし、照明が整備されていないところも多々ありました。
特に人気のない、照明も機能していない暗いトンネルを走っている間は、やけに心細くなるんですね。
そんな暗いトンネル、ほかに誰もいないそのなかを、はるか先、かすかに見える光の一点を目指して走り、やっとのことでトンネルを抜けた瞬間、眼前に広がる青空、そして新鮮な空気を胸いっぱいに吸い込む瞬間の感動たるや……。
これはおそらく、日本一周を試みるという酔狂な体験をした人にしかわからないものだと思います。
旅をまとめた冊子『日本よはじめまして』
さて、最後に今の心境について聞いてみましたが、「旅を終えた際はこのような反響もいただいておりませんでしたので、早く切り替えて次にすべきことを精査しないと……という気持ちです」ときっぱり。続けて「もちろんとても嬉しかったのですが、自分で成し遂げたというよりも、本当に多くの方に助けていただいた、という気持ちの方が大きいので」と答えてくれました。 今回のバズはサプライズ以外の何物でもなかったようですが、このような思わぬ反響に驚きつつも、すでに先を見すえている仁科さん。
実はクラウドファンディングを実施した際に、旅先の写真などをまとめた『日本よはじめまして』という冊子をつくったということで、現在広島市の広島蔦屋書店とWebで販売中(外部リンク)。
彼の旅の軌跡をより深く知ることができます。
見る者をあっと言わせる写真
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