日常に寄り添うクラブミュージック──場所を問わずにノる新世代のアーティスト PAWANO!!×PEYODAインタビュー

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タナカハルカ
日常に寄り添うクラブミュージック──場所を問わずにノる新世代のアーティスト PAWANO!!×PEYODAインタビュー
日常に寄り添うクラブミュージック──場所を問わずにノる新世代のアーティスト PAWANO!!×PEYODAインタビュー

PAWANO!!×PEYODA

“インディペンデント”であること。それは単に「メジャーレーベルに所属していない」状態を指す言葉ではない。

テクノロジーやプラットフォームの発展により、誰もが──たった一人、誰にも頼らずとも──世界中に作品を届けられるようになった今。そこは、自分のやりたいことをひたすらに、自らの意思で選び取る“主体性”があちらこちらに渦巻く世界だ。

KAI-YOU、TuneCore Japanの企画「MEDIA NETWORK」と連動して、これからのシーンを担う才能をフィーチャーする連載企画を展開中。

「MEDIA NETWORK」

「楽曲をリリースしたあと、どうやってプロモーションすればいいのか?」

そんなインディペンデントアーティストの課題を解決すべく、誰でも手軽に、自身の楽曲をメディアに“売り込み”できる場を用意した取り組みだ。

第6回目でスポットライトを当てるのは、ジャンルを横断した“素直synthpop”を掲げ、俗っぽさも信念もすべてをポップスに昇華するPAWANO!!さん。

そして「クラブでノれるだけじゃなくて、日常の隙間を楽しむ」音楽をつくるラッパー・PEYODAさんの2組だ。

クラブやインターネットだけにとらわれず、コミュニティを横断しながら自身の表現を発信し続ける両者。元はそれぞれ、弾き語りと同人漫画という今の活動とは違う形で活動をしていたそうだ。

二人の音楽はシーンの画一化に対するカウンターであり、退屈な日常に意図的な隙間をつくるための痛快な“カマし”でもある。

弾き語りと同人漫画それぞれのルーツ

──まずは自己紹介をお願いします。アーティストとしてのコンセプトや志向している音楽性/ジャンルなどについてうかがえれば幸いです。

PAWANO!! PAWANO!!と申します。シンガーソングライター/トラックメイカーとして東京を拠点に活動しています。

PAWANO!!さん

PAWANO!! コンセプトとして「“素直synthpop” - 俗っぽさも信念も、ぜんぶそのまま音にする」というのを掲げていて、リリックを軸にしながらジャンルを横断したPOPをつくっています。音楽をはじめた当初は弾き語りで活動し、2023年からトラックメイクをはじめました。

PEYODA こんにちは。PEYODAと申します。東京でラッパー/ビートメイカーとして活動しながら映像制作もしています。学生時代にCOMITIA(コミティア)という同人誌即売会でSF漫画を発表していて、そこからものづくりをはじめました。

当時漫画を描いている時、心のどこかに「本当は音楽がやりたいんではないか」という気持ちがずっとあったので、2018年からビートをつくってSoundCloudで公開するようになりました。

その頃、友人の紹介もあって当時住んでいた京都の鴨川沿いで開かれていた「三条大橋サイファー」に混ぜてもらったんです。それをきっかけに、ラップをはじめました。それからずっと働きながらラップを続けています。

PEYODAさん

PEYODA 仕事の昼休みに近くの公園まで散歩しながら新曲をチェックするのが好きなんですけど、そんな時に首を振れるような曲をつくりたいなと思っています。クラブでノれるだけじゃなくて、日常の隙間を楽しめるような。

トラップやハイパーポップ──電子音をフィーチャーしたビートの上でラップするような音楽はクラブで踊るためのものだけではないと思います。日々の暮らしの中に意図して“隙間”をつくれる側面もあるんじゃないかと。

日々必死に働いて、休日はずっと家で過ごしてしまうような毎日。そんな人たちが抱える心の閉塞感に、いつか風穴を開けられるような曲をつくれたらいいなと思っています。

──特に影響を受けたアーティストや楽曲について教えてください。

PAWANO!! 10代の頃に大きな影響を受けたのは大森靖子さんです。アコギ1本でステージに立ってロックをやっている姿に衝撃を受けました。いかなる精神をも否定せずに音楽に昇華することを学んだと思います。好きな曲は「料理長の音楽は豚肉の焼ける音だった」です。

