TuneCore Japan、2022年度のアーティスト還元額は126億円　前年比128％の成長

音楽デジタルディストリビューションサービス・TuneCore Japanが、2022年のサービスデータを発表した。

TuneCore Japanは年間サービスデータを「MUSIC STATS」としてまとめて例年発表。

今年度の「MUSIC STATS 2022」では、利用アーティスト／レーベルへの年間還元額やサービス開始からの累積還元額をはじめ、様々なデータを公開している。

年間還元額が100億円を突破、市場シェア国内3位に

音楽デジタルディストリビューションサービスとは、アーティストがSpotifyやApple Music、YouTube Musicなどのプラットフォームで配信する際に仲介を行う事業のこと。

アーティストやレーベルから寄せられた楽曲を、それぞれのプラットフォームに提供する役割を担う。

インターネット上で完結できる経済活動やSNSでの宣伝が当たり前となった今、メジャーレーベルに所属せずに音楽活動を行うアーティストは年々その存在感を増している。

TuneCore Japanの2022年度のアーティストやレーベルへの還元額は約126億円（前年比128％）を記録。2012年のサービス開始以来、累積の還元総額は393億円となった。

また、2022年はストリーミング再生数と収益シェアにおいて国内3位となった。

インディペンデントアーティストが各所で活躍、快挙を達成

還元額の伸びが示すように、国内のインディペンデント・アーティストのマーケットシェアは拡大を続けている。

例えば、シンガーソングライター・Tani Yuukiさんが2021年5月26日に配信リリースしたシングル「W / X / Y」がTikTokを中心に驚異的な広がりを見せ、2022年のSpotifyにおける、国内で最も再生された楽曲ランキングのトップに。 年間Billboard JAPANストリーミング・ソング・チャート「Streaming Songs」でも首位を獲得するなど、インディペンデントの音楽家として快挙を成し遂げた。

ラッパー・MFSさんの「BOW」はFPSゲーム『Overwatch 2』のキャラクターテーマソングに起用され、Spotifyのグローバル、アメリカ、イギリス、カナダ、ドイツ、フランス、オーストラリアで同時バイラルチャート1位という偉業を達成している。

国内アーティストの海外シェア増にも注力

このような状況に連動するように、海外からのTuneCore Japanアーティストへの還元額も15億円（前年比150％）を超え、その割合は全体の約12％（前年10％）となり、過去最高の比率に。

海外配信サービスであるFLO（韓国）、JOOX（東南アジア）、Tidal（欧米）が追加されたことや、TikTok、Instagram、YouTubeショートなどのショート動画サービスの収益化が伸長していること、海外でのバイラル楽曲数の増加が主な成長要因だとTuneCore Japanは分析している。