“ひろがるホロライブ”の音楽性──DECO*27監修「holo*27」ライブレポ

可愛いとクールの二刀流・沙花叉クロヱ

以降は、DECO*27さんのオリジナル版「ゾンビ」にコーラスとして参加したホロライブインドネシアクレイジー・オリーさんが同曲のメインボーカルを担当。同じくホロライブIDの中でも高い歌唱力を持つメンバーのひとりであるムーナ・ホシノヴァ(Moona Hoshinova)さんによる「乙女解剖」のカバーにも、キレのあるセクシーなダンスと高い歌唱力に歓声が上がった。

沙花叉クロヱさんの「P.E.T.」

続いて登場した沙花叉クロヱさんは、普段から「可愛い」と「クール」の2つの歌声を使い分けることで知られるメンバー。holo*27オリジナル曲の「P.E.T.」は、音数を絞ったモダンなロック・テイストのEDMに合わせて歌いながらグラデーションするように声色が変わる、沙花叉クロヱさんならではの楽曲になっている。この日のライブでも、どこか舌足らずな可愛い歌声が、みるみるうちに表情を変えていく様子に観客が息を呑んだ。

紫咲シオンさん&ラプラス・ダークネスさんの「リップシンク」

一方、ホロライブの悪童コンビとしてお馴染みの紫咲シオンさんとラプラス・ダークネスさんによる「リップシンク」では、トラップやドラムンベース、ジャングルといったストリート生まれの音楽性を、息ぴったりのラップやツインボーカル、ダンスで披露。

そして猫又おかゆさんの「エンドロール」は、しっとりしたラップからはじまり後半一気にスピード感が加速する構成の楽曲。普段の配信ではまったりとした癒やしボイスで人気を集める、猫又おかゆさんのまた別の魅力を伝えてくれる。

極限まで“声”で魅せたホロライブの歌姫・星街すいせい

天音かなたさんの「ヒル」

終盤は一見クール系に見えつつも、実はキュートさが最大の魅力でもある不知火フレアさんによる「妄想感傷代償連盟」を経て、ボカロ的な早口パートまで完璧に歌いこなし会場のボルテージを一気に上げた天音かなたさんによるギターロック「ヒル」と、ロック・ナンバーが連続して会場のボルテージはいよいよ最高潮に。

声質とのギャップで魅せたアイラニ・イオフィフティーン(Airani Iofifteen)さんによる「モザイクロール(Reloaded) 」、キレのあるダンスや歌が印象的な小鳥遊キアラさんとふわっとした癒し系ボイスの七詩ムメイさんがタッグを組んだ「ゴーストルール」、得意のスキルフルなラップではなくハスキーでパワフルな歌で勝負した森カリオペさんの「ヒバナ (Reloaded) 」が次々に披露され、観客の手拍子や歓声がどんどん大きくなっていく。

星街すいせいさんの「プラネタリウム」

そして『holo*27 Originals Vol.1』と『holo*27 Covers Vol.1』2つのアルバムのラストを飾る2曲のパフォーマンス。まずは星街すいせいさんが登場し、『holo*27 Originals Vol.1』のラスト曲「プラネタリウム」を披露する。この楽曲は多重録音したコーラスを使ったほぼ星街すいせいさんの歌声のみで構成された楽曲で、照明も星街すいせいさんを照らすスポットライト一本だけ。会場全体が星空に囲まれたプラネタリウムのような景色になり、星街さんがステージ中央でただ歌うという、極限まで「声」に焦点を当てた演出で会場を盛り上げた。

ときのそら「5年と言わず、10年、15年と、ずっと」

ときのそらさん「これから先、5年と言わず、10年、15年と、ずっとずっと一緒にいてくれますか?」

そして最後は “ホロライブのはじまり”でもあるときのそらさんが登場。MCでグループのこれまでを振り返り、「これから先、5年と言わず、10年、15年と、ずっとずっと一緒にいてくれますか?」「私達ホロライブプロダクションを、これからもどうぞよろしくお願いします!」と伝えると、『holo*27 Covers Vol.1』のラスト曲「愛言葉Ⅳ」をパフォーマンス。会場いっぱいにシャボン玉が飛び、観客も一体となったコールでライブを盛り上げた。

もともと「愛言葉」シリーズは、DECO*27さんが自身の活動にかかわってくれる多くの人々への感謝の気持ちを込めて制作した楽曲シリーズとして知られている。また、楽曲内にはDECO*27さんの楽曲の様々な歌詞が引用され、これまでの歴史が走馬灯のように蘇るような構成になっていることも特徴的だ。そんな「愛言葉Ⅳ」をときのそらさんが歌うことで、ホロライブのこれまでに思いを馳せるだけでなく、ライブの最後にこの日のステージの思い出も次々に浮かんでくるような、不思議な余韻が生まれていたのが印象的だった。 ホロライブのメンバーはタレントであると同時に、それぞれが自身の活動をセルフプロデュースするクリエイターでもある。そのため、普段のオリジナル曲にはメンバーそれぞれの想いやアイディアが色濃く反映されている。そんなグループだからこそ、普段とは違った角度からメンバーの魅力が引き出されていくholo*27は、ホロライブを知るための新たな入口になることだろう。

同時に、holo*27のオリジナル曲はこれまでDECO*27さんの楽曲ではなかなか聴くことができなかったジャンルの楽曲も多く、ホロライブとDECO*27さんの双方にとって新しい挑戦になっていることも伝わってくる。「hololive 4th fes. Our Bright Parade Supported By Bushiroad」の公演タグ「#ひろがるホロライブ」のひとつの形として、ホロライブの音楽性のさらなる広がりを伝えてくれるようなステージだった。

【写真75枚】“ひろがるホロライブ”の音楽性「holo*27 stage」 ©️ 2016 COVER Corp.





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