2019年1月に開催されたサンダンス映画祭では、ワールドシネマドラマティックコンペティション部門において、日本映画初となる審査員特別賞・オリジナリティ賞を獲得した。
また2月のベルリン国際映画祭では、ジェネレーション14plus部門のオープニング作品に選出され、準グランプリにあたるスペシャル・メンション賞を日本映画で初めて受賞する快挙を果たした。
さらに、現在開催中の第43回香港国際映画祭をはじめとする世界各地の映画祭からも正式招待を受けるなど、世界中から引っ張りだこの状態となっている。
海外の名だたる映画祭で大いに注目を浴びている今作の日本公開日は、2019年6月14日(金)に決定。予告映像も3月27日に公開されたばかりだ。
人の感情を細やかに描く長久允監督の作品
長久允さんが手がける映像は、光や色、音楽、そして役者の表情や仕草を最大限に用いて、言葉にしがたい人間の感情を鮮やかに描く。美容フェイスマスク「ルルルン プラス」のCMは、30秒の中で一瞬たりとも目を離すことができないほどテンポ良く、女性のあらゆる面での美しさが映し出されている。
ゾンビの出ない『ウィーアーリトルゾンビーズ』
『ウィーアーリトルゾンビーズ』は、タイトルからしていかにもなゾンビ映画かと思いきや、この映画にゾンビは一切出てこない。生きる気力も夢も持てない、「生きているのに死んでいる」状態の少年たちが、バンド結成をきっかけにして人生が走り出す青春映画だ。
先日公開されたばかりの特別予告編。次々と切り替わる色彩の強いカットとレトロゲームのような電子音、そしてバンド・"LITTLE ZOMBIES"の音楽に胸が高鳴る。 『ウィーアーリトルゾンビーズ』場面写真をもっと見る 主演をつとめるのは、『そして父になる』にて福山雅治の息子役を演じた二宮慶多さん、ドラマ『嘘の戦争』など多くの作品に出演する水野哲志さん、天才似顔絵師として話題の奥村門土さん、テレビCMや『クソ野郎と美しき世界』での好演も記憶に新しい中島セナさんの4人。バンドを通して、"ゾンビ"が少しずつ感情を取り戻していく様をまっすぐに演じる。両親が死んだ。悲しいはずなのに泣けなかった、4人の13歳。
彼らはとびきりのバンドを組むと決めた。こころを取り戻すために—
出会いは偶然だった。よく晴れたある日、火葬場で出会った4人。ヒカリ、イシ、タケムラ、イクコ。
みんな、両親を亡くしたばかりだった。
ヒカリの両親はバス事故で事故死、イシの親はガス爆発で焼死、
タケムラの親は借金苦で自殺、イクコの親は変質者に殺された。
なのにこれっぽっちも泣けなかった。まるで感情がないゾンビみたいに。
「つーか私たちゾンビだし、何やったっていいんだよね」
夢も未来も歩く気力もなくなった小さなゾンビたちはゴミ捨て場の片隅に集まって、バンドを結成する。
その名も、“LITTLE ZOMBIES”。
やがて社会現象になったバンドは、予想もしない運命に翻弄されていく。
嵐のような日々を超えて、旅のエンディングで4人が見つけたものとは―『ウィーアーリトルゾンビーズ』公式HPよりあらすじ
また、彼ら4人のバンドのマネージャー役として池松壮亮さん、4人それぞれの親役として佐々木蔵之介さん、永瀬正敏さんらが出演することでも注目を集めている。
ここまで早々と今作が海外の映画祭で注目されているなか、本篇を観られないことがもどかしいが、6月の国内公開を楽しみに待とう。
観たい映画が多すぎる
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作品情報
ウィーアーリトルゾンビーズ
- 公開日
- 2019年6月14日(金)
- 監督・脚本
- 長久允
- 配給
- 日活
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