ホラー/SF作品群・SCP財団の各言語版Wikiが加盟するSCP Internationalが9月15日(火)、映画スタジオ・A24による映画『V/H/S SCP』を巡る共同声明を発表した。
声明では、映画に関わるSpooky Pictures、Image Nation Studios、A24のいずれからも、現時点で各言語版Wikiへの連絡はないと説明。SCP財団のコンテンツに付与されているクリエイティブ・コモンズの運用について改めて懸念を表明した。
SCP財団Wiki日本語版(SCP-JP)のサイトスタッフも、公開前に内容を確認し、共同声明への賛同を表明している。
『V/H/S SCP』を巡ってSCP財団のライセンスと映画配給の権利が衝突
SCP財団は、超常現象を引き起こす「オブジェクト」と、それを収集・保管しようとする財団の活動を描く作品群。
2007年に匿名掲示板「4chan」に投稿されたエピソードをきっかけに流行し、翌2008年には有志がコミュニティWikiを設立。作品には、クレジットやリンクを表示するなどの制限を守れば、商業・非商業を問わず再配布や派生作品の制作をできるようにする「クリエイティブ・コモンズ表示-継承ライセンス(CC BY-SA 3.0)」が付与されている。

SCP財団に付与された「クリエイティブ・コモンズ表示-継承ライセンス」の詳細/画像はクリエイティブ・コモンズ公式サイトから
一方の映画『V/H/S SCP』は、ホラーアンソロジー『V/H/S』シリーズの一作として制作が進められている作品。7月にSpooky PicturesとImage Nation Studiosが企画を発表し、9月にはA24の参加が報じられた。
これを受け、SCP財団の英語版Wikiは9月12日に声明を発表。映画側から事前の連絡を受けていないことや、SCP財団のコンテンツに適用される「クリエイティブ・コモンズ 表示-継承 3.0(CC BY-SA 3.0)」と、一般的な映画配給との両立について懸念を示していた。
今回、SCP Internationalは英語版Wikiの声明を支持すると表明。CC BY-SA 3.0が保証する「共有」と「創作の自由」を今後も守っていくとした。
CC BY-SA 3.0が適用されるSCP財団Wiki上のコンテンツは、一定の条件を守れば商用利用を含む二次利用が可能である一方、そこから生まれた翻案作品も同じライセンスの下で利用できる必要がある。
SCP Internationalは、この仕組みについて「この開かれた循環があったからこそ、SCP財団は今の姿になりました」と説明。その条件を守らなければ、SCPコンテンツを再利用・配布する権利そのものを失うとの見解を改めて示した。
SCP財団、ネット発ホラー映画に言及 『Backrooms』とは「事情がまったく違う」
今回の共同声明では、「Siren Head」「Jeff the Killer」など近年相次ぐインターネット発ホラーの映画化にも言及した。
特に取り上げられたのが、A24と映像作家のケイン・パーソンズさんの映画『バックルームズ』と、その原点となったインターネット都市伝説「The Backrooms」だ。
SCP Internationalは、元々の「The Backrooms」について、特定の作者を持たないインターネット・ミームとして広がり、そこからケイン・パーソンズさんが自身の作品をつくり上げたものだと説明。元となる「概念としてのBackrooms」にはライセンス上の制約がなかったため、ケイン・パーソンズさんは自身の作品の知的財産権を管理できたとしている。
一方、SCP財団はその成立当初からCC BY-SAライセンスの下で発展しており、共同声明では「SCP財団の場合は、事情がまったく違います」と強調した。
さらに、『Backrooms』の映画化が成功したことで「ネット発のホラーならどれも、こうした企画のために『自由に持っていってよい』という印象が広まったのではないか」と懸念を示している。
A24の回答後も「具体的な計画は読み取れない」
米メディア「Kotaku」の取材に対しA24は、『V/H/S SCP』について、SCP財団の世界観そのものへの独占権を主張するものではなく、他者がSCPを題材とした作品を制作することを妨げる意図もないと回答している(外部リンク)。
また、本作を「この世界を創造したコミュニティへのオマージュ」と説明していた。
しかし今回、SCP Internationalはこの回答について「同社がライセンスを理解し、条件を守る具体的な計画を持っていることは読み取れませんでした」と指摘。
映画側がCC BY-SA 3.0に準拠しながら大規模な商業配給を行う方法を用意しているかどうかは、現時点ではわからないとしている。
声明では、SCPの創作者やボランティアが「略奪的な商業行為から自分たちの作品のあり方を守らなければならないかもしれない」と不安を抱いているとも説明した。
その一方で、SCP Internationalは関係各社との協議による「円満な解決」を希望。加盟するすべての言語版Wikiで協力して情報を集め、対応していくとしている。
また、SCPコミュニティに対しては、映画関係者へ直接連絡を取らないよう呼びかけている。
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1件のコメント


匿名ハッコウくん(ID:13931)
コレでパクられた原著者が訴えてその賠償金で壊れかけたwiki直してくれたらなあ