競馬マンガとひとくちに言っても、様々なお話があります。馬が主人公のものもあれば騎手が主人公のものもあるし、ギャグもあり、涙なしには読めない感動シーンもあり……
でも、すべての作品に共通するのは、「馬と人間との絆」が描かれているところ。競馬マンガには、生命の尊さや、相手を思いやる気持ちなど、実はとても普遍的なテーマが描かれています。
競馬場には数えることしか足を運んだことのない私ですが、『ウイニングポスト』という競馬ゲームで間接的に競馬の面白さに触れ、今でも、競馬マンガを通して競馬の魅力に触れています。
今回は、マンガ好きが高じてマンガを介して“コミュニケーション”を生み出すユニット「マンガナイト」を結成してイベントなどを行っている私がオススメする、競馬を知らなくても面白い、でも競馬を知っているときっともっと面白い名作競馬マンガ6作品を紹介します。
文=山内康裕 構成=岩崎由美(マンガナイト)
みどり牧場で生まれた主人公、「ミドリマキバオー」(うんこたれ蔵)は馬力と心臓が強く、競走馬としての高い素質を持って生まれました。(カバみたいだけど、馬なんです!)
マキバオーがいる世界は、馬と人間が会話できる世界。マキバオーら競走馬や騎手たちは会話によるコミュニケーションで士気を高めあったり、競争相手にプレッシャーをかけたりします。また、馬視点での人間社会へのツッコミなど、クスッと笑えるネタも満載。
もちろん、競走馬のレースバトルもみどころ。馬と騎手との間で緊迫した会話が繰り広げられ、熾烈な駆け引きとガチンコバトルを読んでいると、ついつい自分が手綱を握っているような熱い気持ちになります。
「マキバオー」は、ポテンシャルはピカイチながら、見た目からして明らかに異質で、その小さな体型や短い足が競走馬としてはネックでした。
そして、後にマキバオーに乗ることになる山本菅助は、落馬事故で負ったトラウマが騎手としての弱点でした。しかし、そんな菅助だからこそ、小柄なマキバオーには難なく騎乗することができたのです。つまり、それぞれが抱えている弱点(コンプレックス)を補い合うことでそれを武器にするという、ある種の逆境からのスタートが、「マキバオー」を王道の少年マンガたらしめているのです。
マキバオーと騎手の友情、ライバル競走馬とのバトル、ライバルに勝つための努力、新たなライバルの登場などが盛り込まれ、特に少年マンガが好きな人はドはまりすること間違いなし。
キャラクター好きの人は個性的にデフォルメされたキャラクターたちの中からお気に入りを探すのも楽しいかも。ワクワク楽しみながら読むうちに、自然と競馬の世界を知ることができる「正統派の競馬漫画」として、競馬入門にも最適な作品です。
とは言っても、相変わらず主人公・ヒノデマキバオーは見た目がカバみたいだし、馬と人間はおしゃべりします。ヒノデマキバオーは、ミドリマキバオーの甥にあたります。ミドリマキバオーの活躍によって甥のヒノデマキバオーも競馬場の人気者。当然、ミドリマキバオーのように中央競馬での活躍が期待されたのですが、「足元が不安」な体で生まれたヒノデマキバオーは、地方競馬でデビューすることになります。
地方競馬の「客寄せパンダ」という扱いを受けているヒノデマキバオーは、「負けてもいいから集客のために出てほしい」という周囲の期待に応えるべく、自分のパンダとしての仕事を一生懸命務めようとしますが(馬なのに)、力の限り勝負をしたいという自分の本心に気づき、やがて勝つための努力を開始します。
周囲の期待と自分のやりたいこととの間で葛藤するニッポンのサラリーマンたちは、そのヒノデマキバオーの姿に思わず自分を重ねてしまうのではないでしょうか。
本作の舞台は、かつて日本に競馬ブームを巻き起こしたハルウララ人気で注目された高知競馬場からスタート。地方競馬のレースのグレードや楽しみ方もわかるような内容になっていて、続きがますます楽しみです。
でも、すべての作品に共通するのは、「馬と人間との絆」が描かれているところ。競馬マンガには、生命の尊さや、相手を思いやる気持ちなど、実はとても普遍的なテーマが描かれています。
競馬場には数えることしか足を運んだことのない私ですが、『ウイニングポスト』という競馬ゲームで間接的に競馬の面白さに触れ、今でも、競馬マンガを通して競馬の魅力に触れています。
今回は、マンガ好きが高じてマンガを介して“コミュニケーション”を生み出すユニット「マンガナイト」を結成してイベントなどを行っている私がオススメする、競馬を知らなくても面白い、でも競馬を知っているときっともっと面白い名作競馬マンガ6作品を紹介します。
文=山内康裕 構成=岩崎由美(マンガナイト)
『みどりのマキバオー』(集英社) つの丸
笑って泣ける競馬エンターテイメント
『少年ジャンプ』に連載され、アニメにもなった本作。主人公マキバオーの白いカバのような可愛い姿だけなら知っているという人も多いかも。そんな人こそ、マンガを手に取ってほしい! 『マキバオー』は笑いあり涙ありの、極上エンターテイメントなのです。みどり牧場で生まれた主人公、「ミドリマキバオー」(うんこたれ蔵)は馬力と心臓が強く、競走馬としての高い素質を持って生まれました。(カバみたいだけど、馬なんです!)
