オリンピックや学校行事、甲子園など、過酷な猛暑への十分な熱中症対策もとらないまま行われている催事が、ネット上では度々議論の的になっている。
それは、夏の定番イベントの一つである同人即売会「コミックマーケット」(コミケ)も同様だった。
「コミックマーケット94」撮影:コミックマーケット準備会
当日、現地で多くの報告があった通り、今年も3日間を通してコミケの救護室を多くの参加者が利用することになった。
撮影:コミックマーケット準備会
では、コミケ参加者の中でも、最も過酷と言えるのは、炎天下の中で長時間佇んでいるコスプレ参加者だろう。彼ら彼女たちは、どういった点に気をつけて参加していたのか?
撮影:コミックマーケット準備会
水分や塩分補給 連日の報道で熱中症対策の意識高まる
「熱中症対策はしていますか?」コスプレエリアで休憩中の方々に折を見て質問するたび、皆、口を揃えて「水分と塩分補給」を真っ先にあげる。
会場に4箇所設置されたポカリスエットの販売所。連日盛況のようだった
水分はもちろん、熱中症対策がこれだけ連日報道されているため、その対策として塩分補給の重要さは浸透しているようだ。塩分を摂取できるタブレットを持参している人も多かった。
見渡す限りのコスプレイヤーの中で、最も厚着をしていそうだったのが、航空部隊の衣装に身を包んだ男性コスプレイヤーたち。
「毎年こういう格好なので、もう慣れてます(笑)。冷えピタは必須ですね」
以前「艦隊これくしょん」(艦これ)島風のコスプレをした際には、彼女が背負っている連結砲ちゃんの間に、コンビニで販売している氷嚢を忍ばせて乗り切ったこともあった。
また、ブラジャーとパッドの間に冷えピタを仕込んだことがある、という女性参加者もいた。
熱中症よりメイク崩れ 人気コスプレイヤー五木あきらが語る
連日30度を越え続ける炎天下(11日は雷雨も)の中でも、3日間通してコスプレで参加したという参加者も多い。Twitterのフォロワー数27万人、国内屈指の人気コスプレイヤー・五木あきらさんもその1人だ。
五木あきらさん
ただし、熱中症については、「わたしは心配したことないです」と一蹴。「水分や塩分をこまめに補給することは最低限の準備として、(熱中症については)気の持ちようもある」と持論を語る。
「事前の準備はもちろんちゃんとやっておかなきゃダメですけど、その上で当日は『熱中症になるかも』って心配するより、腹をくくって覚悟を決めろ、ここは戦場だぞって言いたいですね」と冗談混じりに語ってくれた。
編集部も3日間コミケを取材したが、やはり後半、どうしても汗でメイクが落ちてきてしまっているコスプレイヤーさんを何人も見かけた。
五木あきらさんはジム通いを始めて代謝がよくなったこともあり、メイク崩れ防止として、夏用の下地やパウダーで乗り切っているという。
おすすめは「プリマヴィスタの下地」「エレガンス ラ プードルのフィニッシュパウダー」。これが、女性のコスプレイヤーの間では定番だそうだ。
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携帯扇風機や空調付きウェア、暑さ対策ガジェットにも期待
過去に何度か、コミケ会場でブームになった「携帯扇風機」。今年も利用者が急増するのではないかと言われていたが、筆者が参加した上での観測範囲では、それほど流行しているようには見えなかった。
秋葉で人気のUSB充電式の携帯扇風機を使っていた参加者も。2000円で、かなり涼しくほぼ無音で使い勝手が良さそうだった
また、編集部も試しに空調付きウェアを購入・着用して参加してみたが、「暑い外気を巻き込んでしまうため、ウェア内に熱気が送り込まれて逆効果だった。。また、ファン部分を(撮影機材などを入れた)カバンで塞いでしまって完全に無意味」と不満を漏らした。
空調付きウェア、地味に重く取材には不向きだった
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