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HIYADAMインタビュー 高校生ラップ選手権王者とヒップホップの新たな光

HIYADAMさん

東京のど真ん中に位置する名ライブハウス・恵比寿LIQUIDROOMに、札幌から1人の高校生が彗星の如く現れた。

その少年の名はHIYADAM。バラエティ番組『BAZOOKA!!!』が主催する、日本一の高校生ラッパーを決めるMCバトルの甲子園「第3回 BAZOOKA!!!高校生RAP選手権」に出場し、フリースタイルをはじめてから間もないキャリアで、次々と優勝候補を打ち破り、見事、優勝の座を勝ち取った。

優勝後は、数々のイベントに出演して東京へ進出。さらには『HIYADAM DEMO』、1st EP『The Samedays』など、積極的に音源もリリース。全10曲を収録した待望の1stミニアルバム『5561』をリリースする。

「KAI-YOU.net」では、そんなHIYADAMさんにロングインタビューを敢行。現在17歳の高校生であるHIYADAMさんが、一体何を考え何を思うのか──「高校生RAP選手権」出場時の心境や、ヒップホップとの出会い、今後のMCバトルにはほぼ出場しないと語る理由、今のヒップホップシーンについて、さらにはミニアルバムに込められた思いなど、戦略的にも見える彼の活動の真意に迫った。

(取材・構成/よしだゆうや)

「第3回 高校生RAP選手権」出場のきっかけ

──2013年は怒涛の1年だったと思いますが、まずはその躍進のきっかけとなった「第3回 高校生RAP選手権」についておうかがいしたいと思います。それまで、MCバトルのご経験はあったのでしょうか?

HIYADAM 地元・札幌での小さな大会や、UMB(ULTIMATE MC BATTLE)の札幌予選には出場していました。なので、「高校生RAP選手権」までは2回くらいしか大会出場の経験はなくて、まだフリースタイルもはじめたばかりでした。

──それがなぜ、「高校生RAP選手権」に出場しようと考えたのでしょうか?

HIYADAM 「高校生RAP選手権」を開催する前から『BAZOOKA!!!』を見ていて、第1回、第2回のときは出場選手をいつ募集していたのかわからなかったんです。ぼくが出場した第3回からイベント化したこともあって、CMとかでも告知がはじまって、それでオーディションの存在を知りました。

受付の期間も結構長くて、「これは出るしかない!」 と思って、やっと応募ができました。第1回も第2回もオーディションの存在を知っていれば出場したかったです(笑)。

──あまり経験がない状態で出場されて、そのまま優勝してしまったんですよね…。 大会後の反響として、よく、頭にすんなりと流れるように入ってくるような、フロウ重視のラッパーと言われることが多いかと思うのですが、ご自身ではその点は意識されていたのでしょうか?

HIYADAM いいえ。それまでは、フロウがないラッパーだと思っていました(笑)。むしろ韻の踏み方や言葉の選び方、相手のラップに対しての返しが得意なのかな、と感じていたくらいです。

自分がラップしている姿が映像として残っているのは「高校生RAP選手権」でのMCバトルがはじめてで、そこで改めて自分のフロウというものを聴きました。

それで、周りの人から「フロウがすごいね」って言われるようになって、それまでは何も考えずにただラップをしていただけだったんですが、それがきっかけで、良く言われる〝流れるようなフロウ〟がぼくのラップの中で一番重要なものになりました。そんなこともあって、第4回目では、フロウを意識してMCバトルに挑みました。

「第4回 高校生RAP選手権」もう1つの決勝戦とも呼ばれるEINSHTEIN戦

──具体的にどのような点を意識して挑まれたのでしょうか?

HIYADAM 第3回目では、全体的にクールに決めていたつもりです。第4回目では、あまりこういうことを言うのは良くないかもしれませんが、以前よりも余裕ができたこともあって、自分も少し楽しみつつ、オーディエンスの盛り上がりを意識していました。

──その中で、延長戦になったEINSHTEINさんとの激闘の末、惜しくも負けてしまいましたが、そのときのことは覚えていますか?

HIYADAM EINSHTEIN戦では、それこそバイブスを強く出したつもりです。フロウも意識していたのですが、それに加えて、音に対して乗りつつも、リズムを付けて少し綺麗ではないラップもしたりしました。

──自分のフロウを認識してから、何かMCバトルに挑む上で意識するようになったことはあるのでしょうか?

