大迫力の作品の数々に目を奪われる
BCTIONが通常の美術展と大きく違うのは、その成り立ちもさることながら、あらゆるジャンル・文脈を持った作家が入り乱れて参加している点も挙げられます。そんなクロスオーバーした展示の中でも、特に普段はストリートの壁などに絵を描くグラフィティライター、ペインターの作品は、その巨大さや鮮やかさ、ポップさから強い存在感を放っていました。
廃ビルという場所性もあいまって、BCTIONが「ストリート・アートの展示」と来場者に強く印象付けるのは納得の感がありました。
足を踏み入れたのはスピリチュアルフロア
7階は案内してくれたHouxo Queさん曰く「スピリチュアルフロア」。ビルの廃材を利用した立体物や床に描かれた魔法陣が薄暗いフロアで妖しく煌めき、流れている不穏なBGMと共に不思議な空間を演出。7階は特に来場者も多く、その魅力に引きつけられているようでした。 10階は立ち入り禁止。しかし、このフロアは千房けん輔さんと赤岩やえさんによるアートユニット・exonemo(エキソニモ)による作品として、特設WebサイトをBCTIONの10階と見立てて「#BCTION #10F」として展開。ネット上にアップされているハッシュタグ「#BCTION」がついた展示会の画像を、PCやスマホからリミックスしてアップすることができるようになっています。関連記事
話題の廃ビル美術館「BCTION」写真をリミックス! 幻のインターネット階を創造 地下1階はダンスフロアになっていて、筆者が降りると丁度、アニメーション監督・森本晃司さんがDJプレイを開始。噂をききつけた人たちがすぐに集まり、盛り上がっていました。
BCTIONは続く!
BCTIONは今回限りのプロジェクトではなく、主宰の大山さんは「第2回は必ずある。もしかしたら2年くらいかかるかもしれないが、その間も話題が尽きないように継続的に企画を行っていく」と語ってくれました。都市にはまだ多くのデッドスペースが存在すると考えられ、今後、東京オリンピックの開催に向けて、また新たに取り壊しとなる建物も出てくるかもしれません。
そういった場所を再利用することによって、アーティストが社会に関与し、またアーティスト自身が運営を行う。そういった地域や人との輪を拡げていくというBCTIONのコンセプトは、今後も継続されていきそうです。
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