「もうFlashはやめようと思った」フル3DCGによる自転車アニメの裏側

自転車要素がふんだんに盛り込まれた音楽

主題歌にも自転車へのこだわりがふんだんに盛り込まれており、歌詞も自転車に関することづくめとなっている。

代表的なものは、吐き切れやハートレート、アベレージ10%……など。

吐き切れとは、風の抵抗を受けないように、前の人の後ろに隠れて走っているにも関わらず距離を離されること。ハートレートとは、心臓の鼓動がどの程度かを機械で計り、どの程度の負荷をかけると何分ぐらいの走りが続けられるか、などの指標のことだという。

音楽を担当したCojirouさんが電話出演し、インタビューに応じた。

Cojirouさんと谷さんは結局、制作中に対面することはできなかったそうだが、Skypeを通じて作品のイメージを共有することができ、アニメーションにピッタリの曲が出来上がったようだ。

3Dプリンターで印刷した色紙

番組の最後には、「アニメとは?」という質問がクリエイターに対してぶつけられるコーナーも行われた。質問に対して宮城さんは「3D」と答え、3Dプリンターで出力した『HILL CLIMB GIRL』の主人公・ひなこを貼付けた色紙を披露した。

3Dプリンターで出力されたひなこ

この色紙に込めた思いを聞かれるも「これに全部現れています!」と自信を見せ3Dディレクターらしく“モノ”で思いを表現した形となった。

3Dプリンターで作られたひなこのフィギュア

対して、谷さんは「りんかく線」と回答。今作は3DCGで制作を行っているにも関わらず、あえて手で描いているように見えるセルルックという技法が使われているという。鳥獣戯画や浮世絵の時代から、脈々と続くその日本人らしい“画感覚”を一言で「りんかく線」と表したというのだ。

今回の制作を通して、CGにも輪郭線をつけることに、まさに日本人のDNAを感じたとのことだった。

「りんかく線」を見せる谷さん

次回作、吉崎響監督の「ME!ME!ME!」は11月21日(金)に公式サイトにて公開され、解説番組「-同トレス-」は翌週の11月24日(月)に放送予定となっている。

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