苦手だったトーク、ラジオの内容に納得できずに泣いた日も
──桂正和さんのほかに、特に印象に残っているゲストの方はいらっしゃいますか?伊織もえ 例えばラーメンYouTuberのSUSURUさん。放送後の深夜0時過ぎに、スタッフさん含めみんなそれぞれにラーメンを食べたみたいなんですよ。このときは、みんなラジオに遊びに来てくださった方の影響を受けているんだなって思いました。
あとは北欧のことが本当に好きなchikaさん(週末北欧部chika)。私はchikaさんのことがすごく好きで、もう私利私欲でお呼びしました。それからお野菜で花束をつくったりしているフラワーショップの加藤花飾堂さんも。ゲストに来てくれたご縁で、個人的に花冠や花束を依頼しています。
──個人的には煩悩ヲタクの稲田ズイキさんが印象に残っています。
伊織もえ あ〜稲田ズイキさん! 最後にお経を唱えてもらった気がする(笑)。
──ライターや編集としても活動されていた時期に何度かお話したことがあったので、伊織さんのラジオに出るなんてと驚いて記事にしました。
伊織もえ ありがとうございます(笑)。本当にいろいろな方に来ていただけてありがたいです。 ──先日「ラジオを通じて自分の声が好きになった」と話されていましたが、ゲストとの交流などを含めて、ラジオによる自分自身の変化や発見などはありますか?
伊織もえ トーク力が少しは上がったかな? とは思います。こういうインタビューみたいに、人に話を聞いてもらったり、自分で聞いたりするのがすごく苦手だったんです。コミュ障だから、学校で先生に教科書読んでって言われてもなかなか読めなかったタイプでした。
もともと話すことへの苦手意識がめちゃくちゃあって、コスプレしてるときにインタビューされることも多かったんですけど、なんにも答えられなくてひたすら床を見ていたこともありました(笑)。
だから、昔はトークの仕事に対してすごく抵抗があったんです。『もえちゅ』でも、始めた当初は上手くしゃべれなくて、下の駐車場でひっそり泣いたこともあります……。 ──そうなんですか。『もえちゅ』では普通に話されていると思ってましたが。
伊織もえ ラジオはメディアとして歴史が長い分、ノウハウが蓄積されているので、関連する本もいっぱいあるんです。それらを読み漁ったり、ラジオパーソナリティーの方のインタビュー記事を読んだりして勉強しています。
あとは女の子、それこそずっとラジオを続けてるの方のラジオを聞いて回ってました。自分がラジオをやる上でどう振る舞うべきなのか、何を強み(魅力)にするのか、最初の頃はそういったイメージが湧かなかったので、いろいろな方のラジオを聞いて研究しました。
「え、ラジオやってたんだ!っていまだに言われる」
──伊織もえさんはYouTubeでの配信も活発ですが、ラジオとYouTubeで、意識の違いはありますか?伊織もえ 明確に違うのはしゃべり方です。YouTubeでのゲーム配信は、友達とのおしゃべりみたいなイメージですけど、ラジオはゲストとの対話なので、きちんと敬意を持って話すように心がけています。距離感が近すぎると友達同士の話を流すラジオになっちゃうので。
ラジオで「この間行ったさあ……」のような内輪向けの話をすると、初めて聴きに来てくれたリスナーが置いていかれちゃいますよね。YouTubeはリアルタイムで画面上にコメントが出るので、内輪向けのトークもある程度反応を補足して、トークの方向性をその場で考えられるけど、ラジオでは難しい。
──YouTubeの方がリスナーとの距離感は近くなりますよね。
伊織もえ そうですね。ラジオはメールを送ってもらって読んで、という交流ができるんですけど、YouTubeはコメントがすぐに読まれるので、レスポンスはYouTubeの方が早いし、私の顔も見えるし……。
ラジオでもファンの人ともっと交流したいので、そこは課題かなって思います。ハッシュタグ付きのツイートに「いいね」するとか、私が遠い存在と思われないようにいろいろ考えてます。 ──SNSという意味では、以前に普段TwitterやInstagramで伊織もえさんを見ているファンに、ラジオを聞いてもらうための試行錯誤をしていると話されていました。
伊織もえ まずは知ってもらうことが重要なので。「え、ラジオやってたんだ!」っていまだに言われることもあるんですよ。2年間毎週放送していても、まだまだ知らない人は多いということです。
ラジオを聞くファンと、SNSを見てるファンって、もちろん重なる部分もあるけど、層が違う部分もあるんだろうなって。だからラジオを広めるためには、私を知らない人にもファンになってもらわないといけないと感じています。
──TwitterやInstagramとラジオとでは、メディアの性質が全く違いますよね。SNSはどんどん情報が流れていくけど、ラジオは自分から聞きにいかなきゃいけないですから。
伊織もえ SNSは流し見されるので、何度も同じことをツイートして初めて伝わるぐらいの気持ちで使ってます。それこそトレンド入りするぐらいじゃないと、ファンも意外と気づかないことも多いのかなって思います。 ──ラジオを通じて新しく伊織もえのファンになってもらうために意識されていることはありますか?
伊織もえ やっぱりトークですね。30分という限られた時間で、いかにゲストの面白さをきちんと引き出せるかなので。
コスプレ・グラビア・YouTube配信だったら、自分さえかわいければ、キャラクターを表現できていれば、きれいに映っていればOKなところ、ラジオは初対面の人と30分間突然話して、その人のお話をきちんと引き出すことが大切だと思っています。滑舌よくしゃべっていればいいってわけでもない。
私がまったく知らないジャンルの方がゲストのときは「どういうことを聞けばその人のことを引き出せるか」みたいなことを考えたり、逆に自分のことを話すときは、ファン以外の人にも伝わるように意識したり。
──ファン以外の人にも伝わるようにというのは、具体的にはどういったことですか?
伊織もえ たとえば、この場で「コミケが〜」という話をした場合、私たちの間であれば通じますよね。「コミックマーケット」は私自身も参加しているし、KAI-YOUさんも取材されているから。
でも、『もえちゅ』を初めて聞く人には、「コミケ」だけではわからない人もいると思います。だからそういった話をするときは、きちんとコミケがどういうものなのか説明するようにしています。
それまでの活動とはまったく別の感覚というか、ラジオは意識することが全然違うんですよね。
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2件のコメント
匿名ハッコウくん(ID:6186)
伊織もえさんのラジオへの想い考えかたを知れて嬉しかったです。
普段の楽しいラジオ放送中の裏ではもの凄い真剣な気持ちと相手への敬意があったんですね。
今回のインタビュー。本当にありがとうございました。
CKS
編集長デレついてんじゃねーか!