小説家・斜線堂有紀さんの短編小説「場外戦」が、河出書房新社のオウンドメディア「Web河出」で全文無料公開された。
本作は、桜庭一樹さんと斜線堂有紀さんによる“競作”小説集『そうだ、君を憎めばいいんだ 愛と殺意と七つの条件』に収録される一篇。
女性カードゲーマー同士の間で起きた殺人事件を、“主人公が所有していたプロモレアカード”の視点から描くミステリー作品となっている。
斜線堂有紀さんはXで、「店内大会でのプロモの意味が分かる方には特に読んでいただきたい一作」とコメントしている(外部リンク)。
桜庭一樹×斜線堂有紀による“競作”小説集
「場外戦」が収録される『そうだ、君を憎めばいいんだ 愛と殺意と七つの条件』は、桜庭一樹さんと斜線堂有紀さんが七つの条件をもとに短編を“競作”するクライムサスペンス作品集。
2020年代の東京を舞台に、少女たちの愛情や執着、殺意を描く全8篇を収録。書き下ろし2篇とあとがきも収められる。発売日は5月20日(水)。
『そうだ、君を憎めばいいんだ 愛と殺意と七つの条件』より各1作が無料公開/画像はWeb河出より
今回全文公開された「場外戦」は、その中でもカードゲーム文化をモチーフに据えた短編だ。
斜線堂有紀さんは、『恋に至る病』『楽園とは探偵の不在なり』『私が大好きな小説家を殺すまで』などで知られる小説家。
TCG好きとしても知られており、2025年には伊坂幸太郎さんとの『デュエル・マスターズ』での対戦が実現したことでも話題となった。
語り手は“プロモレアカード” TCG文化を背景にした「場外戦」
「場外戦」の語り手は、店舗大会の優勝賞品として配布されるプレミアシークレットプロモ版カード。
作中では、カードゲームアプリから紙のTCGへ入っていく主人公・小瀬百華を通じて、カードショップ、デュエルスペース、交流会、Tier1デッキ、プレイマットといったTCG文化のディテールが描かれていく。
一方で、女性プレイヤーとしてコミュニティへ参加する中で向けられる視線や偏見、プロモカードという希少な存在が持つ承認の記号としての側面も物語の重要な要素となっている。
タイトルの「場外戦」が示す通り、卓上の勝敗だけではない、コミュニティの外側にある感情や関係性までもが描かれている。
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