さユり、悠木碧、赤﨑千夏が語る『僕街』の魅力とは? 圧巻のライブもレポ

「それは小さな光のような」と対になる「来世で会おう」でライブは幕開け

トーク終了後は、夜明けのパラレル実験室恒例のライブパート。ステージ転換後、BGMが流れる中でさユりさんが登場し、チューニングを始める。実験室史上、最高レベルに集まったファンの緊張感も高まっていく。終始和やかなムードだったトークと比べると、さユりさんも会場もまったく異なる雰囲気を放っていた。

酸欠少女 さユり 2ndシングルM2 『来世で会おう』

会場が暗転し、すべての感情が爆発するようなイントロで始まったのは、「それは小さな光のような」の2曲目に収録されている「来世で会おう」。来世の鏡やさゆりなど、2次元の世界を描いた映像をバックに、“過去は変えられないさって 何度言われても凝りないのね”と「それは小さな光のような」と対になる世界が歌われていく。目と声とたたずまいから感じられる力は、アーティスト・酸欠少女さユりのものだ。

過去に挑み、過去を変えることで前に進む「それは小さな光のような」に対して、過去を変えられないのであれば、いかに前へ進むかを表現した「来世で会おう」。“すべて間違いじゃなかったと信じて〜”という、後悔と決意のものとに生まれた前向きなフレーズが、観客を一気に引き込んでいく。


「私は今日、あなたに歌を聴いてほしくてこの場に来ました」


演奏直後、息を切らしながらの問いかけのあとに披露されたのは「蜂と見世物」。物悲しさを誘う鍵盤の音に、さユりさんの声とギターが交わることで、歌声はより叫びとして伝わってくる。何度も繰り返す“どれだけ”のフレーズは、回を重ねるごとに凄みを増していった。

“歌うことで前に進む” というさユりのリバイバル

酸欠少女 さユり 2ndシングル 『それは小さな光のような』

小休止となったトークでは、2ndシングルの発売当日であることを祝ったり、好きな作品の主題歌になったことを喜んだりと、らしいかわいらしさを見せたと思った次の瞬間、「それは小さな光のような」がスタートした。 『僕街』の主人公・悟の“前に進むための「リバイバル(再上映)」を引き合いに、「私にとって、前に進むということは歌うこと」と語ったさユりさん。キャストらとのトークパートを経て、より気持ちが入り込んでいるような演奏は、一層感情的に届いてきた。 エモーショナルな雰囲気は、楽曲が変わるごとに増していく。吸うものも吐くものも違う魚と花、一生触れ合うことない存在を歌った「スーサイドさかな」は、会場が小刻みに揺れるほどのテンポ感が心地よかった。

5曲目。少しの静寂の中、短いタイトルコールとともに始まった「ミカヅキ」。デビュー曲であることは言わずもがな、テレビアニメ『乱歩奇譚 Game of Laplace』のエンディングテーマへの起用を通じて、彼女の存在が広く認識された名曲だ。それだけに、ファンの思い入れも強く、演奏が始まると会場内の温度が上がったような気がした。

まさに歌っている姿がぴったり“ハマる”楽曲は、何度も歌われることでより情緒的になり、サビの“それでも”はもちろん、“逃げ出したいな 逃げ出せない”など、随所に力強さを感じさせる。これまで以上に自身の信念や執念が込められているようだった。

続いて、ヒリヒリとした痛々しさが際立つ「光と闇」。ギターをかき鳴らすのに合わせて、観客に刺すように飛んでくる歌詞は、どこか身体を預けたくなるような不思議な中毒性がある。

会場の一体感は最高記録を更新! ライブ後はまさかの雛月が登場!?

