初音ミクのイベント「初音ミク POP UP SHOP ~はんなり京都 2024~」のコラボイラストに類似性が指摘されたとして、発注元である株式会社クラックスが9月21日に謝罪を表明した。
同社はイラスト制作の指示書に、イラストレーター・花月さんのイラストを無断で使用したことが原因だと説明。
経緯の詳細や今後の対応については、改めて公式サイトで発表するとしている。
別のイラストレーターの服飾デザインとの類似性が指摘され物議に
類似性が指摘されたのは、『まんがタイムきらら』(芳文社)で漫画『好都合セミフレンド』を連載しているイラストレーター/漫画家の千種みのりさんが手がけたイラスト。
このイラストに描かれている服飾のデザインが、イラストレーター/デザイナーの花月さんが手がける「現代創作和服」シリーズを参考にしているのではないか、という指摘が9月20日、花月さんのもとに報告されていた。
それに対し、花月さんは「わたしは一切関与していない」「現在関係者の方と連絡をとって確認中です」と反応(外部リンク)。
花月さんは自身のイラスト・デザインについて「金銭の絡む商用利用」を禁止しており、イラストコミュニティで物議を醸すこととなった。
特設サイトはイラストを差し替え
「初音ミク POP UP SHOP ~はんなり京都 2024~」では、京都周遊のスタンプラリー企画を、10月8日(火)から10月31日(木)まで開催。
メイン催事(※詳細不明)を、京都髙島屋S.C.の7階催事場で10月8日(火)から10月14日(月)まで実施する予定だった。
なお、9月21日の執筆時点で、ポップアップストアの特設サイトはイラストが差し替えられている。
クラックスはXにて、「弊社の不手際にて花月様をはじめ、関係者の皆様、ファンの皆様には大変ご迷惑をお掛けいたしまして申し訳ございません」と謝罪を表明している。
なお、本騒動に際しSNS上では、千種みのりさんが花月さんのイラストをトレースしたのではないかという真偽不明の情報も飛び交っているが、現時点でのクラックスの発表はそのようなものではない。
著作権侵害の判断基準は?
日本において、著作物を保護するための権利である著作権は、「アイデア」ではなく具体的な「表現」を保護するものとされている。
著作権侵害については、裁判において「依拠性」「類似性」の2つを満たしているかで判断される。
後者の類似性については、2つの表現を比較したとき「表現上の本質的な特徴」が類似しているかが争点になる。また、表現の選択の幅や「ありふれた表現ではないか(創作性があるか)」なども考慮される。
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