末広アンテナを徹底取材! ななひら×有野いく×さつきがてんこもり集結

末広アンテナを徹底取材! ななひら×有野いく×さつきがてんこもり集結
末広アンテナを徹底取材! ななひら×有野いく×さつきがてんこもり集結

末広アンテナ(左:有野いくさん 右:ななひらさん)

ボーカリストのななひらさんと声優の有野いくさんで結成された“新サブドル”こと末広アンテナが、4月23日(水)にリリースされる1stシングル『ラブギガヘルツ』でCDデビューを果たす。

ななひらさんは、音楽ゲーム『SOUND VOLTEX』への楽曲参加や、声優としてスマホアプリ「どうぶつしょうぎウォーズ」に出演。さらにはニコニコ動画の歌い手としても絶大な支持を得ているボーカリスト。ファンからは“ななひー”の愛称で親しまれている。

一方の有野さんは、PSP用ゲーム『つくものがたり』や3DS用ゲーム『メタルマックス4月光のディーヴァ』など、幅広いジャンルの作品で声優活動を続け、さらには「からあげ声優」という異名を持つ若手の声優として注目を集めている。愛称は“いくちょん”だ。

そんな異質とも言える2人のデビュー曲「ラブギガヘルツ」のプロデュースを務めるのは、大人気TVアニメ『俺の妹がこんなに可愛いわけがない』や、アイドルグループ・私立恵比寿中学などに楽曲提供を行い、ニコニコ動画ではボカロPとしても活動中のクリエイター・さつき が てんこもりさん!

さらに編曲は、さつき が てんこもりさんと一緒に私立恵比寿中学の楽曲を制作し、“かめりあ”という別名義で音楽ゲーム「BEMANI」シリーズに楽曲を提供する大箭マサヤさんが手がけている。

今回はそんな超豪華クリエイター陣によって送り出される末広アンテナを徹底取材!

ラブギガヘルツ

そもそも彼女たちは一体何者なのか、なぜななひらさんと有野さんなのか、末広アンテナというユニット名に込められた想い、そして、顔を出しての活動が初となるななひらさんの心境

さらに、「ラブギガヘルツ」に込められた想いに、彼女たちやプロデューサー陣が目指すアイドル像など、様々な疑問を、末広アンテナのお2人に加え、楽曲のみならず彼女たちをプロデュースするさつき が てんこもりさんと編曲の大箭さんにお話をうかがってきた。

(取材・構成/よしだゆうや)

10年前から考えていた念願のアイドルプロデュース

左から大箭マサヤさん、有野いくさん、ななひらさん、さつき が てんこもりさん

──まずは末広アンテナのグループ結成のお話からうかがいたいと思います。そもそもさつき が てんこもりさんは、なぜななひらさんと有野さんのお2人でアイドルユニットを結成しようとお考えになられたんですか?

さつき が てんこもり もともと、僕と大箭くんはエビ中さんや声優さんの楽曲をつくったり、アイドル関連のお仕事をすることが多いこともあって、10年くらい前から「いつか2人でアイドルをプロデュースしたいよね」という話をしてたんです。

それで、僕は中でもななひー(ななひらさん)と昔から楽曲で一緒になることが多くて、最初はななひーをアイドルとしてプロデュースしようと考えてました。

でも、ちょうど1年ほど前から僕がレギュラー出演しているニコニコ生放送の公式番組「ニコラジ」で、いくちょん(有野いくさん)と一緒に司会進行をやるようになったのが縁で、いくちょんに「アイドルにならない?」って誘ってみたらすぐに承諾してくれたんです。そこから、ななひーといくちょんの2人でアイドルを結成しようと決意して動き始めました。

初対面の2人、そしてはじめての顔出しとなるななひらさん

──お2人はアイドルグループを結成すると言われていかがでしたか? 特にななひらさんは公に顔を出されて活動されるのははじめてですよね。

ななひら はい。やっぱり最初に話を聞いた時は少し抵抗がありました。私は今まで歌い手としてインターネット上で顔を出さずに活動していて、それが歌い手の魅力の1つでもあると思っていたんです。

でもこうやって末広アンテナとして顔を出して活動してみると意外と緊張もしなくて(笑)。

有野いく 私はアイドルグループというのが、すごく面白そうだったので承諾したんですけど、正直とりあえずななひーと会ってみないとわからない、という気持ちがありました(笑)。

さつき が てんこもり 実はまだ2人の間には若干のわだかまりがあるんですよ……

有野いく ないないないない(笑)!

──実際に会ってみてどうでしたか?

有野いく すごく細くて薄くて、うらやましいなって思いました(笑)。

ななひら いくちょんは喋り方や行動が凄くハキハキしていて、逆に私はマイペースなのでついていけるか心配でした(笑)。

さつき が てんこもり まだ若干のわだかまりがあるんですよ……

ななひら 今はもうないです!

有野いく そんなこと言ったら最初はあったみたい(笑)。まぁちょっとずつ解消していこうか?

ななひら え?