HIYADAM 別に何が良いとかそういうわけではないんですが、やっぱり聞いていて気持ちが良いということです。韻が固いとかっこよくて、バトルに出場しているMCの方やオーディエンスが盛り上がるのもわかるんですが、そこだけに執着してしまうと、流れがよくないし、ただの言葉遊びのようになってしまう。

MCバトルも相手とのセッションだと思っていて、相手が言ったことに対しての流れもちゃんと意識してバトルをしていますね。

──では、韻を踏むということに関しては、そこまで重要視されてないということですか?

HIYADAM そういうわけではなく、ぼくは韻を長い言葉で踏む箇所と逆に短く踏まないといけない箇所があると思っていて、ずっと長い言葉ばかりで踏んでいると、流れがあまり良くない。なので、長い言葉で踏もうと思えばできますが、あえて短い言葉で踏むことで、流れをつくるようにしています。

──「第4回 高校生RAP選手権」でのバトルを見て、ここぞという箇所は、間を空けたりすることで、オーディエンスにわかりやすいようにしているのかな、と感じました。

HIYADAM ぼくのラップは少しわかりづらくて、聞き取りづらいと思っているので、そうしないとダメかなって思って(笑)。特に第4回では、わかりやすくラップしたつもりでいますね。

他のMCバトルと比べて

──あんなにバチバチの戦いを繰り広げると、バトル外で一触即発のような空気になったりすることもあるんじゃないですか?

HIYADAM ないですね、みんなすごく仲が良いです(笑)。バトルもそうですが、みんなゲストの方のライブを楽しみにしていたりもして、楽屋も和気あいあいとしています。

──それって多分ラッパーにとっては普通のことかもしれないですが、あまりMCバトルなどに馴染みのない人からすると、さっきまで罵倒しあってた人たちが、戦いが終わったら仲良くできるんだ、という驚きがあると思うんですよ。

HIYADAM 罵倒してるようで、罵倒してる感覚はないですね。たとえるとスポーツのような感じで、己のスキルを見せ合って戦っていて、勝っても負けても最後は握手するように、MCバトルにおいても、どっちが負けても「悔しい」という気持ちは残りますが、バトル後に相手に何か言ったりするわけじゃないと思います。

──HIYADAMさんにとって、「高校生RAP選手権」は、ほかのMCバトルの大会やイベントの中で、どのような位置づけなのでしょうか?

HIYADAM 「高校生RAP選手権」は、ぼくが思っている以上にヒップホップ好きや、それ以外の方も巻き込んで、かなり多くの人が見てくれている大会になっていると思います。それはおそらく、「高校生が本気でラップをしあっている」というコンセプトが面白いんじゃないでしょうか。

そういう意味でも、「高校生RAP選手権」は、バチバチの戦いというよりも、誰が見ても面白いエンターテインメントに近いと思います。参加してみても、ほかのMCバトルの大会よりも楽しくて、参加している高校生もみんな自分を持っていて魅力的だと感じます。

そういう面では、ほかのバトルと違って、負けてもプラスになるものがあると思います。だから「高校生RAP選手権」では、負けてしまってもラップで自分を出せれば良いかな、という感覚でいますね。なので、数あるMCバトル大会の中でも、特にラップの見せ方に関しては重要視するイベントでもありました。

でも普通のバトルは、ただの勝負。だから大会では優勝しないと意味がなくて、準優勝でも全然ダメなんです。

今後のMCバトル大会への出場に対する考え

──第5回の開催も決まりましたが、今後も出場していく予定はありますか?

HIYADAM ノーコメントでお願いします(笑)。MCバトルはぼくにとって自分を知ってもらうための場でしかなくて、MCバトルをきっかけに、ぼくの楽曲を聴いてくれることが理想の形だと思います。「高校生RAP選手権」というすごく有名なイベントで優勝することができて、それなりに自分自身の知名度も上がりました。

だからもう、UMBくらいの大きい大会以外は、「高校生RAP選手権」含め、あまりMCバトルの大会には出場しなくて良いかな、と考えていて、それよりも自分のスキルを上げるためや期待に応えるためにも、積極的に楽曲をつくっていきたいです。

HIYADAMとヒップホップの出会い

HIYADAMさん ──HIYADAMさんが今こうして活躍している姿を見て、ヒップホップと出会い、ラップやDJなどをはじめようと考える方も多いと思います。HIYADAMさんにとってヒップホップとの出会いはどのようなものだったのでしょうか

HIYADAM もともと親がブラックミュージックが好きで、それこそぼくがお腹の中にいる時から、ヒップホップやR&Bを聞いて育ちました。その影響もあってか、小学生の頃から、特にヒップホップという意識はしてなかったのですが、RIP SLYMEさんやHOME MADE 家族さんを聞いていましたね。中学生になってからは、さらに本格的に意識してヒップホップを聴くようになりました。

最初の頃は洋楽のヒップホップから入って、日本語ラップはあまり聞いていませんでした(笑)。むしろ、日本語ラップはダサいくらいに思っていたくらいで、でもある時親が、RHYMESTERさんのアルバム『マニフェスト』を絶対聞いたほうが良い! ってすごく勧めてきて、ダサいと思いながらも聞いてみるとすごくかっこよくて、それを機に日本語ラップも聞くようになりました。

──今のHIYADAMさんに影響があるのは、どちらかというと海外のHIP HOPなんでしょうか?

