アイドル&女優で理系女子! Kaede(Negicco)、池澤あやかインタビュー

プログラムもできる女優・池澤あやかさん

池澤さんがよく足を運ぶというFabCafe Tokyoにて

池澤あやかさんは、2006年に「東宝シンデレラ」審査員特別賞受賞し、映画『ラフ』で女優デビュー。映画『あしたの私のつくり方』や『デトロイト・メタル・シティ』、『潔く柔く』、ドラマ『斉藤さん』などに出演してきた。

一方で、Webのプログラムを学んできた経験を活かし、“プログラムもできる女優”としても、教育番組や雑誌などの連載を持っている。高校生ではじめてHTMLを触り、大学で本格的にテクノロジーやプログラムを学んだという。

プログラムに興味をもったきっかけは?

──プログラムに興味をもったきっかけは?

池澤 高校の時に、「前略プロフィール」っていうSNSが流行ってて、みんなガラケーからブログのHTMLをいじってカスタマイズしていたんです。

それで興味を持ち始めて、わたしはさらにWebのHTMLまでがんばってカスタマイズしてました。

──それが理系に進まれた理由ですか?

池澤 そういう意識も別になくて、私が入ったSFC(慶應義塾大学 湘南藤沢キャンパス)では文系・理系の境があまりなかったので、文系として入っても理系にいくこともあるし、逆もある。わたしはむしろ文系だったんですが、ゼミがテクノロジーを扱う研究室だったんです。

一番大きかったのは、大学に入って、一つ上の先輩が開いたプログラムの勉強会に遊びにいったことです。それまでは、タグの意味までは知らなかったんですが、その講座でプログラミングの基礎を学べました。

それから、Web系のプロジェクトを手伝ったり授業でも趣味でもいろんなものをつくったりして、今につながっていったという感じですね。

はじめての受注

──プログラマーとして仕事の受注もされているんですか?

池澤 実は、つい最近、はじめて受注仕事をしました。 個人向けのものはつくっていたけど、企業のWebサイトなどを受注のお仕事としてやらせてもらったのは今回が初めてでした。気軽な感じで受けて、楽しかったけど大変でした…!

デザインも実装もサーバー周りも全部私一人でやったので、困っても誰にも言えないし。しかも、単行本になる原稿の〆切とちょうど重なって、死にましたね…。

研究室あるある

──池澤さんの研究室でよくみかけた「あるある」はありますか?

池澤 制作が展示会の〆切に間に合わなさそうな時は、やっぱり泊まり込みでした。ちなみに、泊まり込みのことは「残留」って呼んでました(笑)。

寝るにしても、学生の人数が多いのでイスの取り合いで。あきらめて床で寝るとか…。わたしは寝袋を持ち込んでて、研究室に最高で一週間泊まり込んだこともあります。髪もパッサパサでした(笑)。

研究室では「いかにいい環境で寝るか」というのは重要なテーマで、簡易ベッドの話題でもりあがったり、大学のどこに良いシャワールームがあるか、そういう情報交換は盛り上がってましたね。

理系女子はいかに女子力を確保するか?

──研究室での女子ならではの悩みや工夫はありましたか?

池澤 「どうやって女子力を確保するか」については、よく研究室の先輩と話してました(笑)。残留中にパソコンで作業してる脇に蒸気スチーマーを置いたり、研究室に美顔器を持ち込んだり。

あと、女の子たちがネイルとかアクセに使ったりする、固まったらプックリする「レジン」っていうジェルネイル。あれって女子力の象徴なんですよ! たとえばLEDにつけて固めると、ちょっとしたオリジナルの照明をつくれる。機械も買ってあるので、使おう使おうとは思ってます、が、まだ使えてません…。

理系女子には、「女子であることを半分あきらめてるけど憧れもある、くらいの立ち位置がちょうどいい」みたいな人が多かったです。でも、研究以外にみんなで、いかにお肌をプルプルにするかについて考えたり試したりすることがもう楽しいんですよね。

みんな、どこかこじらせてました。だって、周りの女の子がキラキラしている中、どうしてわたしはプログラムを書いているのかって疑問に思う時はありますよ。その中で美顔器を使うことで何とか自分を保てている部分があるんだ、という謎の哲学に走ったりしてます(笑)。

──研究室には男子もいるんですよね?

池澤 研究室の男子は気にしません。だって、美顔器使ってるのもパックしてるのも、歯磨きとかも見られてるわけですから。ただ、対外的には一応女の子扱いされたい

プログラマーあるある

──プログラマーとしての「あるある」話はありますか?

池澤 これはみんなあると思いますが、後から自分でつくったものを見返すと絶望すること。どんどん自分も進歩してるし、そのときのプログラムのトレンドもあって、今みたら標準じゃないけど直すのもめんどくさい、みたいな。

──分野が違う仕事を頼まれることもありますか?

池澤 わたしの場合、得意な分野がWebに偏っているのに、大体「テクノロジー」として一括にされていろんなお話がきます。ガジェットも好きだし少しはいじれるけど、すごい得意ってわけでもないので、たまに困る時はあります。プログラムでもできる言語とできない言語があるし、Webとアプリも違うということを知らない人もいるので。

──よくプログラマーは生活リズムが乱れがちといいますが本当ですか?

池澤 でも、寝ることにはみんなストイックですよ。「デスマーチのときにいつ寝るか」はすごい大事で。意外と夜から調子が出てきちゃうとそのまま深夜まで作業して、生活リズムが崩れるというのはよくあるパターンですね(笑)。

女優の副業としてのプログラマー

──池澤さんにとって、女優とプログラマーと、どちらが重要ですか?

池澤 今はタレント活動を軸に生活をしているので、仕事として重要視しているのはそっちです。でも、超売れっ子とかじゃない限り、けっこう時間もあったりして、副業をしていると両方のスケジュールを組むのが大変なんです。

その点で、Webだったらいつでもどこでも仕事ができる。自分で情報発信をできるし、テクノロジー系のイベントとか新作ガジェットのお披露目とか、雑誌の連載とか、いろんな仕事に膨らんでいく。一石三鳥くらいですよ。

わたしは、自分で何かをつくることも忘れたくないと思っているので、これからもどちらも続けていくつもりです。Webは好きだけど、技術全般が好きだから他のテクノロジーにも手を出していきたいですね。

理系女子のユニークな生態

理系の人々 理系女子編 #2

ドラマ『理系の人々』でおのでらが通う薬学部を目指していたというKaedeさん。そして、システムエンジニアのよしたにと近い業種として、プログラマーとして活躍する池澤あやかさん。

お2人の話を聞くと、実はアイドルや女優の中にも、こんなにも魅力的でリアルな「理系の人々」が存在することに気が付く。

ドラマでは、真野恵里菜さん演じるおのでらが、研究室でパックをする姿や実験中に寝入ってしまう様子が描かれていたが、実際の現場でも確かに同じようなことは起こっている。

是非、ドラマ『理系の人々』では、理系女子の苦悩とそのユーモラスな苦闘の日々を注目してみてほしい。そうすることで同じような境遇の人は必ずや共感を得ることが出来るし、そうでない人は、彼女たちの魅力を発見することが出来るはず。


ひかりTVでは、2月28日(土)までの限定キャンペーンが始まっている。期間中に「理系の人々」特設ページからひかりTV2ねん割に加入すると、抽選で10名にキーボード、申し込みした方全員に特典として『理系の人々』単行本1巻がもれなくプレゼントされるので、原作・ドラマをともに楽しむなら、いまがチャンスだ。
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tyanyone

米村 智水

理系うらやましいです( ´ཀ‿ゝཀ`)