『ポケモンGO』などを開発するアメリカのNiantic(ナイアンティック)社が3月12日、ゲーム事業の売却を発表した。
売却先はアメリカのScopely(スコープリー)社で、売却額は35億ドル(約5200億円)となる。
Nianticは2月、アメリカのメディア・Bloombergによって、ゲーム事業売却の交渉が行われていると報道されていた(外部リンク)。
位置情報ゲームのNiantic、今後は位置情報コンピューティング事業を発展
Nianticは『ポケモンGO』のほか『モンスターハンターNow』『ピクミンブルーム』『Ingress』などの開発で知られる企業。
Nianticは今回の事業売却に関して「Niantic の次なる展開」と題したブログを公開している(外部リンク)。
それによれば、会社の成長にともない、現実世界を舞台にした位置情報ゲームをつくり続ける選択肢と、ARや位置情報コンピューティング事業を発展させる選択肢が浮上。Nianticは後者を選び、ゲーム事業を売却するに至ったと経緯を明かしている。
Nianticは今後、新会社「Niantic Spatial Inc.」を設立し、人間や機械が物理的な現実世界を理解し、その情報を便利に使える仕組みをつくると説明。
Scopely側も、事業が移管されてからも引き続き『Pokémon GO』『ピクミンブルーム』『モンスターハンターNow』などの運営を行っていくと発表している。
売却先はゲーム分野で存在感を強めるサウジアラビア系企業
ゲーム事業を購入したScopelyは、デジタルボードゲーム『MONOPOLY GO!』などを手がける企業。
2023年にサウジアラビアのゲーム企業・Savvy Games Groupによって買収。Savvy Games Group自体も、同国の政府系ファンド・Public Investment Fundが所有する企業として知られている。
Public Investment Fundは2022年、任天堂の株式を買収したことでも注目を集めた。
サウジアラビアでは近年、石油依存からの脱却を目指し、国を挙げてエンターテインメント分野に投資を続けており、ゲーム業界でもその存在感を強めている。

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