大森靖子 料理長の音楽は豚肉の焼ける音だった

TORIENAさんにも影響を受けています。ハードなサウンドが魅力的で、作詞・作曲・編曲・歌唱を自身で手がけ、セルフプロデュースを行っている点においてロールモデル的な存在です。好きな曲は「僕はふつうの子」です。

TORIENA 僕はふつうの子

最近はvalkneeさんもよく聴いています。声とフロウがアディクティブで、キャッチーながらも説得力のある言葉選びに惹かれました。

彼女の楽曲を手がけるトラックメイカーやプロデューサーの方々にもかなり影響を受けています。好きな曲は「偽バレンシアガ-RYOKO2000 SWEET 16 BLUES mix」です。

valknee 偽バレンシアガ-RYOKO2000 SWEET 16 BLUES mix

PEYODA 一番影響を受けたアーティストは、ラッパーの5lackさんです。会社に行く途中で聴いて元気をもらっています。ラッパーがビートに対してどうやって声を用いて向き合っていくか。それを考えるきっかけをもらえたと思っています。

コミュニティの曖昧な境界をじんわり広げていきたい

──あなたはどこを「主戦場」として活動していますか? またはどのような環境で制作を行っていますか?

PAWANO!! 主にラッパーやDJが集まるイベントに出演しています。最近は神楽音というライブハウスの出演が多く、2026年2月に主催イベントも開催しました。他にもオファーがあればいろんな箱に出演しています。

自分はこれといったジャンルやコミュニティには属していないと考えていて、個人的にはそのほうがしっくりきます。

それゆえに幅広い文脈で出演オファーをいただけたり、人との繋がりが生まれたりするので、コミュニティの曖昧な境界をじんわり広げていきたいと思っています。

PEYODA 家です。休みの日は基本、家で曲とかをつくったり、あとはTwitterをやったりしています。好きなクラブは阿佐ヶ谷DRIFTGHOSTCLUBです。かっこいい場所なので。

──なぜ自身の楽曲を音楽ストア(音楽ストリーミングサービス)に配信しようと思ったのでしょうか?

PAWANO!! より多くのリスナーにアプローチするためです。自分の楽曲は何かしらのジャンルに特化しているというより、多くの人に開かれた音楽だと捉えています。なので、ユーザー数が多く誰でもアクセスしやすいストリーミングで配信するのがベターだと考えました。

また、現場ではじめて会うオーディエンスや共演者に対する名刺としての役割も大きいと思いますね。

PAWANO!!さん

PAWANO!! TuneCoreは楽曲配信をはじめた当初から継続して利用しています。フラットで使いやすいですし、配信ストア数も多く、歌詞表示やタグなど細かく設定できて、インディペンデントアーティストにとって自由度が高い点が魅力だと感じています。

PEYODA 発表する場を少しでも増やしたかったからです。ライブをする機会をいただけるようになったのは最近になってからですので、少しでもステージに上がれるチャンスに近づけるよう、場を広げていく必要がありました。

──音楽シーンのメインストリームである「J-POP」やメジャーシーン、そして音楽シーンを取り巻く情報環境などをどう捉えていますか?

PAWANO!! インディペンデントなアーティストは多様化する一方で、メジャーシーンにおけるヒットチャートは画一化しているように感じています。

それに、音楽そのもの以外の要素が大きすぎるとも感じます。もちろん今にはじまった話ではないので、相対的に顕著になったものだと思います。

だからこそ、メジャーか否かにとらわれず、純粋に音楽そのものを愛する人が増えてほしいと願っています。

私はアーティストであると同時にリスナーでもあります。なので、街中でもクラブでもベッドルームでも場所は問わずに「音楽ってサイコーだぜ!」というバイブスを広げていけたら嬉しいです。

