2016年、20歳に最も読まれた小説とは? 気になるランキングTOP10発表

2016年、20歳に最も読まれた小説とは? 気になるランキングTOP10発表
2016年、20歳に最も読まれた小説とは? 気になるランキングTOP10発表

小説 君の名は。

書籍購入サイト「honto」が、購入された書籍や電子書籍の販売データをもとに集計した「2016年 二十歳(はたち)が一番読んだ小説ランキング」を発表しました。

ランキング10作品中6作品は、実写やアニメーションとして映像化されている小説でした。特に8月に公開されて以降、現在でもロングラン上映されているアニメーション映画『君の名は。』監督を務める新海誠さんの作品が3冊ランクイン。

さらには、アニメーション映画化が発表され話題になった森見登美彦さんの作品や、実写版映画が公開された有川浩さんの作品もみられます。

メディアミックス化に際して、より登場人物の心理描写や背景を文字として読み取れる「小説」が注目された1年になったのではないでしょうか。

実写/アニメーション化された作品や有名賞受賞作が目白押し

【第1位】小説 君の名は。

小説 君の名は。

山深い田舎町に暮らす女子高校生・三葉は、自分が男の子になる夢を見る。見慣れない部屋、見知らぬ友人、目の前に広がるのは東京の街並み。一方、東京で暮らす男子高校生・瀧も、山奥の町で自分が女子高校生になる夢を見る。やがて二人は夢の中で入れ替わっていることに気づくが―。出会うことのない二人の出逢いから、運命の歯車が動き出す。 Amazonより

2016年に公開され、一世を風靡したアニメーション映画『君の名は。』。同小説を含めたコミック、ビジュアルガイドなどの関連書籍の発行部数は全世界で320万部を突破しています。

同小説は、映画の監督を務めた新海誠さんが自ら執筆したもの。映画中で入れ替わる三葉と瀧の視点をテンポよく入れ替えながら、映画では描ききれなかった両者の心理描写を交えつつ物語が展開していきます。

『小説 君の名は。』を購入する

【第2位】君の膵臓をたべたい

君の膵臓をたべたい

偶然、僕が病院で拾った1冊の文庫本。タイトルは「共病文庫」。それはクラスメイトである山内桜良が綴っていた、秘密の日記帳だった。そこには、彼女の余命が膵臓の病気により、もういくばくもないと書かれていて――。
病を患う彼女にさえ、平等につきつけられる残酷な現実。【名前のない僕】と【日常のない彼女】が紡ぐ、終わりから始まる物語。 Amazonより

住野よるさんのデビュー作で、元々は小説投稿サイト「小説家になろう」に投稿されていた作品。60万部を超えるベストセラーになっており、2017年夏には実写版映画として全国の東宝系でロードショーが決定しています。

内容は、正反対の性格で同じクラスにいながらも交わることのなかった男女がお互いを変える存在になっていく物語。「僕」の名前が終盤まで明かれない理由、そして明かされたときにわかることとは…?

『君の膵臓をたべたい』を購入する

【第3位】何者

何者

就職活動を目前に控えた拓人は、同居人・光太郎の引退ライブに足を運んだ。光太郎と別れた瑞月も来ると知っていたから――。瑞月の留学仲間・理香が拓人たちと同じアパートに住んでいるとわかり、理香と同棲中の隆良を交えた5人は就活対策として集まるようになる。
だが、SNSや面接で発する言葉の奥に見え隠れする、本音や自意識が、彼らの関係を次第に変えて……。 Amazonより

2016年10月に実写版映画が公開されたことも記憶に新しい、朝井リョウさんによる作品。同小説は第148回直木賞を受賞しており、平成生まれの直木賞受賞は史上初だったということです。

「就職活動」「SNS」を題材にしており、同ランキングの対象となった「20歳」前後の年齢にこそ特に興味をもたれやすい内容だったのではないでしょうか。

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【第4位】また、同じ夢を見ていた

また、同じ夢を見ていた

友達のいない少女、リストカットを繰り返す女子高生、アバズレと罵られる女、一人静かに余生を送る老婆。
彼女たちの“幸せ"は、どこにあるのか。「やり直したい」ことがある、“今"がうまくいかない全ての人たちに送る物語。 Amazonより

『君の膵臓をたべたい』でデビューした住野よるさんの作品。『君の膵臓をたべたい』に引き続き、イラストレーター/漫画家であるloundrawさんによる青色を基調とした表紙も美しいです。

住野さんは同小説について、自身のTwitterで「好きなもの全部詰め込んでやろうとして書きました。」と話しており、日本のロックバンドである10-FEETとTHE BACK HORNから影響を受けているということです。

