この両作品を掛け合わせたミーム「Barbenheimer(バーベンハイマー)」が物議を醸している。ミームとしての「バーベンハイマー」は、主にコラージュ画像を主体としたものだ。
Twitter(X)などでは、キノコ雲や熱波といった原子爆弾を想起させるモチーフとともに両作品の主演をつとめるマーゴット・ロビーさんとキリアン・マーフィーさんを載せたコラ画像が出回っている。
そして、映画『バービー』のアメリカ公式Twitterがそういった画像に対して「It's going to be a summer to remember (忘れられない夏になるね)」(外部リンク)と、好意的なリプライを送っていることが日本コミュニティの目に留まり、批判が殺到。
7月31日(月)には、ワーナー ブラザース ジャパン合同会社が、『バービー』を配給しているワーナー・ブラザース本社のそういった行為に対して「極めて遺憾」「然るべき対応を求めています」とする声明を発表した。
正反対の作風を持つ大ヒット映画『バービー』と『オッペンハイマー』
画面はピンクを基調にカラフルかつ華やかにつくりこまれ、ハッピーな雰囲気に仕上がっている。
第二次世界大戦の最中、国家や世界の命運すら決めうる新兵器・原子爆弾の開発責任者となったオッペンハイマー氏の重圧や、原子爆弾が広島・長崎に使用されてしまったことへの苦悩などを描いたシリアスな映画だ。
この2作品はともに世界中で大ヒット。海外メディア「Deadline」では、7月28日時点で『バービー』の世界興行収入が6億ドル(約850億円)、『オッペンハイマー』が3億ドル(約420億円)を突破したと報じられている(外部リンク)。
なお、『オッペンハイマー』を巡っては、原子爆弾によって日本が受けた被害を具体的に描いていないという問題提起が、アメリカの映画ファンからなされている。
「The Washington Post」(外部リンク)や「NBC News」(外部リンク)といった海外メディアからは、具体的な描写の欠如に対して賛否の声が挙がっており、複雑な議論を起こしていると報じられている。
正反対な2作を続けて鑑賞するのがブームに
「バーベンハイマー」は、もともと原爆を茶化そうとはじまったものではない。This summer is full of amazing movies to see in theaters.
— Tom Cruise (@TomCruise) June 28, 2023
Congratulations, Harrison Ford, on 40 years of Indy and one of the most iconic characters in history.
I love a double feature, and it doesn't get more explosive (or more pink) than one with Oppenheimer and Barbie. pic.twitter.com/udWHHj4fAe
映画業界は、コロナ禍によって深刻なダメージを受けた。そのダメージから脱しきれていない中、両極端な作風を持つ『バービー』と『オッペンハイマー』が共にヒット。
映画ファンが正反対な2作品を続けて鑑賞しだしたことで生まれたムーブメントが、「バーベンハイマー」だ。当初は単に、2つの作品を続けて鑑賞するだけのものだった。
このムーブメントは次第に業界人にも波及。例えばトム・クルーズさんが、「ミッション:インポッシブル」シリーズに関わるクリストファー・マッカリーさんと共に「バーベンハイマー」の2作品を視聴したことを報告している。
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4件のコメント
匿名ハッコウくん(ID:9009)
個人的には、こういったコラや商品を作られて不快感をもたれるバービーが、可哀想と思う。
公式のやらかしは馬鹿とは思うけど、それとこれは別だしな。
匿名ハッコウくん(ID:9008)
コラを作るのは個人の自由枠内だけど、何が元でどういった流れで作成されたか確認もしないで、公式が軽いノリで、フォローはないわなぁ。
あと、今回のコラを作成した人は、もっと歴史と、原爆によって起きた現実を調べて知って欲しいモノです。
……知ったうえでやったなら、救いようがないなぁとは思うけど。
匿名ハッコウくん(ID:9006)
それよりコラ画像作った人が一番やべーと思うんですが。そっちは?