マキバオーがいる世界は、馬と人間が会話できる世界。マキバオーら競走馬や騎手たちは会話によるコミュニケーションで士気を高めあったり、競争相手にプレッシャーをかけたりします。また、馬視点での人間社会へのツッコミなど、クスッと笑えるネタも満載。
もちろん、競走馬のレースバトルもみどころ。馬と騎手との間で緊迫した会話が繰り広げられ、熾烈な駆け引きとガチンコバトルを読んでいると、ついつい自分が手綱を握っているような熱い気持ちになります。
「マキバオー」は、ポテンシャルはピカイチながら、見た目からして明らかに異質で、その小さな体型や短い足が競走馬としてはネックでした。
そして、後にマキバオーに乗ることになる山本菅助は、落馬事故で負ったトラウマが騎手としての弱点でした。しかし、そんな菅助だからこそ、小柄なマキバオーには難なく騎乗することができたのです。つまり、それぞれが抱えている弱点(コンプレックス)を補い合うことでそれを武器にするという、ある種の逆境からのスタートが、「マキバオー」を王道の少年マンガたらしめているのです。
マキバオーと騎手の友情、ライバル競走馬とのバトル、ライバルに勝つための努力、新たなライバルの登場などが盛り込まれ、特に少年マンガが好きな人はドはまりすること間違いなし。
キャラクター好きの人は個性的にデフォルメされたキャラクターたちの中からお気に入りを探すのも楽しいかも。ワクワク楽しみながら読むうちに、自然と競馬の世界を知ることができる「正統派の競馬漫画」として、競馬入門にも最適な作品です。
『たいようのマキバオー』(集英社) つの丸
周囲の期待と自分の目標…その狭間で歯をくいしばる男(馬)の生き様
およそ8年振りに、『みどりのマキバオー』の続編として連載された本作。前作との違いのひとつは、より専門的に競馬を扱っているところ。掲載メディアも『週刊プレイボーイ』(後にそのWeb版『週プレNEWS』)に移籍となり、少し大人向けの様相です。とは言っても、相変わらず主人公・ヒノデマキバオーは見た目がカバみたいだし、馬と人間はおしゃべりします。ヒノデマキバオーは、ミドリマキバオーの甥にあたります。ミドリマキバオーの活躍によって甥のヒノデマキバオーも競馬場の人気者。当然、ミドリマキバオーのように中央競馬での活躍が期待されたのですが、「足元が不安」な体で生まれたヒノデマキバオーは、地方競馬でデビューすることになります。
地方競馬の「客寄せパンダ」という扱いを受けているヒノデマキバオーは、「負けてもいいから集客のために出てほしい」という周囲の期待に応えるべく、自分のパンダとしての仕事を一生懸命務めようとしますが(馬なのに)、力の限り勝負をしたいという自分の本心に気づき、やがて勝つための努力を開始します。
周囲の期待と自分のやりたいこととの間で葛藤するニッポンのサラリーマンたちは、そのヒノデマキバオーの姿に思わず自分を重ねてしまうのではないでしょうか。
本作の舞台は、かつて日本に競馬ブームを巻き起こしたハルウララ人気で注目された高知競馬場からスタート。地方競馬のレースのグレードや楽しみ方もわかるような内容になっていて、続きがますます楽しみです。
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