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【第5位】植物図鑑

植物図鑑

お嬢さん、よかったら俺を拾ってくれませんか。咬みません。躾のできたよい子です―。思わず拾ってしまったイケメンは、家事万能のスーパー家政夫のうえ、重度の植物オタクだった。樹という名前しか知らされぬまま、週末ごとにご近所で「狩り」する風変わりな同居生活が始まった。
とびきり美味しい(ちょっぴりほろ苦)“道草”恋愛小説。レシピ付き。 Amazonより

「図書館戦争」シリーズや「三匹のおっさん」シリーズで知られる、有川浩さんによる作品で、2009年に単行本化。2016年6月に実写映画化されたことにより、改めて読まれる機会が増えたのではないでしょうか。

同作では、聞いたことも見たこともあるけど、日常生活ではあまり気に留めない家や街の周りの植物が数多く登場します。一般的な恋愛小説とは趣の異なる「植物」「料理」の描写が魅力の作品です。

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【第6位】コンビニ人間

コンビニ人間

36歳未婚女性、古倉恵子。大学卒業後も就職せず、コンビニのバイトは18年目。これまで彼氏なし。日々食べるのはコンビニ食、夢の中でもコンビニのレジを打ち、清潔なコンビニの風景と「いらっしゃいませ!」の掛け声が、毎日の安らかな眠りをもたらしてくれる。
ある日、婚活目的の新入り男性、白羽がやってきて、そんなコンビニ的生き方は恥ずかしいと突きつけられるが…。「普通」とは何か?現代の実存を軽やかに問う衝撃作。 Amazonより

第155回芥川賞を受賞した、村田沙耶香さんの作品。同小説で描かれるコンビニでバイトをする主人公と同じく、作者の村田さんもコンビニでバイトをしているということです。

マニュアル通り働くことで「普通の人間」を演じることや、世間の「常識」に合わせて生きることは本当に正しいことなのか? 常識という概念を揺さぶられる作品です。

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【第7位】羊と鋼の森

羊と鋼の森

ゆるされている。世界と調和している。それがどんなに素晴らしいことか。言葉で伝えきれないなら、音で表せるようになればいい。ピアノの調律に魅せられた一人の青年。彼が調律師として、人として成長する姿を温かく静謐な筆致で綴った、祝福に満ちた長編小説。 Amazonより

直木賞の決選投票に残った、宮下奈都さんによる小説。2016年に発表された第13回本屋大賞に選ばれています。

誰しもが一度は抱く「この職業に自分は向いているのか?」という葛藤と成長を切り取った作品です。

『羊と鋼の森』を購入する

【第8位】夜は短し歩けよ乙女

夜は短し歩けよ乙女

「黒髪の乙女」にひそかに想いを寄せる「先輩」は、夜の先斗町に、下鴨神社の古本市に、大学の学園祭に、彼女の姿を追い求めた。
けれど先輩の想いに気づかない彼女は、頻発する“偶然の出逢い”にも「奇遇ですねえ!」と言うばかり。そんな2人を待ち受けるのは、個性溢れる曲者たちと珍事件の数々だった。 Amazonより

山本周五郎賞を受賞し、本屋大賞2位にも選ばれた、森見登美彦さんによる作品。 2017年4月に星野源さん主演でアニメーション映画が公開されることが発表され、話題になった小説です。

同じく森見登美彦さんによる小説『四畳半神話大系』と世界観や登場人物が共有されているので、あわせて読んでみるのもいいかもしれません。

『夜は短し歩けよ乙女』を購入する

【第9位】小説 言の葉の庭

小説 言の葉の庭

また会うかもね。もしかしたら。雨が降ったら―。雨の朝、静かな庭で2人は出会った。靴職人を志す高校生の孝雄と、謎めいた年上の女性・雪野。迷いながらも前に進もうとする2人は、どこへ足を踏み出すのか。 Amazonより

映画『君の名は。』の大ヒットを受けて、新海誠さんの過去作も再びスポットを当てられています。

『君の名は。』や後述の『秒速5センチメートル』と同じく、アニメーション映画『言の葉の庭』を新海誠さんが自ら小説化。映画では語られなかった心理描写が特徴的です。

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【第10位】小説 秒速5センチメートル

小説 秒速5センチメートル

「桜の花びらの落ちるスピードだよ。秒速5センチメートル」いつも大切なことを教えてくれた明里、そんな彼女を守ろうとした貴樹。小学校で出会った2人は中学で離ればなれになり、それぞれの恋心と魂は彷徨を続けていく―。 Amazonより

こちらも、アニメーション映画『秒速5センチメートル』を、新海誠監督が小説化。1人の少年を軸に描かれる3つの連作短編からなる小説です。

1月5日(木)現在、映画『君の名は。』公開記念として、特設サイト「新海誠の本」が公開中。小説版『君の名は。』『言の葉の庭』とあわせて冒頭を試し読みできます。

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