有野いく 嘘だよ(笑)。

ネットで磨いたセンスと学校で学んだスキル

──すごく仲が良さそうですね(笑)。話を戻しますが、ななひらさんと有野さんのどういうところに惹かれて、アイドルグループとしてプロデュースしようと思ったんですが?

さつき が てんこもり ななひーは、さっきも言ったように僕がつくった楽曲に前々から参加してくれていたんですけど、もともとは、ニコニコ動画のカテゴリ「歌ってみた」に自分で歌った動画を投稿する歌い手として活動していたんです。

だから、インターネット上で培ってきた力が大きくて、センスがすごいんですよ。

一方のいくちょんは真逆のタイプで、声優やナレーターさんの学校へ通って勉強して学んできたアカデミックなスキルを持ってるんです。

それに今までの仕事で、文化庁がやってる「被災地における方言の活性化支援事業採択」に声優として参加したり、教習所の資格ビデオのナレーターをやっていたり、ちょっと固めな仕事も多い。

だからインターネットを中心に独学で力を付けてきたななひーと、学校で学んで、少し固めな仕事をこなしてきたいくちょんをぶつけたら、絶対面白いだろうなって思ったのが大きいですね。

──歌い手さんと声優さん。どこか近い場所にいるように見えて、実は根本的な部分はかけ離れてるんですね。

有野いく だからこそすごく刺激をもらいますね。やっぱり私は本当に毎日学校へ通って勉強して学ぶタイプでした。センスの固まりのような、ななひーの近くにずっといて「あぁ素敵だな」って思いながら刺激的な毎日を過ごしてます。

ななひら それは私も同じですね。私はいくちょんとは違って、インターネットの世界を中心に活動していたので、多分末広アンテナを結成してなかったら、いくちょんと出会うことはなかったと思います。

それに私はマイペースでフワフワしていることが多いので、行動や振る舞いがハキハキしていてまっすぐな、いくちょんを毎日見習ってます。

末広アンテナそのものを表現した「ラブギガヘルツ」

『ラブギガヘルツ』

──では具体的に楽曲のお話をうかがいたいと思います。表題曲の「ラブギガヘルツ」はどのような想いでつくられたんですか?

さつき が てんこもり これは末広アンテナの大事な1発目ということで、末広アンテナそのものを表現するようなテーマソングに仕上げました。

──末広アンテナそのものとは、例えばどういうことですか?

さつき が てんこもり 末広アンテナというユニット名には「秋葉原の先」という意味が込められています。秋葉原の隣の駅が「末広町」駅なんです。だから、“末広”アンテナ。

「秋葉原の先」と言ってしまうとおこがましいですが、末広町ってアキバのドン・キホーテを右手にしながら歩いていると、何時の間にか秋葉原に着いてしまうじゃないですか。「どうしよう、戻ろうかな」、「このまま末広町で何か食べて帰ろうかな」みたいな、末広町はそういうちょっとフワッとしたような感覚のエリアだと思ってます。

だから「ラブギガヘルツ」では、さっき言ったような、ななひーといくちょんの、真逆でどこか定まらないチグハグなマッシュアップ感と、アキバの斜め上を行くフワッとしたカルチャーを発信したかったんです。

特に2人のキャラクター性は今ままでの秋葉原には無いと自信を持って言えるので、そういう部分を感じ取ってもらえたら嬉しいです。

電波ソングで勝負しよう

──曲中に有野さんのセリフ部分や早口になる部分があったりと、いわゆる「電波ソング」というカテゴリーの楽曲だと思いますが、最近の流行を取り入れたようなアイドルソングで勝負しようとは思わなかったんですか?

大箭マサヤ これは、さつき が てんこもりさんともずっと話していたんですけど、最近のアイドルシーンの楽曲にはメタルが取り入れられていたりと、ロックチューンが多いんです。

単純に僕らはその方向性の楽曲は得意ではなくて、アイドルの楽曲をプロデュースするなら、今まで僕らがつくってきた「電波ソング」のように、オタク寄りのコンテンツをフックアップして勝負しようと考えていました。

今、「電波ソング」を歌うアイドルの供給が少ないと思っていて、だからななひらさんと有野さんの2人にやらせたら絶対に心強い武器にもなるし、今後の末広アンテナの活動の軸にしていけたらいいなと思っています。

──お2人は最初に「ラブギガヘルツ」のデモを聞いてみていかがでしたか?

有野いく 神! 神曲!!!って思いました(笑)。

ななひら 私はもともとさつき が てんこもりさんと大箭さんのファンだったので、信頼していた部分がありました。でも最初に聞いた時はその信頼をさらに上回っていて、ますます「よっしゃやるぞ!」って気合いが入りましたね。

──レコーディングは順調だったんですか?

さつき が てんこもり レコーディングをどういうふうに録ろうかみんなで相談した時に、ななひーが「うちでやりますか?」って提案してくれたので、そのままななひーの家でレコーディングをしました。

ななひら 家の中に防音室があるんですけど、そこに私といくちょんとさつき が てんこもりさんと大箭さんが入ってぎゅうぎゅう詰めでしたね(笑)。

有野いく 超楽しかったぁ! またななひーの家でレコーディングしたい!

