日本初の雑誌の図書館・大宅壮一文庫が、存続に向けてクラウドファンディングサイト・Readyforを通じて運営資金の支援を呼びかけている。
同所では、歴史的に価値のある雑誌から女性週刊誌まで、あらゆる雑誌が所蔵。資金難に陥ったことで、蔵書を後世に残すことが難しくなりつつあるという。
雑誌は明治時代以降、130年間で発行されたもの。その中には約7,000冊の創刊号も含まれており、一番古いものでは1875年(明治8年)の「會館雑誌」までさかのぼる。 現代のようにインターネットが存在しない時代。流行の変遷は雑誌の広告に色濃く反映されていた。
ライオン歯磨(現ライオン株式会社)や松屋呉服店(現株式会社松屋)などの雑誌広告や、1970年代〜1980年代にかけて「アンノン族」を生んだ国鉄(現JR各社)が展開したディスカバー・ジャパンキャンペーン、さらにはキャンペーンガールの移り変わりも楽しめる。
「大宅式分類法」と呼ばれる索引システムでは、身近な言葉(キーワード)から手早く資料にたどり着くことを重視。災害や事件だけでなく、「B級グルメ」や「おたく」、はては「阪神優勝時に道頓堀に投げ込まれたカーネル・サンダース人形」でも検索できる。
さらに人物情報としては、政治家やタレント、アスリートなどの著名人、ベンチャービジネス経営者、皇族、さらには新海誠さんといったアニメ監督まで、情報の幅広さは一般雑誌ならではだ。
維持管理費などで支出が膨らんでいるとのことで、同所によると「来館者数と雑誌記事索引データベース 『Web OYA-bunko』の利用者が逆転し、実際の来館よりも様々な場所からのアクセスが増えました」と、全体の利用者が著しく減少したわけではないという。
とはいえ、見学者が圧倒されるほどの蔵書を保存する場として、その存続の必要性を訴えている。
生前、大宅さんは雑誌の魅力についてこう語った。
「雑誌に掲載されるものは部分的なものである。従ってまとまりに欠ける。一部ではこれを雑文といってケイベツする。しかし生活の合間に読むこれらの文章に、われわれは案外大きな影響を受けているのである。それは新聞同様に読み捨て去られるものかもしれない。しかし現代の社会生活の上に、雑文や“軽評論”の類は、図書館や書斎でホコリを浴びている古典や学者の大論文よりも、はるかに大きな役割をしめているのだ」
5月18日にスタートしたプロジェクトのリターンには、入館料無料(期間限定)、普段入ることができない施設の“裏側”を巡るツアーなどをラインナップ。19日時点で目標額の72%を達成。早くも多くの支援が寄せられている。期間は6月30日(金)11時までだ。
同所では、歴史的に価値のある雑誌から女性週刊誌まで、あらゆる雑誌が所蔵。資金難に陥ったことで、蔵書を後世に残すことが難しくなりつつあるという。
時代を色濃く反映した約78万冊の雑誌が存続の危機
東京・世田谷区にある大宅壮一文庫は、評論家・大宅壮一さんが、生前収集していた約17万冊に及ぶ雑誌コレクションを引き継ぐかたちで、1971年に設立。現在はおよそ1万タイトル、78万冊を所蔵している。雑誌は明治時代以降、130年間で発行されたもの。その中には約7,000冊の創刊号も含まれており、一番古いものでは1875年(明治8年)の「會館雑誌」までさかのぼる。 現代のようにインターネットが存在しない時代。流行の変遷は雑誌の広告に色濃く反映されていた。
ライオン歯磨(現ライオン株式会社)や松屋呉服店(現株式会社松屋)などの雑誌広告や、1970年代〜1980年代にかけて「アンノン族」を生んだ国鉄(現JR各社)が展開したディスカバー・ジャパンキャンペーン、さらにはキャンペーンガールの移り変わりも楽しめる。
皇族からアニメ監督まで、国内外で利用される独自検索システム
貴重な雑誌原本の閲覧や複写に加え、大宅壮一文庫では独自の雑誌記事検索データベースを作成。雑誌記事索引データベース 「Web OYA-bunko」として国内外で利用されている。「大宅式分類法」と呼ばれる索引システムでは、身近な言葉(キーワード)から手早く資料にたどり着くことを重視。災害や事件だけでなく、「B級グルメ」や「おたく」、はては「阪神優勝時に道頓堀に投げ込まれたカーネル・サンダース人形」でも検索できる。
さらに人物情報としては、政治家やタレント、アスリートなどの著名人、ベンチャービジネス経営者、皇族、さらには新海誠さんといったアニメ監督まで、情報の幅広さは一般雑誌ならではだ。
リターンには入館料無料やバックヤードツアー
大宅壮一文庫の利用料は一般が500円。維持管理費などで支出が膨らんでいるとのことで、同所によると「来館者数と雑誌記事索引データベース 『Web OYA-bunko』の利用者が逆転し、実際の来館よりも様々な場所からのアクセスが増えました」と、全体の利用者が著しく減少したわけではないという。
とはいえ、見学者が圧倒されるほどの蔵書を保存する場として、その存続の必要性を訴えている。
生前、大宅さんは雑誌の魅力についてこう語った。
「雑誌に掲載されるものは部分的なものである。従ってまとまりに欠ける。一部ではこれを雑文といってケイベツする。しかし生活の合間に読むこれらの文章に、われわれは案外大きな影響を受けているのである。それは新聞同様に読み捨て去られるものかもしれない。しかし現代の社会生活の上に、雑文や“軽評論”の類は、図書館や書斎でホコリを浴びている古典や学者の大論文よりも、はるかに大きな役割をしめているのだ」
5月18日にスタートしたプロジェクトのリターンには、入館料無料(期間限定)、普段入ることができない施設の“裏側”を巡るツアーなどをラインナップ。19日時点で目標額の72%を達成。早くも多くの支援が寄せられている。期間は6月30日(金)11時までだ。
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施設概要
大宅壮一文庫
- 所在地
- 東京都世田谷区八幡山3丁目10番20号
- アクセス
- 京王線八幡山駅 下車 徒歩8分
- TEL
- 03-3303-2000
- 開館
- 10時00分~18時00分(閲覧受付 17時15分まで、複写受付 17時30分まで)
- 休館日
- 日曜・祝日・年末年始
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