同人誌用に描き下ろしたイラストが、無断で大量にグッズ化された話

  • 0
同人誌用に描き下ろしたイラストが、無断で大量にグッズ化された話
同人誌用に描き下ろしたイラストが、無断で大量にグッズ化された話

同人誌や同人グッズは即売会以外でも、さまざまな専門店で委託販売されています

昨年、12月29日から大晦日にかけて行われた「コミックマーケット85」が終わってから間もないですが、先日、二次創作イラストを当初の目的以外の場所で無断利用しているサークルがいるという疑惑が浮上してきました。

事の初めは2014年1月7日にイラストレーターのしまださん(@simada_bu)のツイートによるものでした。 実は筆者も東方Project関連のサークルを主宰している立場なのですが、実際に筆者宛てにもメッセージが送られてきました。参加していただいているイラストレーターさんの作品が無断でグッズになっていることもわかっています。

ショップでの取り扱いが無事に停止されたことで、事態は大事にならず、各関係者の中だけで終わるかと思われました。

複数のサークルの代表を名乗っている可能性

しかし、イラストを無断で使用したとされる「ああそうかい」という同人サークルさんが出している他のグッズも、無断で販売しているのではないかという疑惑が上り始めました。有志の方の調査や、実際に寄稿した方によると、グッズの中には許可が下りているものあれば、無許可でイラストを利用している物もあるそうです。そのイラストの出処が「あーばんナイト」というサークルさんが頒布している合同誌に集中していることが、明らかになってきました。

さらに掘り下げると、先ほどの2サークルと「コンクリート革命」「亜阿相界」「Inner Circle」というサークルさん(どれも東方Project関係の同人サークル)の企画者が全て同一人物ではないかということが濃厚となってきました。 各サークル代表のプロフィールを見ると、どれも名前は違うものとなっています。現時点では、中の人が完全に同一人物だという確たる証拠はありません。ですが、寄稿したイラストが他サークルに無断で使用されている事実を考えると、可能性としては非常に高くなりますし、少なくともサークル同士でイラストのやりとりをするほどの仲だということがわかっています。

次々に現れる問題

イラストの依頼する際、あーばんナイトさんはどの人にも全く同じ文面のメールやメッセージを送っていたようです。実際筆者に届いた文面と同一のモノが複数人確認できました。また、サークル用のメールアドレスを持ちながらも、連絡手段にはPCメールアドレスをわざわざ打ち込まなくて良い、イラストSNSのメッセージを使っており、しかも絵描きでない方にもあたりかまわず送っているようです(イラストを描いていない筆者に送られてきているため)。

さらには、依頼の文面と一緒にイラストデータの受け渡しをするためのURLが記載されているのですが、パスワードも一緒に送付されていました。依頼を承諾すれば何の問題もありませんが、依頼メール等をもらっただけでもそのサーバーにアクセスできるため、必然的に誰でもその中のイラストデータをダウンロードできるようになってしまっています。適当に依頼文章送りつける杜撰な管理に対し、 といったように怒りをあらわにする人も出てきています。

被害に遭われている方々の声

合同誌は既にいくつも頒布され、大勢の方の声が届いています。その中でいくつかピックアップしてみました。 ネット上でも色々な声が上がっているようで、

・こういうのを本当の同人ゴロって言うんだよ(´・ω・`)
・これって、訴訟起こせば勝てるんじゃない?
・海賊版が横行すると権利者の締め付け厳しくなったりしそうで心配だわ…
・抱き枕もこういうの多いから問題の表面化しないかなー
・えぐいなぁ・・・
・金が関わることは信頼できる人と。

という意見が飛び交っています。

やり取りに関しては、確かに契約書やその他法的に効力を持った文章等で締結する方が確実ですが、同人という同じ趣味を持った仲間や集団であるため、そこには信頼が非常に大事となります。

今回の件で、その信頼関係が崩れ去ってお互いに疑心暗鬼になったり、本当に好きで合同誌をつくり上げたいという方の活動を阻害するようなことは避けていくべきですね。同人という性質上、自己防衛は必要ですが、万が一このような事態が起こってしまった時に正しい対応をする能力が今後必要になってくるのかもしれません。

執筆者:ぴの
この記事どう思う?

この記事どう思う?

関連キーフレーズ

0件のコメント

※非ログインユーザーのコメントは編集部の承認を経て掲載されます。

※コメントの投稿前には利用規約の確認をお願いします。