HIYADAM そうですね、今でも日本語ラップは普通に聴きますが、あまり聴き込まないようにしています。日本語ラップを聴き過ぎてしまうと、日本語だからすんなり頭に入ってきてしまって、自然とフロウなんかが似てきてしまうと思っていて、あえて聴き込まないようにしています。

──聴いている側から、自分でラップをするようになったのは、周りにラップをしてる友人がいたり、何かきっかけがあったのでしょうか?

HIYADAM 中学生の頃、友人の間でなぜか川柳がすごく流行っていて、連歌という即興で句を言い合う言葉遊びをずっとやってました(笑)。今思うと、それがフリースタイルのはじまりだったのかもしれません。なので、ラップをやってるという意識はないけど、ラップができてしまう、韻が踏めてしまうような友人が周りに多かったです。

それから、中学2年生くらいの時に「暇だからラップやってみない?」という流れになって、遊びでラップをはじめました。

──遊びではじめたラップでどうやって、ステージに1人で立つまでになったのでしょうか?

HIYADAM なぜかラップをはじめて一ヶ月も経ってないのに、フリースタイルをしている動画をUMB北海道代表のKAIくんに送ったんです。そしたらKAIくんが「良いじゃん!」って言ってくれて、むしろKAIくんがヒップホップに引き込んでくれたくらいで、それから15歳の中学3年生くらいの頃から、イベントにも出演するようになりました。

──もう15歳の時から、本格的にラップをはじめていたんですね。東京でのHIYADAMさんのステージを見ると、すごく場慣れしているように感じます。

HIYADAM ステージの見せ方に関しては最初から先輩に指導されていて「ライブするときは堂々とやれ」「下は向かない、後ろは向かない」と言われてきて、今でもそれは意識してやってますね。そういう経験から、緊張していても堂々としているように見られているのかもしれませんね。 HIYADAMさん HIYADAMさん ──確かに見ていると緊張はされてないように思います。実際メンタルは強いのでしょうか?

HIYADAM ライブ中は人の顔をすごくうかがってしまうので、時に心が折れることもあります(笑)。大きい会場だと照明でお客さんが見えないので、やりやすいですね(笑)。だけどぼくが毎月出演しているクラブはすごく小さいしステージもないので、お客さんと同じ目線でかなり近い距離でライブをやってるんです。だから顔がよく見えるので、いまだに気しちゃって歌詞を飛ばしたりすることもあって、まだ全然うまくできないですね(笑)。

北海道と東京のヒップホップシーンについて、その違いは?

──札幌のヒップホップシーンで活動されている一方で、最近は東京での活動も増えたと思います。札幌のヒップホップシーンは、東京と比べてどうですか?

HIYADAM 東京や大阪と比べるとプレイヤーもリスナーの数も少ないですが、その分とても濃いシーンになっていて、ラップがうまい人しかいないです。ラップ初心者なのに、ライブ一発目で良いパフォーマンスができたり、全然ぼくよりもヤバくて化け物みたいな人ばかりです。ぼくはたまたまチャンスをつかんだだけであって、実力はあるのに日の目を浴びてない人が多くいる場所ですね。

──イベント現場での違いってあるんですか?

HIYADAM 東京はプレイヤーの数が多すぎて、結果的に地元や仲間内でイベントをやっているイメージがあります。色んな人が混じっているわけではないので、イベントごとに色が決まっている気がして、渋かったり派手だったり、場所ごとにまとまりがあるイメージですね。

札幌であれば、プレイヤーの数が圧倒的に少ないわりに、どこのクラブに行っても全然違う人がいて、常にみんながアウェイという感じですね(笑)。

──札幌にはヒップホップシーンにおいて、有名なイベントやクラブはあるのでしょうか?