ライブは終盤に突入。アップテンポなドラムがリズムを刻み出すと、呼応するように会場のクラップもさらに大きくなる。

「このドラムの音はあれだ!」とさユりさんの言葉通り、お馴染みのナンバー「ちよこれいと」で、会場は一体となった。観客もクラップだけでは物足りず、サビでは手を上げてさユりさんに応える。さユりさんと観客、双方からエネルギーが放出されることで、体感温度はこの日一番を更新した。

ラストは「夜明けの詩」。力いっぱいの叫びは、会場に訪れた一人ひとりに染み込んでいくようだった。

これからもどうか幸せでいてください!!」という最後のメッセージとともに、静かに聴いていた会場からも叫びのような歓声が沸き起こる。そんな一体感の高さを感じさせながら、一夜だけの実験室は終演した。 ライブ後、さユりさんとトークパート参加メンバーがステージに再び登場。そこにはなんと雛月が……!? と見間違えそうな悠木さんは、赤いコートを着用。

姫乃さんから「あれ、すでに帰ろうとしてました?」と聞かれると、「違いますよ! さユりちゃんが貸してくれたんです! 雛月みたいだからって今日着てきてくれてたので」とうれしいサプライズ。さユりさんも「ありがとうございます……!」と、ライブ直後とは思えないほど19歳の女の子に戻っていた。

見ている(聴いている)こちらを切なくさせるかと思えば、微笑ましいなと思わせてくれる。イベントでは、そんなさユりさんの魅力に改めて気づくことができた。

4月23日(土)には、ワンマンライブ「ミカヅキの航海」が控えており、今後はどんな姿を見せてくれるのか、自分たちにどんな感情をもたらしてくれるのか、そんな次への期待感は増すばかりだ。

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イベント情報

さユりワンマンライブ「ミカヅキの航海」

開催日
2016年4月23日(土)
会場
WWW(東京都渋谷区 宇田川町13-17 ライズビル地下)
時間
開場16:30、開演17:00
チケット
前売り¥3,000(ドリンク代別)
座席形態
オールスタンディング(整理番号)

<一般発売>
2016年3月19日(土)10:00〜
問い合わせ:クリエイティブマン 03-3499-6669
備考:未就学児入場不可

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酸欠少女さユり

2.5次元パラレルシンガーソングライター

酸欠少女 さユりは、”酸欠”した世界に対し独自の解釈で『光』や『翳(かげ)』を、アコースティックギターをかき鳴らしながら歌う、19歳の2.5次元パラレルシンガーソングライター。さユりは3人に分裂し生息しており、それぞれの活動領域は2次元・3次元とパラレルで神出鬼没である。
さユりの世界は、数々のプロジェクトを手がける国内外で活躍中のビジュアルアーティストYKBXとのコラボレーションにより新次元で壮大に構築されていく。また2.5Dにてマンスリートーク&ライブを開催(http://2-5-d.jp/sayuri/)等、各種イベントともパラレルに連動。
フジテレビ“ノイタミナ”アニメ「乱歩奇譚 Game of Laplace」エンディング・テーマ「ミカヅキ」で2015年8月26日メジャーデビュー!!
すでに彼女の歌声と、歌世界に共鳴する「さユり」マニアが続出中!
今後の活動に目が離せない新次元アーティスト!
公式Webサイト:http://sayuri-web.com
Twitter:https://twitter.com/taltalasuka

『僕だけがいない街』

TVアニメ

【イントロダクション】
自分だけの時が巻き戻る現象“リバイバル(再上映)”に悩まされる青年・藤沼悟が、自らの過去と対峙し、もがく姿を描く三部けいの“時間逆行”サスペンス『僕だけがいない街』。
2012年、「ヤングエース」(KADOKAWA刊)にて連載を開始し、「マンガ大賞」や「このマンガがすごい!」に2014年、2015年と2年連続ランクイン。書店員や各界著名人からも絶賛のコメントが多数寄せられ、注目を集める人気作である。
コミックスは2015年7月4日に発行された第6巻までを含め、累計発行部数167万部を突破。一度読み出したら止められない、息もつかせぬ展開でファンの心を惹きつけている。
そして2016年1月、TVアニメーション『僕だけがいない街』がフジテレビ“ノイタミナ”にて放送を開始する。
計算し尽くした緻密な演出、リアリティをもたらす美術、物語を彩る音楽、そのなかで動き出す息を吹き込まれたキャラクターたち。アニメーションで表現される新たな『僕だけがいない街』を、ぜひとも楽しみにしてほしい。
TVアニメ「僕だけがいない街」公式サイト:http://bokumachi-anime.com/

1件のコメント

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CKS

CKS

「“歌うと気持ちが苦しくなる反面、よりキャラクターが好きになる”エンディング」っていうのは、ほんとめっちゃその通りですごい良かった・・・