カードオタクだからできる、愛のある批判
重要なのがただディスっているのではなく、描写に愛があることです。
カードゲーマーへの皮肉がそこかしこに込められてはいるのですが、決して貶めるための非難ではなく、コメディの範疇に収められています。
例えば、服を見て「ただの布なのに高くない!?」と驚くキャラクターを通し、カードも極論ただの紙であることへの皮肉を効かせたり。たびたび「カードゲームに出会わなければもっと楽しい人生が送れていたのでは?」と悟りを開かせたり。
自虐も交えて、カードゲーマーの貶されがちな悪癖を笑いに変えています。バランス感覚が絶妙(もしかしたら刺さりすぎて泣いちゃった人もいるかもしれませんが……)。
これはカードオタクを自称する原作者・文月いつかさんが、TCG界隈の雰囲気を熟知しているからこそ成せるのだと思います。
そんなこんなで、世間じゃ通用しないTCG界隈の常識やカードゲーマーの特殊な生態を、愛を込めてバッタバッタと切り倒していく作風が、当のカードゲーマーの間で話題になっているのです。
余談ですが、文月いつかさんは、『かみあそび!』のオリジナルTCG『アルバサ』のルールをかなり細かく設定しており、noteで詳しく解説されています。かなりガチなので一読すべきです(外部リンク)。
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テーマは「漫画を通して社会を知る」。 国内外の情勢、突発的なバズ、アニメ化・ドラマ化、周年記念……。 年間で数百タイトルの漫画を読む筆者が、時事とリンクする作品を新作・旧作問わず取り上げ、"いま読むべき漫画"や"いま改めて読むと面白い漫画"を紹介します。
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