HIYADAM 先ほど言った毎月レギュラーで出演させていただいているイベントを開催してるクラブ「GHETTO」は、北海道のラッパーにとって登竜門のような存在になっています。

今や大御所のMic Jack ProductionさんやB.I.G.JOEさんだったりとか、North Coast Bad Boyzさん、THA BLUE HERBさんも、みんなそのクラブでライブをしていて、すごく小さなハコなんですが、みんなに愛されている場所です。

ミニアルバム『5561』に込められた思い

『5561』

ミニアルバム『5561』

──期待のミニアルバム『5561』についておうかがいしたいのですが、タイトルの「5561」という数字には、どのような思いが込められているのでしょうか?

HIYADAM このミニアルバムでは、前作の1st EP『The Samedays』をリリースした時と今の違い、というものを見せたくて、最初の数字「55」は『The Samedays』をリリースした2013年7月15日の数字をそれぞれ足した数字、「61」も同じように、ミニアルバムリリース日の2014年1月26日をそれぞれ足した数字になります。
『The Samedays』

1st EP『The Samedays』

──『The Samedays』は、HIYADAMさんのリアルな感情がリリックに現れている気がして、すごく好きな作品でした。

HIYADAM それなら今回のアルバムは10倍、100倍くらい良いかもしれませんね。『The Samedays』は正直力を出し切れなくて、あまり納得のいくアルバムじゃなかったんです。「今出さないといけない!」という感じで、すごく短い期間で制作したこともあって、今でも心残りがあります。

『5561』では、本当にラップ自体も変わったし、1曲1曲にすごく時間をかけてつくりました。トラックメイカーのJazadocumentさんがオールプロデュースをしてくれていて、どういうコンセプトのアルバムにするのか、そんなところまで一緒に考えてくれたこともあって〝『The Samedays』から変わったことを表現したい〟という明確なテーマが見つかりました。

だから今回はちゃんとアルバムとして全体的にまとまりがあるし、完成度の高い作品になったと思います。

これからが本当のHIYADAMのはじまり。そういう意味も込めて、1曲目に「Flying」を持ってきました。

──トラックや楽曲のテーマなどもJazadocumentさんと一緒に相談されて制作されたのでしょうか?

HIYADAM というよりも、ほとんどがJazadocumentさんに「こういう曲入れようよ!」、「アルバムとしてこういう曲があったほうが良いんじゃない」というようにプロデュースしていただいて、たとえば一番最後のラブソング「All I Need」という楽曲があるんですけど、これなんかは自分だけだったら絶対にそんな発想は出てこないし、つくろうとも思わないですね。

あとは基本的に、Jazadocumentさんからいただいたトラックを聴いてからリリックを書くようにしていました。
「All I Need」
──先にリリックを書いて制作された楽曲はないんですね。

HIYADAM そうですね、トラックを聴いてから書きたいことが浮かぶこともあるし、今回のアルバムに限らず、基本的にはトラックを聴いてから書くようにしています。

あと、今回は楽曲ごとのテーマを考えるのに苦労して、Jazadocumentさんにこのトラックはどういうテーマが良いですかね? と相談することが多かったです。たとえば先行で配信した「24/7」は、Jazadocumentさんにこのトラックは「靴の歌だよね」と言われたので、すぐに靴のリリックを書きました(笑)。

2曲目の「Beatfast」は、なんとなくディスコっぽい雰囲気を感じたので、「これディスコっぽいですよね」ってJazadocumentさんに言ったら、「じゃあディスコ行きたいって曲書いたら?」って言われて、「あ、それだ!」みたいな流れで書きました(笑)。

──リリックはすぐに書けるんですか?

HIYADAM ぼくはリリックを書くのは早くて、大体1~2時間で書けてしまいます。なので、テーマさえ決まれば、1日あれば1曲はつくれますね。今回もJazadocumentさんのトラックを聴いて、すぐにリリックを書いたものもあります。

すぐにリリックをかかないといけない理由がちゃんと自分の中にあって、たとえば嫌なことが起きたとき、それをリリックにしたいなと思うと、その時に書かないと、寝たりしてしまったら、その時の気持ちが表現できないかな、と思っています。だから一気に書くようにしていますね。
HIYADAMさん

データ共有のしやすさなどから、リリックはいつもiPhoneで書くという

──そうなんですね。何かこのアルバム全体を通して、特に気持ちが強く現れている、思い入れの深い1曲などはありますか?

HIYADAM 「Greenlight」ですね。「Greenlight」は、毎日同じ時間に起きて、同じ道を歩いて、学校に行く。そういう本当に同じ毎日を繰り返していると、自分の視野が狭くなってくるんじゃないか、という不安をリリックに込めました。

前作の表題曲「The samedays」でも、同じような気持ちや不安をラップしていて〝同じ日々の繰り返し〟というのは、ぼくにとって大きなテーマでもあります。

ラッパーはラップだけでは生き残れない

HIYADAM

© defstore by REFUGEECAMP. ALL RIGHTS RESERVED/「defstore」のモデルを務めるHIYADAMさん

──まだ若くて色々な道があると思うのですが、今後もラッパーとして生きていく、ということは考えていますか?

