酸欠少女さユりがグラフィックガールとコラボ 女の子×GIFアニメができるまで

酸欠少女さユりがグラフィックガールとコラボ 女の子×GIFアニメができるまで
酸欠少女さユりがグラフィックガールとコラボ 女の子×GIFアニメができるまで

酸欠少女さユり×グラフィックガール

路上ライブでの活動から注目を集め、2015年8月にはノイタミナアニメ『乱歩奇譚 Game of Laplace』のエンディング・テーマ曲「ミカヅキ」でメジャーデビューを果たした、シンガーソングライターの酸欠少女さユりさん。

そんな彼女が、12月3日(木)に渋谷WWWで開催される、ソーシャルTV局・2.5DとGIFアニメを使った新感覚ファッショングラビア・グラフィックガールがキュレーションと演出を手がけるイベント「GIRLS DON’T CRY」へ出演する。

これまで様々な形でさユりさんの活動を追ってきたKAI-YOU.netだが、今回は「GIRLS DON’T CRY」の出演を記念して行われる、酸欠少女さユり×グラフィックガールによる、グラフィックGIFアニメーションの収録現場に密着

アーティストの新たな魅力を引き出す、グラフィックガールを主催するグラフィックデザイナーのKASICOさんが撮影した、クールで、時にセクシーに揺れ動くさユりさんが完成するまでの過程に迫った。

記事の最後には、さユりさんのGIFアニメに加え、ポップユニット・ORESAMAぽんさん、音楽プロデューサー・kzさんによる新ユニット・livetune+のボーカル・やのあんなさん、そして、数々のMVへの出演で話題のモデル・アリスムカイデさんによる、ポップでクール、ベリーキュートなGIFアニメーションを一挙紹介する。

企画・文/吉田雄弥

その瞬間にしか生まれないさユりを撮る

グラフィックガールの作品/モデル:aoi

グラフィックガールの作品/モデル:aoi/このように、複数枚の写真や映像にグラフィックを乗せていく/※スマートフォンの方はタップしてご覧ください

グラフィックガールは、前述のKASICOさんが手がける新感覚ファッショングラビアと銘打たれたプロジェクト。もともと、原宿系のファッションブランド・galaxxxyでカメラマンとして女性を撮影していたKASICOさんが、ふと撮りためていた写真をつなげて遊んでいたことから思いついた企画だという。

その画期的な作品は瞬く間に注目を集め、首都圏の主要ターミナル19駅にて「動く広告」として展開されるなど、大きな広がりを見せている。

グラフィックガールの作品は、動画か写真による連射で被写体を映し出し、写真であれば大体15枚ほどのを紙芝居のようにつなぎ合わせ、写真1枚1枚に、KASICOさん自身がアニメーションを描いてGIF画像として出力。

今回のさユりさんの撮影では、動画ではなく連射による撮影で行われた。

連動イベント「GIRLS DON’T CRY」のイベント名から見え隠れするテーマをコンセプトに、普段のグラフィックガールで撮影するモデルとは異なる、女性アーティストの「変化」や「決意」を表現するべく、「振り返りのバックショット」というポージングだけ指定し、あとは自由に撮影。さユりさんの撮影では、その瞬間でしか生まれないさユりさんの姿を撮りたいと意気込んでいた。

そもそもグラッフィックガールでは、どんな写真を撮るか、どんなグラフィックを載せるかは、撮影時に本人と会うまでは決めないという。KASICOさんは「あまりつくり込んだ撮影はせず、空気感が伝わるようなシンプルな照明、演出にし、撮影中に次はこんなことをやってみようと話しながら試していくことで、モデルさんが本来持っている雰囲気や世界観を引き出せたら思っています」と語る。

ファッションとセクシーのバランスの取り方は難しい

左:酸欠少女さユり、右:KASICO

さユりさんは、以前からTwitter経由でグラフィックガールを見ていたそうで、気軽な気持ちで作品が見れるのはもちろん、ポップに描かれた女の子の大人でセクシーな姿に時折ドキッとすることがあったよう。

さユりさんが語る「ポップでセクシーな女の子の姿」というのは、まさにグラフィックガールの1つの魅力だ。

これに対してKASICOさんは、「グラッフィクガールは、ファッション的なアプローチから動いているプロジェクトなので、ファッションとセクシーのバランス感覚は一番悩む部分ですね」とコメント。

「セクシーな写真を撮ったとしても、グラフィックで隠すことができるんですが、セクシーの方に比重が乗ってしまうと、ぼくがやりたいこととは少し離れてしまいます。

とはいえ、セクシーだという反響が大きいのは僕にとってとてもありがたいし、良いリアクションだと思っています。ただ、それをグラフィックガールの中でアリとしてしまうのは難しくて、今でも悩んでいますね(笑)」と語っていた。

