特別編「ミュウツー! 我ハココニ在リ」(全3話)
劇場版の名作『ミュウツーの逆襲』の続編となるTVアニメ特別編です。
様々なポケモンたちが住む秘境・ピュアズロックに隠れ潜んでいたミュウツーと仲間のコピーポケモンたちが、サトシ一行と邂逅します(サトシたちは劇場版の記憶をミュウツーに消された状態)。
主にサトシ一行と、サカキの組織したロケット団の精鋭たちがミュウツーを巡って激突。ミュウツーたちも加わって、秘境を舞台に三つ巴の戦いが繰り広げられます(ロケット団のムサシ、コジロウ、ニャースもしっかり活躍します)。
人工的に創り出されたミュウツーの「自分は誰なのか」というアイデンティティの問いや迷い、ミュウツーが生み出したコピーポケモンたちの存在理由が再び大きなテーマとなります。そしてミュウツーは、最後に「私は少なくとも、この星に生きていい生き物だ!」という力強い回答を導き出します。
サカキのエゴによりピュアズロックの豊かな自然が侵されていく描写も多々あり、環境汚染への問題提起的メッセージも感じます。全体的にシリアスな内容になっているのが特徴です。
金銀編154話「ライバルたいけつ! カメックスVSリザードン!!」
旅をしてきたジョウト地方のリーグ戦・シロガネ大会で、永遠のライバル・シゲルと戦うことになったサトシ。互いにリスペクトを贈り合いながら戦うサトシとシゲルの白熱する攻防、その内に2人の友情が垣間見える名エピソードです。
これまでシゲルに一度もポケモンバトルで勝ったことのないサトシは、リザードン以外の手持ちポケモンが戦闘不能に。対してシゲルはエースのカメックスを筆頭にハッサム、ゴローニャを残す圧倒的に優位な状況。
しかし、リザフィックバレーでの武者修行で大きく成長したリザードンはハッサムを一蹴。相性の悪いゴローニャも苦戦の末にりゅうのいかりで粉砕します。
カメックスとのラストバトルは、バトルフィールドをかえんほうしゃで焼き尽くすという奇策でカメックスの隙をつくったサトシの作戦にリザードンが見事に応え、ちきゅうなげでフィニッシュ。はじめてシゲルから勝利を勝ち取ります。
激戦を終えて夜、シゲルはサトシを呼び出し、大会の優勝を願ってエールを贈るのでした。前話から2話にまたがって描かれた手に汗握る名勝負もさることながら、シゲルがついにサトシを認めたエピソードとしても思い出深いです。
金銀編157話「サヨナラ…そして、たびだち!」
ジョウトリーグ・シロガネ大会をベスト8で終えたサトシ。マサラタウンへ帰る道行きでトキワタウンへ寄ることになるのですが、カスミが姉たちからハナダジムのジムリーダーを託されることになり、急遽故郷のハナダシティへ帰らなければならなくなります。
戸惑うカスミですが、サトシのあっけらかんとした態度を見て不満げな顔。そのまま喧嘩別れになるかと思いきや、シリアスをぶっ壊すことに定評のあるロケット団が登場して事態が一変します。ありがとう、ロケット団!
カスミとの別れの直前には、タケシも故郷のニビシティに一度戻らなければならないと切り出し、3人の旅が終わりを告げるのです。旅の仲間として、どんな時も支え合ってきた3人が別々の道へ歩みだすシーンは涙なしに観れません。
後半ではシゲルとの再会と、サトシの新しい旅立ちも描かれます(ホウオウも出てくる)。
およそ5年半に渡って放送された第1作『ポケットモンスター』の実質的最終回であり、次作『ポケットモンスター アドバンスジェネレーション』に繋がる、はじまりのエピソードです(最終話は次エピソードの金銀編158話なのですが、次作への導入という意味合いが強い)。
終わりに──「ダイマックス」の発想はここから? オリジナル設定が興味深い73話
上記のエピソード以外にも、サトシがピカチュウとの別れを覚悟した38話「ピカチュウのもり」や、リザードンがついにサトシを主として認めるオレンジ諸島編の25話「リザードン! きみにきめた!」も印象的です。
サトシが卵から孵したヨーギラス(めちゃくちゃかわいい)と別れた金銀編148話「バンギラスとヨーギラス!」も良い!
その他にもたくさんの忘れられない話があるのですが、今回は厳選に厳選を重ねて11つを選ばせていただきました。
でも、最後に一つだけ。
アニポケオリジナルの設定ながら、後のゲーム『ポケットモンスター ソード・シールド』で初登場した、ポケモンが巨大化する現象・ダイマックスを彷彿とさせる73話「げきとつ! ちょうこだいポケモン」を語らせてください。
この73話は、超古代文明・ポケモニア(ポケモンを超自然の存在として崇めていた都市の文明。一夜で滅んだとされる)の遺跡を発掘する研究者のチームとサトシたちが出会う話です。
ひょんなことから文明の謎を紐解く鍵になる謎のアイテムをサトシたちが手に入れたことで、ポケモニアを滅ぼしたとされる、超巨大なフーディンとゲンガーが復活。暴走する2体の戦いをなんとか止めようと、必死の抵抗を試みます。
規格外に大きく、不気味な模様が身体に刻まれたフーディンとゲンガーの存在感は強烈です。後にゲームで登場する「ダイマックス」を彷彿とさせます。
また、モンスターボールの起源がオーパーツである可能性が語られるなど、アニメオリジナルの設定ながら色々と気になる要素が満載で、ロマンがあります。よければこちらも視聴してみてください。
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