東京・日本科学未来館にて行われた経済産業省主催のイベント「DIGITAL CONTENT EXPO」初日となる10月27日、「Innovative Technologies 2016」の特別賞が決定しました。
全20件の採択技術の中から、電気通信大学の失禁研究会による「失禁体験装置」が「Human」賞を受賞。
KAI-YOU編集部では、2015年10月の学生VRコンテスト「IVRC2015」と、2016年4月の「ニコニコ超会議2016」に出展された際も失禁研究会を取材しています。 これは、そもそも「若者に体験してもらい、老人など失禁してしまう人の気持ちをわかってほしい」という想いのもと開発された装置。
VR体験というとHMD(ヘッドマウントディスプレイ)を装着するイメージが強いですが、この「失禁体験」では腰回りにデバイスを装着します。失禁体験装置
空気で装置を膨らませ膀胱に圧迫感を与える。そして、椅子から股間部にかけて設置した袋にお湯を流すことで尿のあたたかさを、股間部へはスピーカーによって尿道の振動を、ネッククッションで首筋に冷感と振動を与えて身体の震えを再現することで、失禁したときの現象をあらゆる手段で再現するという、前代未聞の装置でした。
失禁体験装置は「宇宙空間では排尿すら大変な作業。VR元年ならぬ宇宙旅行元年にはこうした体験が、訓練にも必要となるのではないか。」との評価を受けています。
──「Innovative Technologies2016」特別賞を受賞されて、今のお気持ちはいかがですか?
亀岡 大変光栄な賞をいただき、感謝の気持ちでいっぱいです。特に選考委員長でありました舘暲先生からは、今後の発展性や学生の身でありながらアクティブに開発をする姿勢を評価していただき、開発への意欲が一段と高まりました。
──「失禁体験装置」、今回バージョンアップしている所はありますか?
亀岡 全体的な装置の改善と新要素の追加を行いました。具体的には膀胱圧迫は従来のエアーコンプレッサーをエアーモーターに切り替えることで装置の小型化をしたり、首筋への冷感はペルチェ素子を仕込んだネッククッションから空冷ファンに変更したりしました。
特に装置の小型化と簡略化は、展示会出展にあたり、非常に重要な点でしたので、とても意識しました。
あとは、新要素である「臭い」です。VR技術は五感すべてを刺激してユーザーに特定の感覚を感じてもらうというものですので、体験者に尿の臭いを嗅がせることでよりリアルな失禁体験を目指しました。今後はさらなる感覚を刺激していく予定です。
──「失禁体験装置」の今後のさらなる展開はありますか?
亀岡 新たな要素を加えて常にバージョンアップをしていく予定です。すでにアイデアはあるのですが、実装が追い付いていないのが現状です。また,従来の要素も見直しをしてよりクオリティの高い失禁体験を目指していきます。
──「宇宙分野にも必要とされる技術になるのではないか」との講評がありましたが、開発者としてどうお考えですか?
亀岡 失禁体験装置の利用方法が見つかることは開発者として素直にうれしいです。ただ、私個人としては利用例に良し悪しはなく、この装置を求める分野、人に装置が届くことを常に祈っています。私たちはあくまでVR研究者ですので、追及すべきは感覚の再現・提示であり、その応用先については利用者と共に考えていければと思っております。
ただ、宇宙分野への応用というのは想像もしておらず、ある意味衝撃を受けました。
──失禁研究は今後も受け継がれていきそうですか?
亀岡 私含め半分の現メンバーは来年から忙しくなり、失禁研究には関われない可能性があります。なので、残りのメンバーに技術やノウハウを引き継ぎ、この研究を受け継いでもらう予定です。
しかし、あくまで後輩たちには失禁研究会にとらわれず、ここで培ったVR技術の考え方・接し方を活かしつつ、常識にとらわれない発想で新たなプロジェクトを立ち上げてほしいと願っています。
──最後になりますが亀岡さんにとって「失禁」とは?