PEYODA 単純にメジャーシーンに対して疎外感を持っています。メジャーがつまらないとか、アングラだからかっこいいとか、そういうのは無いです。

PEYODAさん

PEYODA ただ疎外感が明確だからこそそれに負けないぞというか、卑屈さの先にある"カマし"を見せたいと思っています。それだけです。

日々のバッドバイブスを吹っ飛ばす 日常に寄り添うクラブミュージック

──今回「メディアネットワーク」に応募された楽曲について、聴きどころやこだわりのポイント、楽曲を通して届けたいメッセージなどを教えてください。

PAWANO!! 「MEGA good vibes」は、ハードテクノのパーティへ行ったことをきっかけに制作しました。むしゃくしゃする時は誰にでもあると思いますが、それを180度振り切って「めっちゃ気分いいぜ」みたいな極端さが、ハードテクノのストイックさと幸福感にマッチしていると思います。パーティで頭を空っぽにして踊る感覚です。

nameless star」は、青春パンクをPOPでやりたくてこの曲をつくりました。恋の初期衝動、やり場のない感情、キラキラした運命的な出会いを歌っています。スネアの音割れとギターがポイントです。

まるばつさんかく」は、正しくなければいけないというプレッシャーのなかで自分を見失いそうになったとき、肩の力を抜けるような曲です。

自分を変える挑戦をするには、まずは自分を許すことが大事だと思っています。トラックはドラムンベースを基調にしながらピコピコしたフォーリーを散りばめて、あたたかみのあるサウンドに仕上げました。

シングル『MEGA!!』

PEYODA 「Gimmick!!」は、近所に住んでいるプロデューサーのgaburyuという友人とつくった曲です。誰よりも鳴りの良い曲をつくれるすごいやつなんですが、それだけでなく本当に尊敬できる男です。

俺が情けない落ち込み方をしている時にも「こつこつ頑張っていきましょうよぺよださん」と言ってくれる。この曲を聴いてくれたやつも同じように日々のバッドバイブスを吹っ飛ばしてもらいたいと思ってます。

「Gimmick!!」

──お互いの楽曲を聴いてみて、どのように感じましたか?

PAWANO!! 言葉と音を一体化させていて、日本語の響きのよさが全面に押し出された楽曲だと感じました。揺れたくなるような洗練されたフロウとビート、過ぎていく日々と向き合いながら光に突き進むようなリリックで、明日をよくしようというパッションをもらえました

自分が曲を書くとき、リリックの愚直さや口語的な表現・詞としての秩序・旋律との一体感などにフォーカスを置くのですが、PEYODAさんの楽曲はその点を網羅していて脱帽です。

PEYODA イントロからバイブスの高い元気をもらえる曲だなと思いました。収録されている3曲ともに通ずるマインドとして現状を打破していこうという気持ちが感じられた一方で、3曲それぞれに違う方向の音作りへの挑戦も感じる。

1か所に留まることなく進んでいこうという、日々の閉塞感に対する破壊衝動のようなものに共感させられました。

インディペンデントアーティストがプロモーションのチャンスをつくる「MEDIA NETWORK」

Apple Music、Spotify、YouTube Musicをはじめとする世界中の音楽ストリーミングプラットフォームへ、誰もが自分の楽曲を配信できるディストリビューションサービス・TuneCore Japan。

自由でインディペンデントな音楽活動を強力にサポートする同サービスから、これからのシーンを担う才能をフィーチャーする新たなプロジェクト「MEDIA NETWORK」が発足した。

楽曲をリリースしたあと、どうやってプロモーションすればいいのか?

そんな多くのインディペンデントアーティストが直面する課題を解決すべく、TuneCore Japanが主要音楽メディアやラジオと連携。誰でも手軽に、自身の楽曲をメディアに“売り込み”できる場を用意

応募資格に、レーベル所属の有無や年齢、性別、演奏スタイル、個人・グループといった制限は一切ない。あらゆるジャンルのアーティストに門戸が開かれている。

対象となるのは、2025年7月23日以降に配信手続きが開始されたリリース楽曲。応募受付は4月30日(金)23時59分までとなっている。

自らの音楽を、より広い世界へ届けるチャンス。ぜひ、あなたの自信の一曲を応募してほしい。

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