クリストファー・ノーラン監督の映画『オデュッセイア』が、9月11日(金)に日本公開される。
古代ギリシャの詩人・ホメロスによる叙事詩を、映画史上初となる全編IMAXカメラ撮影で映画化した本作。海外ではすでに世界興行収入14億ドルを突破し、クリストファー・ノーラン監督の作品として過去最高を記録。米国でR指定を受けた映画としても、世界興収の歴代最高記録を更新している。
神々や怪物が立ちはだかる、約2800年前の壮大な冒険譚。しかしその中心にあるのは、現代でも意外なほど身近な願いだ。
主人公・オデュッセウスは、ただ「家族のもとへ帰りたい」。そして、帰りたいのに帰れない。クリストファー・ノーラン監督も、英雄が抱える葛藤を、現代人から遠くないものとして捉えている。
「帰りたいのに帰れない」10年間 英雄オデュッセウスの旅
『オデュッセイア』の主人公は、トロイア戦争を戦ったイタケの王・オデュッセウス(マット・デイモンさん)。
戦争を終えた彼は、妻・ペネロペ(アン・ハサウェイさん)と息子・テレマコス(トム・ホランドさん)が待つ故郷への帰還を目指す。

『オデュッセイア』
しかし、その前には神々の介入、一つ目の巨人、魔女、海の怪物など、数々の試練が立ちはだかる。故郷に辿り着くまでに費やす時間は10年。トロイア戦争で故郷を離れてから数えれば、家族との別離は20年にも及ぶ。
『オデュッセイア』を動かし続けるのは、世界を救うことでも、新たな領土を征服することでもない。愛する人たちのいる場所へ帰ろうとする、一人の人間の思いだ。
クリストファー・ノーラン監督と古代ギリシャの神話世界との関係も、約20年前に遡る。
クリストファー・ノーラン監督はブラッド・ピットさん主演映画『トロイ』(2004年)の監督候補となり、トロイの木馬をどのように映像化するか構想していた。
最終的に同作を監督することはなかったものの、その際の「トロイの木馬」のイメージを描き続けていたという。
世界を飛び回る映画制作と重なる『オデュッセイア』の旅路
『オデュッセイア』について、クリストファー・ノーラン監督はCNNのインタビューで、古代の社会を描いた「非常に異質な」物語のように感じられるとコメント。しかし読み進めるうちに、現代と「何も変わっていない」と気づくという。
家族や故郷への帰還、成長や戦争、そして愛と死──。『オデュッセイア』には、人間が物語の中で繰り返し描いてきた根源的な要素が詰まっていると説明。
「これまで自分が独創的だと思ってやってきたことも、すべてホメロス、『オデュッセイア』に由来している」とまで語っている。
映画制作という仕事は時に生活のすべてを占め、世界各地を飛び回ることで家族から離れざるを得ない。自身も長い仕事人生の中で、「家族のもとへ帰りたい」という思い、そして離れて過ごした時間を「失われた貴重な時間」と感じてきたと明かしている。
劇中で描かれるオデュッセウスの泥臭い葛藤は、過酷な環境下で家族や⼤切なもののために働く現代のビジネスパーソンにも通じるものがあるといえる。
巨大なIMAX映画で描く「親密な叙事詩」
『オデュッセイア』は映画史上はじめて全編をIMAXフィルムカメラで撮影。クリストファー・ノーラン監督の作品史上でも最大級のスケールを持つ作品となった。
しかし、撮影監督のホイテ・ヴァン・ホイテマさんが目指したのは、単に巨大な映像をつくることではなかったという。
「私たちにとっての目標は、親密に感じられる叙事詩を語ることでした」
そう語るホイテ・ヴァン・ホイテマさんは、本作を「何としても妻と息子のもとに帰ろうとする男のパーソナルな物語」と説明。
オデュッセウスは知略に長けた伝説的な英雄でありながら、判断を誤り、その結果に苦しむ人物でもある。
観客にも登場人物たちの「強い望郷の念」、そして帰路で直面する「心のジレンマや倫理的問題」を感じてほしかったと明かしている。
『ちいかわ』にも登場する「セイレーン」 最古の記述は『オデュッセイア』
そして『オデュッセイア』には、現在公開中の『映画ちいかわ 人魚の島のひみつ』でもお馴染みとなった名前の怪物が登場する。それが「セイレーン」だ。
National Geographicによれば、現在確認されているセイレーンの最古の登場例が、紀元前8世紀ごろに成立したと考えられている古代ギリシアの二大叙事詩の一つ、ホメロスの『オデュッセイア』だ。
作中では、美しい歌声で航海者を惑わせる存在として登場。
魔女キルケーから警告を受けたオデュッセウスは、仲間たちの耳を蜜蝋で塞ぎ、自分自身を船の帆柱に縛りつけさせることで、セイレーンの歌を聞きながらその海域を通り抜ける。
2026年、日本の映画館に『ちいかわ』とクリストファー・ノーラン作品というまったく異なる二つの作品に、2800年以上語り継がれてきた「セイレーン」の名が現れているのは興味深い。
現代の作品で描かれたセイレーンとスクリーンで出会い、そのルーツを⾒⽐べてみるのも本作ならではの⼤きな楽しみと⾔えるだろう。
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©︎ 2026 UNIVERSAL STUDIO
photo by Melinda Sue Gordon ©︎ Universal Studios. All Rights Reserved.
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作品情報
オデュッセイア
- 公開日
- 9月11日(金)日本公開
- 9月4日(金)~10日(木) IMAX(R)先行上映決定!
- 2D(字幕/吹替)、IMAX(R)(字幕)、DolbyCinema(R)(字幕)、
- 4DX(字幕/吹替)、MX4D(R)(字幕/吹替)、
- 35mm(字幕)の全6種9バージョンで公開
- 監督・脚本
- クリストファー・ノーラン
- ホメロス「オデュッセイア」に基づく
- 製作
- エマ・トーマス、クリストファー・ノーラン
- エグゼクティブプロデューサー
- トーマス・ヘイスリップ
- 撮影
- ホイテ・ヴァン・ホイテマ
- プロダクションデザイン
- ルース・デ・ヨンク
- 編集
- ジェニファー・レイム
- 音楽
- ルドウィグ・ゴランソン
- VFXスーパーバイザー
- アンドリュー・ジャクソン
- 特殊効果スーパーバイザー
- スコット・R・フィッシャー
- 衣装デザイン
- エレン・マイロニック
- 出演
- マット・デイモン、トム・ホランド、アン・ハサウェイ、ロバート・パティンソン、ルピタ・ニョンゴ、サマンサ・モートン、ゼンデイヤ、シャーリーズ・セロン
- 配給
- ビターズ・エンド ユニバーサル映画
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