これが現代の月9ドラマ？ アニメ動画「ちるふぃるむ」が尊すぎてヤバすぎる

シティポップがリバイバルブームを起こし、平成カルチャーがY2Kとして注目される今、かつて一世を風靡した“あの”カルチャーの雰囲気を携えたアニメ動画がバズっているのを知っていますか？

そのカルチャーとは、「月9ドラマ」！

かつて、都会の男女の恋愛を描き「トレンディドラマ」などの潮流をつくり出したフジテレビの月曜9時からのドラマ枠。

その雰囲気が感じられる、現代の男女の恋愛模様をアニメで描く「ちるふぃるむ〜猫と幼馴染の同居生活〜」を紹介します。

幼馴染2人のシェアハウスと恋愛を描く「ちるふぃるむ」

「ちるふぃるむ」は、幼馴染のりつくんとうたちゃんの2人を中心に、彼らの日常や恋愛を描く作品。

2021年11月からYouTubeやTikTokに投稿を開始。現在YouTubeのチャンネル登録者数は48万人、TikTokでは55万人以上のフォロワーを獲得しています。

元々仲が良く、お互いの家にもよく寝泊まりしていた2人は、ある日捨て猫を拾ったことから同居することに。 その後、バズっているレシピを一緒につくってみたり、筋トレをしたりといった日常を送りつつ、徐々に2人の過去の恋人や新たな出会いが描かれていきます。

それぞれが出会いや別れを経験していくんですが、それはそうと「やっぱりこの2人の距離感近すぎない？？？」といい意味で悶えさせてくれます。恋人ではないからこそ心を許し合っている2人の関係は、この作品の魅力の一つです。

ちなみに、冒頭で紹介した「トレンディドラマ」は都会の最先端を生きる男女の恋愛を描いたジャンル。「ちるふぃるむ」でも、りつ・うたの2人が実際にある話題のドラマをNetflixで見ていたり、ふとした時に「Breaking Down」のネタを出してきたりと、本当に今の若者なんだなということが随所から伝わってきます。

初恋の人の登場や記憶喪失、ドラマも巻き起こる

「ちるふぃるむ」では、ゆるい日常だけではなく、メインキャラクターが事故に遭ってしまったり、記憶喪失になったり、幼少期に家族との別離を経験していたりと、様々なドラマが展開されます。

2023年からは、りつくんとその親友・さくとの高校時代の先輩にして、さくとの初恋の相手である篠宮にスポットライトがあたった「冬の奇跡編」がスタート。 さくとと思いを通わせながらも、結局は付き合うことがないまま、高校卒業を機に留学してしまった篠宮。しかし、2人の運命は再び交錯し、それぞれ状況も変わり、様々な出会いを経た今、想いのたけをぶつけ合っています。

「冬の奇跡編」に突入して以降はさらに盛り上がっており、最新話が投稿されるとYouTubeの急上昇入りしていることも多いです。

漫画動画が早くも1周回ったブームに？

「ちるふぃるむ」のような、簡単な動きをつけたイラストに声を当てた形式の動画はかつて「漫画動画」と呼ばれは、2019年ごろに「ヒューマンバグ大学」や「フェルミ研究所」の登場で一大ブームとなりました。

その頃は、「OOの実態」「地獄の人生」といった過激なタイトルや内容で注目を集めていましたが、近年ではそういった過激なタイトルで様々なことを紹介する形式の動画は「ゆっくり解説」へとトレンドが移っていました。

一方、漫画動画（アニメ動画）ではシティポップのリバイバルブームを受けて、シティポップ的な絵柄を使ったアニメ形式のコントチャンネル「マリマリマリー」が登録者数100万人を突破したりと、新たな潮流が生まれつつあります。

その他、以前の漫画動画ブームのようなテイストを残しながらポップなコンテンツをつくっている「ブラックチャンネル」はなんと『月刊コロコロコミック』に連載されている漫画発のチャンネルだったりと、その裾野は広がっています。 また、中国では縦スクロール型の漫画・Webtoonのバリエーションとして、漫画自体が簡単なアニメのように動く「漫劇」という形式でのプロモーションが活発に（外部リンク）。

Y2Kを通り越して、数年前の流行りが早くも1週回ってきてしまっているのかもしれません。