グラフィックデザイナーとアーティストによるコラボレーション

ミカヅキ

一方のKASICOさんも、以前からさユりさんのことを知っており、さユりさんのビジュアルトータルディレクションを手がけるビジュアルアーティストのYKBXさんによるさユりさんのアートワークや「ミカヅキ」のMVなどを見て、しびれる様なかっこよさを感じたという。

そんなタイミングで決まった今回のコラボレーション。

自身が主催するイベントへの出演、そして撮影までできるということで、最初はやや緊張している面持ちだったが、いざさユりさんと対面するとリラックスしている様子。さユりさんは、歌を歌い始めると、劇的できらびやか、彼女が秘めている独特の世界観を広げ、聞いている方は一気に引き込まれるという魅力がある。

しかし、こうして撮影の合間など、歌っていない時の彼女は、19歳らしいあどけない姿が垣間見え、こうした撮影現場や定期番組『夜明けのパラレル実験室』のリハーサルなどの場では、和やかな空気で包み込んでしまう。

しばしの歓談の後、ついにKASICOさんとさユりさんの撮影が始まった。それまでの和やかな空気にちょっとした緊張感が交じりつつ、グラフィックデザイナーとアーティストによるクリエイティブなショーが幕を開けた。

写真からも私の何かを感じてもらえたら

最初に撮影されたのは、全出演者共通のテーマである「振り返りのバックショット」。

KASICOさんからの「自由に振り向いてみてください」という指示の中、さユりさんはスッとした表情に、力強い真剣な眼差しで振り返ってみせる。その迫真の表情は、一瞬でその場の空気を変えてしまう程の迫力があった。 「女性の振り向き」の撮影を終えると、今度はテーマを設定せずに自由に撮影。少しの休憩を挟んで撮影が始まると、特に会話を交わすことなく、鋭い眼差しをカメラに向けることもあれば、儚げで憂いのある表情、ポンチョや袖を動かしたりなど、多彩な表情やポージングを取りながら、撮影は行われた。

さユりさんに、アーティストとして、被写体として撮られることに対してどう思っているのか聞いてみると、「まだ、あんまり撮られることに慣れてないんですが、私は写真から何かを感じ取ってもらいたいと思っているので、私の写真で、見る人に対して、私の生き様を伝えられたらいいなって考えています」と語っていた。

さユりの世界を引き出したい

こうしてすべての撮影を終えると、改めて2人に撮影を振り返ってもらった。

KASICO さユりさんの力強い眼差しからは、並なみならぬ気合、そしてやはり独特の世界観が伝わってきて、そういう部分を写真で引き出せたらと考えながら、撮影してました。自由に撮影していた時は、さユりさんのトレードマークであるポンチョを活かして、「動き」の見えやすさ、わかりやすさという部分を意識してましたね。

さユり 私はシンガーソングライターなので、いつも演奏している姿を撮影されることが多いのですが、今日はこれまでとは全然違うし、普段は全然しない動きができたので、とてもいい経験でした。

KASICO ただ写真で撮ったり、映像で撮ったりするんじゃなくて、ワンアクションで「動き」を表現するのって意外とモデルさんでも難しいんですよ。でも、さユりさんは最初からそれができていたので、そこにも驚きました。

さユり GIFアニメーションじゃないんですけど、スマホアプリでよく絵を描いていて、その絵をつないで6秒くらいのアニメーションみたいなのをつくってます。はるかにレベルの高いグラフィックガールが、どうやってつくられていくのか、どんな思いでつくられていくのか興味がありますね。

KASICO 普通に考えれば、写真だけですばらしい力があるので、さユりさんを撮って終わりでもいいんです。そこにグラフィックをべちゃべちゃと乗せてしまうと、写真の魅力を壊しちゃうんですね。だけど、グラフィックが乗ることで、違うモノ同士がごちゃっとなって混ざるような雑感みたいな部分が生まれて、そこが楽しいんですよね。

あとは、さユりさんがTwitterでグラフィックガールを知ってくれたように、Twitterのタイムライン上で気軽に見てほしいという思いでつくっているので、暇なときに「あ、この子かわいいな」くらいに引っかかってくれるとうれしいですね。

KASICOさんが引き出したいと考えるさユりさんの魅力やさユりさんが感じ取ってほしいと考える自身の生き様。次のページでは、さユりさんの撮影カットを紹介していくので、ぜひその写真を目にしてほしい。

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