今なお熱気を帯びる、ニコ動ボカロコミュニティ──次世代のボカロP みなみ遣水×YASAITARO インタビュー

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タナカハルカ
今なお熱気を帯びる、ニコ動ボカロコミュニティ──次世代のボカロP みなみ遣水×YASAITARO インタビュー
今なお熱気を帯びる、ニコ動ボカロコミュニティ──次世代のボカロP みなみ遣水×YASAITARO インタビュー

みなみ遣水さん、YASAITAROさん

“インディペンデント”であること。それは単に「メジャーレーベルに所属していない」状態を指す言葉ではない。

テクノロジーやプラットフォームの発展により、誰もが──たった一人、誰にも頼らずとも──世界中に作品を届けられるようになった今。そこは、自分のやりたいことをひたすらに、自らの意思で選び取る“主体性”があちらこちらに渦巻く世界だ。

TuneCore Japanの企画「MEDIA NETWORK」と連動し、KAI-YOUではこれからのシーンを担う才能をフィーチャーする連載企画を展開中。

「MEDIA NETWORK」

「楽曲をリリースしたあと、どうやってプロモーションすればいいのか?」

そんなインディペンデントアーティストの課題を解決すべく、誰でも手軽に、自身の楽曲をメディアに“売り込み”できる場を用意した取り組みだ。

今回スポットライトを当てるのは、ニューエイジやクラシカルを取り込み「今まで聴いたことのないボカロ曲」を探求する・みなみ遣水(みなみやりみず)さん。そして、ボカロトロニカ(ボカロ+エレクトロニカ)を中心に、内省的でパーソナルなサウンドスケープを描き出す・YASAITAROさんの二人。

ボーカロイド/合成音声という共通のツールを用いた二人が語る、音楽的ルーツやシーンの現在地。今なおコミュニティの熱量が強いニコニコ動画で、インディペンデントに活動を続ける意義に迫る。

ボカロの枠組みから外れた表現とボカロらしさ

──まずは自己紹介をお願いします。アーティストとしてのコンセプトや志向している音楽性/ジャンルなどについてうかがえれば幸いです。

みなみ遣水 みなみ遣水と申します! 普段はボカロPとして動画共有サイトや音楽配信サービスに自身のオリジナル曲を公開しています。

音楽性はニューエイジやクラシカルのような、一見ボカロとはそんなに相性が良くなさそうなジャンルをあえて取り込んだ「今まで聴いたことのないボカロ曲」を目指して制作しています。

近年はSynthesizer Vをはじめ、合成音声ソフトの性能が飛躍的に進化しています。「ボカロに歌わせるなら基本こういうジャンルだよね」という枠組みから外れた楽曲でも違和感なく歌い上げてくれるので、いろいろと模索するのがとても楽しいです。

みなみ遣水さん

YASAITARO YASAITAROと申します。昨年よりボーカロイドをフィーチャーした投稿活動をはじめました。ボカロトロニカ(ボカロ+エレクトロニカ)を中心とした楽曲をリリースしています。

そういったジャンルに夢中になり、いろいろと聴き漁る過程で自分でもそのような楽曲をつくりたいと思ったのが制作のきっかけです。ピアノとアコースティックギターの音色が好きなので、それらの生音系の楽器も積極的に音楽に取り入れています。

また、並行してthe twentiesというバンドでも活動しています。バンドの方はどちらかというと激しめの音楽性です。こちらでは”対”になるような形で「内省的でよりパーソナルな表現を」といった欲求もあったと思います。

YASAITAROさん

──特に影響を受けたアーティストや楽曲について教えてください。

みなみ遣水 ボカロ曲で言えば、間違いなくオワタPさんの「アンチクロロベンゼン」に影響を受けました。

当時まだ幼くポピュラー音楽しか聴いてこなかった自分にとって、慟哭のように叩きつける歌詞。エスニックやラテン的な要素を織り交ぜたサウンドに凄まじい衝撃を受けた覚えがあります。

アンチクロロベンゼン feat.オワタP(鏡音リン)

みなみ遣水 そうしたボカロシーンに魅了された一方で、歌詞の無いインスト音楽──とりわけ映画やアニメ、ゲームに使われるサウンドトラックなんかも大好きで。そのきっかけを作ってくれたのは澤野弘之さんでした。

アニメ『進撃の巨人』を観ていた時に「後ろで凄くカッコいいボーカル曲が流れてる……!?」とビックリして。以来、自分が好きな作品はもちろんのこと、まだ観てもいない作品のサントラCDもどんどん収集しました。

その過程で様々な音楽ジャンルと出会い、ポピュラー音楽だけでは知りえない領域がこんなにもあるんだと気づかされました。

そうした体験が、既存の枠組みにとらわれない楽曲をつくりたいというルーツに繋がっているのかもしれません。

YASAITARO 参考にさせていただいている方はとても多いのですが、制作面において特に影響を受けているのがphritzさん、KAIRUIさんです。

phritzさんに関してはサウンドメイクにおいて多大な影響を受けています。楽曲のハウトゥー動画を何度も観て、どのように音をつくっているのかを研究したり、昨年行ったワークショップもオンラインで拝見したりしました。

KAIRUIさんはピアノの旋律の美しさだったり、優しい音色を基調としつつも圧倒的な音像処で全身に畳みかけてくるような心地よさを感じられるところがとても好きで、そういった表現からも刺激を受けています。

お二方の作品を何度も聴いていますが飽きるどころか聴くたびに新たな発見が見つかる所が本当に凄いなと思います。

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