『異類婚姻譚』で第154回芥川賞を受賞、小説家・劇作家・演出家としてマルチに活躍し、現在放送中のテレビ番組「7RULES」にも出演中の本谷有希子さんの傑作小説『生きてるだけで、愛。』が、11月9日(金)より公開となります。
主演を務めるのは、ドラマ『ブラックペアン』『僕とシッポと神楽坂』で話題沸騰の個性派女優・趣里さん。共演には、今や名実ともに若手俳優トップに君臨する菅田将暉さんほか、田中哲司さん、西田尚美さん、松重豊さん、石橋静河さん、織田梨沙さん、仲 里依紗さんら実力俳優が集結しています。
本作は、他者とのつながりを求める不器用な若者たちのエモーショナルなラブストーリー。鬱で過眠症で引きこもり状態の主人公の寧子(趣里)は、出版社でゴシップ誌を担当している恋人の津奈木(菅田将暉)と3年間同棲しています。時にエキセントリックな言動に走りがちな寧子は、何かと理不尽な感情を津奈木にぶつけてしまいますが、津奈木はそれを静かにやり過ごし、怒りもしなければ喧嘩になることもありません。そんな態度がいつも寧子を苛立たせるも、ふたりは互いに自分の思いを言葉にして伝える術を持っていないのでした。
だけどある時、突如寧子のもとへ津奈木の元カノ・安堂(仲 里依紗)が訪れたことで、寧子にも津奈木にも変化が訪れて……。
早くも話題沸騰の本作でメガホンを取ったのは、本作が長編監督デビューとなる関根光才さん。現在公開中のドキュメンタリー映画『太陽の塔』の監督でもありますが、その経歴がとにかくスゴい!
2005年には短編映画『RIGHT PLACE』を初監督し、2006年カンヌ国際広告歳のヤング・ディレクターズ・アワードにてグランプリを受賞。以降、マクドナルドや資生堂、アディダスやトヨタといった数多くの有名企業CMを演出し好評を博します。人気アーティストのミュージックビデオも手掛け、その中には安室奈美恵さんの「NAKIED」や「Tempest」や、AKB48の「恋するフォーチュンクッキー」も! 2014年にはカンヌ国際広告祭で日本人初となるチタニウム部門グランプリなど、多数の賞を受賞し、現在もグローバルに活躍しています。
■NAKED / Namie Amuro
https://www.youtube.com/watch?v=l4EX1hTE_SY
■恋するフォーチュンクッキー / AKB48
https://www.youtube.com/watch?v=dFf4AgBNR1E
そんな関根さんの長編監督デビュー作が、『生きてるだけで、愛。』。本作では監督だけでなく脚本も担当し、「原作の文章がとてもユニークなので、脚本化したときに自分がキャラクターに寄り添いきれるかどうかが難しかった」とその苦労を語ります。「映画におけるキャラクターを再発見して、セリフをその人たちが喋っている言葉にしなければならなかったので、キャラクターを地に足の着いたものにしていくまでにかなり時間がかかったんです。その作業を通して、作品の本質に近づこうとしていく中から、原作にあるエピソードや要素を取捨選択していきました」
人気原作小説の映画化にあたって、新たな解釈と表現を見せている関根監督。ストーリーやキャストの熱演ももちろん大きな見どころですが、やはり目を惹くのはなんといっても、CMやMVディレクターとして培った映像センスとこだわりでつくられた圧倒的映像美! 今どき珍しくフィルムの質感にこだわり、全編16mmカメラで撮影され、生身の人間に宿る心のなまめかしさやざらつきを映し出すことに成功しています。夜の街を疾走する寧子の青いスカートのはためきや、薄暗いアパートの部屋で赤く照らし出された恋人たちの表情など、一度見たら忘れられない、独特の色彩美も必見!予告編だけでも、センスあふれる美しい映像を確認できます。
■映画『生きてるだけで、愛。』予告編
https://www.youtube.com/watch?v=Rw_tut2tVcQ
そんな関根監督の演出によって、趣里さんや菅田さんも、これまでに見たことのない新境地へ!希代の映像作家が生み出す映像美の中で、新たな魅力を披露するキャスト陣の熱演とあわせて、ぜひ映画館でご覧ください。
(C)2018『生きてるだけで、愛。』製作委員会
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執筆者:藤本エリこの記事どう思う?
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