「うるせえ黙れ」の最初のタイトルは……

──では2曲目のカップリングのお話にうつりたいと思います。2曲目は「うるせえ黙れ」というパンチの効いたタイトルですよね。

さつき が てんこもり 表題曲の「ラブギガヘルツ」は普遍的な楽曲というか、多くの人に届くような直球的な歌詞で、ライブでみんなで盛り上がれるようなアンセム感が出ていると思います。

でも末広アンテナはそういう立ち位置のアイドルを目指しているわけではないんです。だからカップリングでは、そのバランスを取るために、「末広アンテナはそういう感じでもないんだぞ」ってことを表現したくて、思い切り尖った曲を入れようと考えていました。それでどうしようかと考えた時に、もうこれしかなかったですね(笑)。

うるせえ黙れ

──有野さんはそんな尖った「うるせえ黙れ」を聞いてどうでしたか?

有野いく これ言っていいのかわからないんですけど、「うるせえ黙れ」のタイトルって、最初にデモをいただいたときは「うるせえ死ね」だったんですよ(笑)。

さつき が てんこもり 色んな大人に怒られたよね(笑)。

ななひら でも「うるせえ死ね」の方がインパクトがあって良いと思いましたね(笑)。でも「うるせえ黙れ」になっても尖っている内容には変わりないので、是非聞いてみて下さい!

色んなコンテンツの隙間を狙うグループに

2人のお気に入りの2ショット

──今のアイドルシーンには、少し前まではアイドル戦国時代と言われているほど、かなりの数のアイドルがいると思います。その中で末広アンテナはどのようなアイドルを目指していきますか?

さつき が てんこもり 末広アンテナは、例えばメジャーデビューをして、CDがすごく売れて、彼女たちの人生を左右してしまうくらいの大きなアイドルに成長する、みたいなシンデレラストーリーを実は望んでいません。

それよりも、アイドルではあるけれど、声優ソングとか秋葉原寄りのカルチャーを取り入れて、アイドルなのか声優ユニットなのか、はたまたアニソンアーティストなのかよくわからないみたいな、色んなコンテンツの隙間を狙っていきたいんです。

アニメ関連のお仕事に挑戦したい

──そうなんですね。それは意外でした。良い意味で闘争心がないというか、普通のアイドルグループとはまた少し違うんですね。逆にお2人はアイドルとしてこうなりたい、という願望はありますか?

ななひら 私はソーシャルゲームが好きなので、ソシャゲに課金ができればそれでいいです。

──(笑)(笑)(笑)。

有野いく 私はそんなななひーと、これからも一緒に活動できれば嬉しいです。

──なるほど。では最後に末広アンテナとしての今後のご展望をお聞かせ下さい。

ななひら やっぱり私は2次元の女の子が好きなので、アニメに関連したお仕事をやってみたいですね。

有野いく 私もそれ前から思ってた! いつか2人でアニメのオープニングテーマエンディングテーマを歌えたらいいよね。

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有野いく

声優

声優。通称“いくちょん”。出演作品は「つくものがたり」「メタルマックス4月光のディーヴァ」など。からあげを愛してやまない「からあげアイドル」。末広ではお姉ちゃん的存在。口癖は「やっぴー!」
Twitterアカウント:有野いく(@iku_arin0)

ななひら

ボーカリスト

ボーカリスト。通称“ななひー”。出演作品は「SOUND VOLTEX」「どうぶつしょうぎウォーズ」など。アイドル活動で更なる“感染者”獲得を目指している。オフの日は、ソシャゲでスマホが離せない。
Twitterアカウント:ななひら(@nanahira)

さつき

作曲・編曲家/DJ

作曲、企画、ディレクションを担当。ニコニコ動画ではボカロPとして楽曲「ネトゲ廃人シュプレヒコール」が160万再生を記録。アイドルグループ・私立恵比寿中学、男性声優ユニット・アニ◯ズ。TVアニメ「俺の妹がこんなに可愛いわけがない」エンディング曲(田村ゆかり歌唱)、ゴーゴーカレー店舗コマーシャル等への楽曲提供他、公式ニコニコ生放送「ニコラジ」の木曜日をやまだひさしと共に担当するなどボカロクリエイターの枠を超え活動中。
Twitterアカウント:さつき が てんこもり(@TENKOMORI)

大箭マサヤ

作曲・編曲家

さつき が てんこもりと共に、アイドルグループ・私立恵比寿中学の楽曲を制作する他、「かめりあ」名義でコナミ体感ゲーム「BEMANI」シリーズに多数の楽曲を提供。秋葉原系DJシーンにフォーカスしたムック本『GROOVE presents 秋葉原DJガイド』にて人気DJ50選に選ばれる等、ライブパフォーマンスにも高い評価を得ている。
Twitterアカウント:大箭マサヤ(@cametek)

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