連載 | #95 渋谷万歳

渋谷TOEI、12月4日で閉館 69年の歴史にピリオド「経営的な判断」

渋谷TOEI、12月4日で閉館 69年の歴史にピリオド「経営的な判断」
渋谷TOEI、12月4日で閉館 69年の歴史にピリオド「経営的な判断」

12月4日(日)をもって閉館が決まった渋谷TOEI

映画配給大手の東映が運営する東京・渋谷にある映画館・渋谷TOEIが、2022年12月4日(日)をもって営業を終了して閉館する。

渋谷TOEIは1953年11月18日、渋谷・宮益坂下の地に渋谷東映・渋谷東映地下として新築開業。以来、69年にわたって親しまれた歴史にピリオドを打つ。

東映は閉館の理由について、KAI-YOU.netの取材に対し「経営的な判断による閉館」と説明。渋谷TOEIがあったスペースの今後については「未定」と答えた。

東映は発表で「長きに亘り、渋谷TOEI①・渋谷TOEI②をご愛顧頂き誠に有難うございました」と感謝をコメントしている。

1953年開館の東映直営の劇場・渋谷TOEI

渋谷TOEIは、東映の直営劇場として1953年にオープン。宮益坂下の交差点にある渋谷東映プラザの7階・9階に、2つのスクリーンが設けられ、渋谷TOEI1は270席(車椅子スペース2)、渋谷TOEI 2は189席(車椅子スペース2)を有している。

渋谷を象徴する施設のひとつであり、2012年4月開業の渋谷ヒカリエ、2019年11月の渋谷スクランブルスクエアと、近隣の再開発を見守りながら長年親しまれてきた。

その歴史は、東映本社も入る東京・銀座の丸の内TOEI(1960年開館)をも上回り、東映初の総天然色(カラー)作品とされる1953年の映画『日輪』(外部リンク)が第1弾作品として上映された。

以降、1960年代の『日本侠客伝』をはじめとした任侠映画、1973年『仁義なき戦い』のヒットから始まる実録シリーズ、さらに特撮やアニメの躍進など、東映の歴史と共にあった劇場でもある。

なお東映の映画館事業は、渋谷と丸の内の直営劇場と、グループ会社であるティ・ジョイが運営するシネマコンプレックス(共同経営含む)を中心に展開されており、現時点で214スクリーン体制で運営されている(外部リンク)。

余談だが、東映は10月8日、2022年1月1日から9月30日までの年間興行収入が220億4645万3934円を記録。2009年の179億8025万4340円を上回り、2022年の年間興行収入が同社歴代第1位の成績を収めることを発表している(外部リンク)。

渋谷TOEI①・渋谷TOEI②の変遷

1953年11月18日:「渋谷東映」「渋谷東映地下」として新築開業

1963年9月1日:「渋谷東映地下」を「渋谷東映パラス」に改称

1966年7月1日:「渋谷東映パラス」を「渋谷松竹」に改称して東映経営下で松竹邦画系番組上映

1990年9月14日:再開発の為「渋谷東映」「渋谷松竹」閉館

1993年2月20日:渋谷東映プラザが開業し、「渋谷東映」「渋谷エルミタージュ」として新規オープン

2004年10月15日:「渋谷TOEI①」「渋谷TOEI②」に館名変更

この記事どう思う?

この記事どう思う?

東映の関連作品

施設情報

渋谷TOEI

所在地
東京都渋谷区渋谷1-24-12渋谷東映プラザ7階・9階
座席数
270席・189席

関連キーフレーズ

連載

渋谷万歳

日本が世界に誇るべき最高のポップシティ、渋谷。 あらゆるカルチャーと人種が集まるこの街で、毎日のように繰り広げられるパーティー、愛のはじまり、夢の終わり、高揚感と喧噪、その捉えがたきポップの断片をかき集める人気連続企画。 2010年代は渋谷から発信されていく、と思う。

0件のコメント

※非ログインユーザーのコメントは編集部の承認を経て掲載されます。

※コメントの投稿前には利用規約の確認をお願いします。