亀岡 私にとって失禁はたくさんの人々と私たちをつなげてくれた架け橋のようなものです。このつながりを大切にし、今後も研究に誠心誠意取り組みたいと思います。「ニコニコ超会議2016」ブースの様子
全20件の採択技術の中から、電気通信大学の失禁研究会による「失禁体験装置」が「Human」賞を受賞。
KAI-YOU編集部では、2015年10月の学生VRコンテスト「IVRC2015」と、2016年4月の「ニコニコ超会議2016」に出展された際も失禁研究会を取材しています。 これは、そもそも「若者に体験してもらい、老人など失禁してしまう人の気持ちをわかってほしい」という想いのもと開発された装置。
VR体験というとHMD(ヘッドマウントディスプレイ)を装着するイメージが強いですが、この「失禁体験」では腰回りにデバイスを装着します。
「失禁研究会」の代表・亀岡嵩幸さんに、受賞記念メールインタビュー
「Innovative Technologies 2016」特別賞は特にコンテンツ産業以外の分野への波及・応用の可能性が高い技術を表彰するもの。失禁体験装置は「宇宙空間では排尿すら大変な作業。VR元年ならぬ宇宙旅行元年にはこうした体験が、訓練にも必要となるのではないか。」との評価を受けています。
今回出展された装置はどのようにバージョンアップされていたのか、失禁研究会の代表・亀岡嵩幸さんにコメントをいただきました。失禁研究会の失禁体験装置がDCEXPOで特別賞をいただきました。今後も常に進化し続ける失禁体験装置にご期待ください。 pic.twitter.com/1Ch3IBR2kH
— ふぁるこ@失禁研究会 (@faruco10032) 2016年10月27日
──「Innovative Technologies2016」特別賞を受賞されて、今のお気持ちはいかがですか?
亀岡 大変光栄な賞をいただき、感謝の気持ちでいっぱいです。特に選考委員長でありました舘暲先生からは、今後の発展性や学生の身でありながらアクティブに開発をする姿勢を評価していただき、開発への意欲が一段と高まりました。
──「失禁体験装置」、今回バージョンアップしている所はありますか?
亀岡 全体的な装置の改善と新要素の追加を行いました。具体的には膀胱圧迫は従来のエアーコンプレッサーをエアーモーターに切り替えることで装置の小型化をしたり、首筋への冷感はペルチェ素子を仕込んだネッククッションから空冷ファンに変更したりしました。
特に装置の小型化と簡略化は、展示会出展にあたり、非常に重要な点でしたので、とても意識しました。
あとは、新要素である「臭い」です。VR技術は五感すべてを刺激してユーザーに特定の感覚を感じてもらうというものですので、体験者に尿の臭いを嗅がせることでよりリアルな失禁体験を目指しました。今後はさらなる感覚を刺激していく予定です。
──「失禁体験装置」の今後のさらなる展開はありますか?
亀岡 新たな要素を加えて常にバージョンアップをしていく予定です。すでにアイデアはあるのですが、実装が追い付いていないのが現状です。また,従来の要素も見直しをしてよりクオリティの高い失禁体験を目指していきます。
──「宇宙分野にも必要とされる技術になるのではないか」との講評がありましたが、開発者としてどうお考えですか?
亀岡 失禁体験装置の利用方法が見つかることは開発者として素直にうれしいです。ただ、私個人としては利用例に良し悪しはなく、この装置を求める分野、人に装置が届くことを常に祈っています。私たちはあくまでVR研究者ですので、追及すべきは感覚の再現・提示であり、その応用先については利用者と共に考えていければと思っております。
ただ、宇宙分野への応用というのは想像もしておらず、ある意味衝撃を受けました。
──失禁研究は今後も受け継がれていきそうですか?
亀岡 私含め半分の現メンバーは来年から忙しくなり、失禁研究には関われない可能性があります。なので、残りのメンバーに技術やノウハウを引き継ぎ、この研究を受け継いでもらう予定です。
しかし、あくまで後輩たちには失禁研究会にとらわれず、ここで培ったVR技術の考え方・接し方を活かしつつ、常識にとらわれない発想で新たなプロジェクトを立ち上げてほしいと願っています。
──最後になりますが亀岡さんにとって「失禁」とは?
亀岡 私にとって失禁はたくさんの人々と私たちをつなげてくれた架け橋のようなものです。このつながりを大切にし、今後も研究に誠心誠意取り組みたいと思います。
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イベント情報
DIGITAL CONTENT EXPO 2016
- 会期
- 2016年10月27日(木)〜 30日(日)
- 会場
- 日本科学未来館
- 主催
- 経済産業省、一般財団法人デジタルコンテンツ協会
- 共催
- 日本科学未来館
- 協賛
- ソニー株式会社、大日本印刷株式会社、凸版印刷株式会社、株式会社ポリー
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