“インディペンデント”であること。それは単に「メジャーレーベルに所属していない」状態を指す言葉ではない。
テクノロジーやプラットフォームの発展により、誰もが──たった一人、誰にも頼らずとも──世界中に作品を届けられるようになった今。そこは、自分のやりたいことをひたすらに、自らの意思で選び取る“主体性”があちらこちらに渦巻く世界だ。
今回、TuneCore Japanの企画「MEDIA NETWORK」と連動して、これからのシーンを担う才能をフィーチャーする連載を実施。
「MEDIA NETWORK」
「楽曲をリリースしたあと、どうやってプロモーションすればいいのか?」
そんなインディペンデントアーティストの課題を解決すべく、誰でも手軽に、自身の楽曲をメディアに“売り込み”できる場を用意した取り組みだ。
第4回目となる今回でスポットライトを当てるのは、オンラインでの制作を起点に内なる孤独を肯定するバンド「かなしいばけもの」。そして、the pillowsのDNAを受け継ぎ、都内のライブハウスを主戦場とする4人組ロックバンド「雨上がりのあおいちゃん」の2組だ。
活動形態もアプローチも異なる2つのバンド。しかし、その根底には“自らの鳴らしたいオルタナティブ”を貫く強固な意志が共通している。
彼らは今の音楽シーンをどう見つめ、なぜ自分たちの音楽を発信し続けるのか。それぞれのルーツや制作環境、そして互いの楽曲へのクロスレビューを通じて、インディペンデントバンドの現在地に迫る。
目次
自分たちにしか出せない音を追求した”オルタナティブなロック”
──まずは自己紹介をお願いします。アーティストとしてのコンセプトや志向している音楽性/ジャンルなどについてうかがえれば幸いです。
あえ(かなしいばけもの) かなしいばけものの作曲/ドラムを担当するあえです。ボーカルのTsuzuri、ギターのundewと凌、そしてわたしを含む4人で2026年の2月から活動を開始しました。
「あなたの内側に潜む、名前のない孤独を肯定する」をコンセプトに楽曲制作やバンドのプロデュースを行っています。
かなしいばけもの
あえ(かなしいばけもの) 持て余してしまった切なさや、ぶつけどころのない怒りといった、心の中にふと現れるであろう感情を「かなしいばけもの」と定義し、音楽を通して愛してもらうことを目指しています。
なので、制作面ではテーマを内包するように心がけていますね。歌詞では主に感情を、サウンド面では叙情的なメロディと幻想的なフレーズ、爆発的な衝動を混在させたオルタナティブなスタイルを目指しています。
わたし自身が幼少期からオルタナティブな音楽を愛聴してきたので、自分が何度聴きなおしても飽きなく好きになれる音源をラフの段階で制作するようにしています。まずはメンバー同士の解像度を高めあうことが大事だと思っているので。
有路凌(雨上がりのあおいちゃん) 東京都内を中心に活動している「雨上がりのあおいちゃん」です。2023年に大学の軽音楽部のメンバーで結成しました。現在は4人体制で活動しています。
コンセプトは「ありそうでない、でも確かに存在していた音楽」を掲げています。
雨上がりのあおいちゃん
有路凌 自分たちが聴いてきた音楽のDNAや、リスペクトを感じさせつつも、自分達にしか出せない音を追求した”オルタナティブなロック”を持ち味としています。
──特に影響を受けたアーティストや楽曲について教えてください。
あえ ひとひら、文藝天国のような拍子や展開が変則的なオルタナティブミュージックを好んで聴いています。特に楽曲の展開や構成で影響を受けています。
特定のジャンルに擬態することなくリスナーを虜にする楽曲の雰囲気には、勝手ながら共鳴する部分を感じています。また、そうしたアーティストたちはメンバー全員がクリエイターとして作詞/作曲に関われるというのは非常に強みがあると思っています。
各々の感性を持ち寄りつつ完成度を高め、耳を傾けてくれた方に刺さるような十人十色の曲づくりが目指せているのかなと。
作詞面ではキタニタツヤさんに強く影響を受けています。人の内面的な部分や感情的な部分を文学的な表現で綴っていることが多いと感じ、わたし自身も何度も歌詞に共感したり救われたりしてきました。
聴いてくださる方々が感じる世界観は、こういった共感で創られるものだと感じています。なので作詞は、人に寄り添えるような言葉選びを常に意識しています。
秋元佑斗(雨上がりのあおいちゃん) 影響を受けたアーティストはthe pillowsです。僕が中学生の時にはじめて出会ったバンドで、「Ride on shooting star」という曲に衝撃を受けて聴くようになりました。
必要最小限のギターロックに乗せた、どこか退廃的で世間を睨みつけるような歌が思春期の僕にとって何よりも優しく感じられたのを憶えています。the pillowsから影響を受けているところは、そういった詩の世界観だったり、キャッチーなメロディという部分です。
また、バッキングギターがリードフレーズを弾く、いわゆるツインリード曲が沢山あって、雨上がりのあおいちゃんでもそのような曲が登場するのは間違いなくthe pillowsの影響が大きいです。
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