感情を組み込むマークアップ言語「EmotionML」正式採用 『ハーモニー』の世界が現実に?

W3C? 勧告って?

今回の発表を行った「W3C」とは、Webで使われる様々な仕様を決めるための活動を行う団体。

Webサイトをつくるために使われるHTMLCSSといった規格もこのW3Cで仕様が決められています。

W3Cでは、実際に使われる規格を決まるまでに、最初の発案となる草案の作成を含む5段階の工程を重ね、その内容について議論していきます。

今回の「勧告」は、その最終段階に位置付けられるもので、EmotionMLが議論対象の段階から晴れて広く一般的に利用されるべき段階になったことを示します。

伊藤計劃『ハーモニー』の世界が現実になる?

EmotionMLの内容を聞いて、伊藤計劃さんのSF小説『ハーモニー』を連想した人もいるのではないでしょうか。

ハーモニー』では作中の登場人物の感情や考えていることを表現するための方法として、小説の本文全体が「Emotion-in-Text Markup Language(etml)」という架空のマークアップ言語を使った文章ファイルという扱いで書かれています。

読者は、地の文では語られない人物の感情をタグの情報から感じると共に、本作がetmlで書かれていること自体も物語の内容に関わる仕掛けが用意されていました。

今回のEmotionMLは、あくまでも拡張機能としての役割を担うため、小説の作中のように現在のHTMLに今すぐとって代わる、というものではありません。

ちなみにEmotionMLの構想自体は『ハーモニー』刊行の前から始まっています。


まるでSFの古典作品に登場するような、カタコトの発音しか出来ないロボットばかり登場する世界を、現実はすでに飛び越そうとしているのかもしれません。
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