日本テレビ系の夏の大型音楽特番「THE MUSIC DAY 2024」が7月6日に放送。アイドル/ダンス&ボーカルグループのラップ担当による「世界的ラップソングトリビュートコラボメドレー」が披露された。
本企画には“CrazyBoy”ことELLYさん(三代目 J SOUL BROTHERS)、田中樹さん(SixTONES)、RYOKIさん(BE:FIRST)、MAYUKAさん、RIMAさん(NiziU)の5名が参加。
そしてサプライズとして、本番組の総合司会をつとめる嵐の櫻井翔さんもメドレーに登場。ピアノの演奏と久しぶりのラップを披露した。
櫻井翔の前奏で幕を明けた、エミネム「Lose Yourself」のカバー
櫻井翔さんがピアノでイントロを演奏し、幕を開けた「世界的ラップソングトリビュートコラボメドレー」。
カバーしたのはエミネム(Eminem)さんの名曲「Lose Yourself」だ。
エミネムさんは、黒人文化(ブラック・カルチャー)であるヒップホップにおいて、白人としてはじめて成功を収めたラッパーとして知られている。
白人貧困層の青年が、黒人優位だったMCバトル/ヒップホップ界から成り上がっていく──そんなエミネムさんの半生を描いた半自叙伝的映画『8 Mile』の主題歌が「Lose Yourself」である。
エミネムさんは、新たな道を切り拓いたという意味で、ヒップホップにおける開拓者(パイオニア)的存在のひとりである。
そしてそれは、櫻井翔さんも同じだ。
次世代のラップ担当に贈る、力強いメッセージ
現代のアイドル/ダンス&ボーカルグループにおいて、ラップ担当のメンバーがいることは、最早珍しいことではない。
昨今のBTS、SEVENTEEN、Stray Kidsなど世界的に人気なK-POPグループの活躍を鑑みると、ヒップホップ/ラップを楽曲に取り入れるのは、アイドル/ダンス&ボーカルグループのグローバル・スタンダードであると言っても過言ではない。
しかし、少なくとも日本国内において、かつてはそうではなかった。比較的新しいアメリカ文化であるヒップホップが、日本の音楽シーンにおいて、市民権を得ていなかった時代があった。
また、アンダーグラウンドなラッパーこそが“リアル”であり、アイドルやメジャーシーンのアーティストによるラップは“フェイク”だと揶揄される時代もあった(それは現代においても少なからずそうかもしれない)。
そういった逆境の最中、櫻井翔さんや田中樹さんの兄である元・KAT-TUNの田中聖さん、現在BMSGの代表取締役CEOをつとめるSKY-HIこと日高光啓さん──彼らのようなアイドル・ラッパーの先達たちが、その道を切り拓いてきた。
今、ヒップホップは世界的に有力なポップミュージックの一つとなっている。
今回の櫻井翔さんによる前奏の演奏は、次世代の“ラップ担当”へのメッセージだったということに他ならない。
開拓者から次世代へ──アイドルのヒップホップ/ラップがどんなものか見せてやれ、と。
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