北欧発の萌えアニメ『せんぱいクラブ』の主題歌「卒業しないで、先輩!」をはじめとする12曲が詰まっている。
世界最大のフェス「SXSW」にも出演したサテライトヤングとは?
事務所やレーベルに所属せず、完全インディーズでありながら、SoundCloudにあげ続けていた楽曲は様々な文脈で世界に広がり、コアなファンを着実に増やしている。
そのファン層は、往年のアイドルを懐かしむ世代、リアルタイムではないけど歌謡のキャッチーなメロディに惹かれた若者。さらには、ネットレーベルから知ったインディー音楽マニアの北米人、日本のアニメファンなど様々である。
ギーギーボーイフレンド
— 白米&麺&パン食べない70日目 (@hosomomi) 2016年3月26日
少ししっとりしたRemix ver.、良い!なんか永井真理子を思い出した。年代も路線も少しあとですけれど、永井真理子の頃までは音に80年代アイドル歌謡の名残りがあったような~。#サテライトヤング pic.twitter.com/oOrRy0sRkT
また、3月9日から19日にアメリカ・テキサス州オースティンで開催された世界最大級の音楽フェス「SXSW」(サウス・バイ・サウスウェスト)にも出演を果たした。 さらに、アメリカ・アトランタで行われたイベント「AWA」(Anime Weekend Atlanta)では、サテライトヤングのコスプレをするファンも。ちなみに、サテライトヤングは、AWAには参加していない。それにもかかわらず、遠く離れた米国で、コスプレをするファンまでいるのだから驚きだ。おっサテライトヤングがbuzzってる。俺が彼女たちを初めて知ったのはbandcampのvaperwave/futurefunk好きな友達経由だった。最初日本人と思ってなかった
— ロウLowBlowブロウ (@kickbrick) 2017年3月13日
彼らがファンになったきっかけは、Youtubeで再生回数130万回を誇る人気アニメ「せんぱいクラブ」の主題歌がきっかけだそうだ。この昭和風のアニメは、スウェーデン在住で21歳のクリエイター、エリック・ブラッドフォードによってつくられている。
ネット文化から生まれ、磨かれた世界初のJ-シンセ
サテライトヤングの活動開始と時を同じくし、2010年代前半から、ネットレーベル界隈では、Synthwave (シンセウェイブ)やRetrowave(レトロウェイブ)といった80sミュージックのリバイバルシーンが世界的に盛り上がりつつあった。サテライトヤングは活動の初期から、シンセウェイブシーンの牽引役とも言える米レーベル/メディア ”NewRetroWave” や ”Future City Records” とのパートナーシップを開始。海外シーンとの連携を図りつつも、ジャパニーズ・アイドル歌謡のDNAを受け継いだ独自のスタイルを展開してきた。
その結果、シーンの最重要人物であり、映画『KungFury』の音楽監督であるMitch Murderからも注目され、コラボレーションが実現した。架空女スパイが主役のアニメの主題歌をイメージしたという、非常にハイコンテクストな楽曲へのアプローチにも注目だ。
It was nostalgic and retro, but very much fresh and unique. The next time the “satellite” appears, be ready for the ultimate J-Synth experience with Satellite Young.
ノスタルジックでレトロ、しかしとても新鮮でユニークである。次回“衛星”が現れたら、サテライトヤングとともに極上のJ-Synthを体験せよ。(New Retro Wave記事より引用
)
モノマネと一線を画すマニアックな音づくり
サウンドメイク、アレンジ、エンジニアリングを担当するベルメゾン関根(サングラスをかけた彼)は、幼少期から古今東西のシンセミュージックにどっぷり浸かり、大学でデジタル音響合成を学んだ筋金入りの「シンセサウンドマニア」である。
また同時に、現代ならではのミックス/エンジニアリングを施し、ただの懐古主義ではない、現代アレンジのエレクトロニックミュージックとしての音像をつくりあげている。 今回のアルバム『SATELLITE YOUNG』では、80sサウンドへのリスペクトと同時に、常に未来思考であるサテライトヤングの姿勢をはっきりと感じることができるだろう。
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