にじさんじ所属のVTuber・天宮こころさんが4月22日、自身の配信で「ポケットモンスター」シリーズのニンテンドーDS用ソフトをゲーム実況する「目処が消えてしまった」と伝えた。
天宮こころさんは「運営的に、やめときましょうか皆さん、みたいな感じなったので」と説明。運営するANYCOLOR株式会社から自粛の要請があったようだ。
映像出力のために、ゲーム機本体を改造することがあるニンテンドーDSおよびニンテンドー3DS用ソフトでのゲーム実況配信については、ホロライブ所属のVTuber・兎田ぺこらさんの改造ROM使用疑惑から派生する形で、問題視する声が上がっていた。
【4月23日18時42分追記】一方、ゲーム機の改造を巡っては、違法なエミュレータと、ハッキングしたNintendo Switchを使い、ゲームの海賊版を実況配信したストリーマーに対する訴訟が、2025年4月18日にアメリカ・コロラド州で行われた。ストリーマー側はこの裁判に出席せず、任天堂側が勝訴する見通しとなる。
発端となった兎田ぺこら『ポケモン』改造ROM使用疑惑
騒動の発端は3月末、兎田ぺこらさんが配信企画で使用した、中古品の『ポケットモンスター エメラルド』のソフトに対して、改造ROM疑惑が浮上。
任天堂の配信ガイドラインに抵触する可能性があることから、インターネット掲示板やSNS上で物議を醸すと、兎田ぺこらさんは4月4日、改造ROMの可能性が拭いきれないとして、中古カセットの使用を止めると配信内で説明した。
その後、4月9日にホロライブを運営するカバー株式会社が、ゲームソフトの販売元である任天堂と協議を行った旨を発表。
任天堂から「ガイドライン違反のリスクがある動画企画の実施を避けること」「所属タレントに対して、改めてガイドライン遵守の必要性を周知すること」などの要請を受けたことを明らかにした。
改造キット「偽トロ」が使われてきたニンテンドーDSのゲーム実況
一連の騒動と併せて槍玉に挙げられたのが、ニンテンドーDSおよびニンテンドー3DS用ソフトでのゲーム実況配信の是非についてである。
ニンテンドーDSおよびニンテンドー3DSは、実況配信に欠かせない映像出力機能をゲーム機本体に有していない。そのため、ゲーム画面をPCなどに取り込む機器である通称「偽トロキャプチャ」を取りつける改造が施されることが多かった。
しかし、2018年11月に改正不正競争防止法が施工され、技術的制限手段無効化の保護対象に映像やプログラムに加え、新たに「データ(電磁的記録に記録された情報)」が追加。
この改正により、一般社団法人コンピュータソフトウェア著作権協会は、ゲーム機器の改造代行が違法(※)になったと見解を示している(外部リンク)。
コンピュータソフトウェア著作権協会の2018年12月の発表/画像は同協会の公式サイトより
そういった背景もあり、改造ゲーム機を使用したニンテンドーDSおよびニンテンドー3DSのゲーム実況配信は、長らくグレーゾーンとされてきた。
なお、コンピュータソフトウェア著作権協会が「ゲーム機器の改造代行は違法」との見解を示しているが、根拠となる改正不正競争防止法の原文を見ると解釈に幅があり、「偽トロキャプチャ」の販売も含めて、一概に違法と断言することはできない(外部リンク)。
ただ、「偽トロキャプチャ」の販売を行っていた株式会社ケイティは、改正法の施行後となる2019年に破産している。
にじさんじ、過去配信のアーカイブは非公開にしない
天宮こころさんは4月22日の配信で、過去に行われた「ポケットモンスター」シリーズのニンテンドーDS用ソフトの実況配信のアーカイブについては、非公開にするなどの対応はしなくていいと言われたという。
ファンに対しては「(ニンテンドーDSおよびニンテンドー3DSのソフトの)Switchへの移植を待てたらいいなと思います」と伝えている。

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2件のコメント
クローバー4
にじさんじの偽トロを用いたDS配信は元来任天堂の規約に違反しており、法的にも問題があったと言うことで兼ねてから議論の対象であった。
対してホロライブの兎田ぺこらは改造ROMを掴まされた可能性があるという事で騒ぎになり、カバーが任天堂と協議して配信の取り下げとなったが、偽トロ配信はしておらず、改造ROMも疑惑であるが不意に使用した場合は即規約違反とはされない。
記事はあたかも「にじさんじの偽トロ配信禁止の措置は兎田ぺこらが原因である」と認識させる内容であり、兎田ぺこら本人やカバー株式会社への信用毀損にもなりうる。
記事として正しく書くのであれば
兎田ぺこらの改造ROM使用疑惑で騒ぎとなった結果、にじさんじの偽トロ配信にも着目されるに至った」こと、「にじさんじのイブラヒムが過去の配信で『偽トロをあえて用意した』と発言していた(2020.4.10.)」こと、「DSの配信をキャプチャーする手段は公式の開発機材を用いなければ不可能であるが、兎田ぺこらの騒動の最中ににじさんじの七瀬すず菜(2025.4.4.)と葉加瀬冬雪(同4.6.)がDSポケモンの配信をしていた」ことも記す必要がある。
恣意的とも取れる誤認誘導と思われるので本サイトと当記事ライターの都築陵佑氏についてはカバー株式会社通報フォームに連絡させていただいた。
myami500
どう考えてもぺこらと関係なく海外でエミュレーターと改造ハード使って配信してたバカが任天堂に欠席裁判で全面敗訴した事による影響だけどそんな事も知らずにニュース書いて恥ずかしくないのか?
てゆうか「ぺこらのせいでにじさんじが犯罪行為できなくなった」って喚いてる自覚ある?