世界最多のチャンネル登録者数5億人を誇るYouTuber・MrBeast(ミスタービースト)さんの動画のサムネイルが、海外で話題を集めています。
注目されたのは、8月23日に投稿された動画「警官100人から逃れられたら50万ドルゲット!」。この動画のサムネイルでは、タイトル通りバンに乗り込み逃げるMrBeastさんと、それを追うパトカーが描かれています。
特筆すべき点はこのパトカー。なんと視聴者の言語に合わせて、その国のパトカーに見えるよう数十種類ものデザインのバリエーションが用意されているんです。
世界で最も登録者数が多いYouTuber・MrBeast
MrBeastことジミー・ドナルドソンさんは、アメリカを拠点に活動するYouTuber/実業家。
2026年6月にYouTube史上はじめてチャンネル登録者数5億人を達成した、世界最大規模のチャンネルの運営者です。
今回注目を集めた動画以外にも「北極で7日間サバイバル」「ネイマールに勝てば賞金50万ドル」「超大物YouTuber50人が100万ドルをかけてバトル」など、セットや参加人数、賞金など何から何までスケールの大きい企画で知られています。
また、企画の中には植樹や寄付などを行うものもあり、2026年3月には動画制作を通じて過去9年間で2億ドル(約300億円)以上を寄付したと明かしています。
動画を世界に届けるため、流行の「ノンバーバル」の逆をいくMrBeast
企画の規模とは別に、MrBeastさんの特色として知られているのが、徹底したアルゴリズム対策。
MrBeastさんの登録者数5億人は、日本の人口約1億2300万人のおよそ4倍にあたり、2025年の世界人口約82億3200万人からみても約6%にあたります。
それだけの視聴者を集めるためには、当然自国のみならず世界へ向けた動画づくりが必要となります。
近年ではショート動画を中心に、言語を問わず直感的に楽しめる「ノンバーバル動画」が大きな流行を見せました。
日本でも、じゅんやさんやバヤシさんといったクリエイターが、そういった手法で登録者数を数千万人規模まで伸ばした事例が知られています。
徹底的なローカライズ戦略がYouTubeの「未来」か?
しかし、MrBeastさんが取っている手法は真逆とも言えるもの。むしろ膨大な手間暇をかけ、国ごとのローカライズを徹底することで、世界中の誰であっても動画をクリックし、視聴を続けられるようにしています。
例えば、彼の動画には元の英語音声を含む22もの言語トラックが用意されています。
ちなみに日本語版では、MrBeastさんもファンだという『NARUTO』の主人公・ナルト役で知られる声優・竹内順子さんがMrBeastさんの声を担当。それに合わせて、字幕も自動生成ではなく発話者ごとに色分けまでされたものが用意されています。
それに加えて、今回注目を集めたパトカーのデザインなど、どの国の視聴者であっても違和感を感じずにクリックできるよう、サムネイルもローカライズされています。
話題を集めるきっかけとなった視聴者の投稿に対し、MrBeastさんのチームでサムネイルなどの制作を担当しているChuckyさんは「言語ごとにパーソナライズされたサムネイルこそが未来だ」とコメントしています。
ここまで一つの動画に手間をかけられるのは、MrBeastさんが持つチームの規模や、かけた分のコストを回収できる視聴者・収益の基盤があるからだと言えます。
一方、YouTubeではすでに、AIによる字幕や吹き替え音声の自動生成機能が提供されています。技術の発展によって精度が上がってくれば、クリエイターは手間暇をかけずにより広い層に動画を届けることが可能になり、視聴者は海外の新たな才能と出会いやすくなる。そんな未来があるかもしれません。
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