HIYADAM そうですね。ただラップだけじゃなくて、トラックメイクや映像、モデルなんかも自分でできるようになりたいですね。

特にモデルに関しては、今も地元の先輩が立ち上げたファッションブランド「defstore」でやってるので、そこで経験を積んで勉強して、いつかは自分でもブランドをつくって、自分で服などのモデルができたらいいな、と思ってます。

だからもっと有名になって、大きいステージに立ちたいです。そうすれば、いつか自分のブランドの服を着て、ステージでラップしたときに、それを見た人が「あの服かっこいい!」「欲しい!」と思ってくれて、それがビジネスにつながるし、一番うまいやり方なのかなって思います。

海外で億万長者になってるアーティスト──例えばファレル・ウィリアムスさんやドクター・ドレーさんとかも──みんなラップだけをやっているわけじゃないんですよね。ドクター・ドレーさんだったら、ヘッドフォンのブランド「beats by dr. dre」で億万長者になっているし、ラップ以外の活動を何かしらやっていますよね。

今の日本もCDだけでお金を稼ぐことは難しくて、これからヒップホップで儲けるにはラップ以外の活動でも何かやるしかない。これがぼくが将来目指している形ですね。

──CDが売れない、ということは良く言われることですが、実際に高校生ながらアーティストとしてCDをリリースしているHIYADAMさんから見て、何か感じることはありますか?

HIYADAM 今の時代は音楽自体が流行ってないかもしれませんね。単純に音楽が好き、という人が減っている気がして。ヤンキーが「おれ、洋楽聴いてるぜ!」みたいに、ある種オシャレのツールでしかないのかな、と感じています。

高校生ラッパーから見たHIP HOPシーンはどう映っているのか

HIYADAMさん ──高校生ながら達観していますね……。最後にHIYADAMさんから見て、今の日本のヒップホップシーンはどのように映っているのでしょうか?

HIYADAM ちょうどぼくがラップをはじめた3年くらい前にAKLOさんやSALUさんが出てきて、その頃くらいから一気にシーン全体のレベルがすごく上がって、土台もちゃんとできてきたと思うし、面白いシーンだと思います。

一方で、わかりやすいスターのような存在の人がいない。海外のように、メディアにもちゃんと露出して、CDの売上でミリオンを飛ばすような、ちゃんと売れているラッパーが今までにあまり出てないというのもあって、盛り上がりに欠けているとも思っています。

たとえばROCKも最初は、ヒップホップと同じように、そこまで主流なジャンルではなかったと思うんです。だけど90年代にGLAYさんやL’Arc~en~Cielさんのようなスターが出てきたことで、一気にシーン全体がアツくなった。今ではHIP HOPとROCK、どっちが聞けるかというと、全然ROCKの方だと思います。

──今後、ご自身でどうしていきたいとお考えでしょうか?

HIYADAM やはり、スターが出てきて欲しいですね。ぼくもスターになりたいし、スターが出てくるためには、まずはヒップホップのリスナーを増やしていかないとダメだと思っていて、それこそ「高校生RAP選手権」を見て、今までヒップホップを聞いてなかった人が、ヒップホップに興味を持ってくれた。そういう人たちをぼくが巻き込んで、シーン全体を広げることができればいいな、と思っています。

──リスナーが少ない、ということは確かに感じます。すごくかっこいい音楽なのに、周りでも聴いてる人が全然いなかったりしますよね。

HIYADAM ヒップホップって不良が聞く音楽のような悪いイメージが多いと思うんですけど、ぼくは別に不良じゃないし、むしろ普通の人(笑)。だから、どんな人でも聴きやすくて、わかりやすい、身近な存在になるようなヒップホップを提供できる音楽を目指しています。

2014年は楽曲をたくさんつくって、来年の高校卒業の年に、もう1枚アルバムをリリースしたいと思っています。

HIYADAM // ヒヤダム

ラッパー

平成8年生まれのMC。母親の影響で幼い頃からブラックミュージックに触れる。13歳の頃からリリックを書き始め、15歳でマイクを握る。HIP HOPだけでなく、R&B、SOUL、FUNKなど幅広いジャンルを吸収し、「深い音楽を作る」ことをモットーに日々スキルを磨いている。「第3回 高校生ラップ選手権」で優勝を果たし、1月にはミニアルバム『5561』をDROP。

HIYADAM

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