Z世代の3割「CDを買ったことがない」アイドルが支えるガラパゴスな音楽市場

Z世代の3割「CDを買ったことがない」アイドルが支えるガラパゴスな音楽市場
Z世代の3割「CDを買ったことがない」アイドルが支えるガラパゴスな音楽市場

Photo by Brett Jordan on Unsplash

ITツール比較サイト・STRATE(ストラテ)が、日本全国の15歳から24歳までの男女300人にCDに関するアンケート調査を実施。

フィジカルの音楽CD(ダウンロードを除く)を購入したことがあるか質問を行ったところ、3割から「買ったことがない」という回答が得られた

Z世代の3割は「CDを買ったことがない」

10代、及び20代前半男女の3割がCDを買ったことがないと回答

Z世代(一般的に1990年半ば〜2010年代初頭に生まれた世代)が対象となった今回のアンケート。

「買ったことがない」と答えた割合は32%であり、最も多かった回答「店舗で買ったことがある」の33%に次いでいる。「店舗・ネット両方である」が26%、「ネットで買ったことがある」が9%でそれらに続く。

また、ネットでCDを買ったことがある回答者を年代別でみると10代が12%、20代前半が6%という結果に。さらに、店舗でCDを買ったことがある回答者を男女別でみると、男性が40%、女性が26%という結果になった。

【画像】Z世代の3割はCDを購入したことがない(3枚)

【調査概要】
対象者:全国の15歳〜24歳の男女
サンプル数:300人
居住地:宮城県,東京都,愛知県,大阪府,福岡県
調査方法:ネットリサーチ
アンケート実施日:2022年8月16日
調査メディア: STRATE[ストラテ](外部リンク

世界2位の音楽市場を持つ日本

実は日本はアメリカに次いで世界2位という音楽市場を持つ、音楽大国となっている。

その要因としてYouTube、TikTok、ニコニコ動画などの動画プラットフォームやSpotify、LINE MUSIC、‎Apple Musicといった定額制の音楽配信サービスが普及しつつある今もなお、CDの売り上げがその地位を支えていることが挙げられる。

日本レコード協会の発表によれば、2021年の日本の音楽市場において、CDやレコード含むオーディオレコードの売上は約1279億9200万円、ストリーミングを含む音楽配信の売上は895億3800万円となった。

2021年、世界全体でストリーミングによる市場シェア率が65%になったのと比較して、日本ではフィジカルCDの売上がいまなおストリーミングを上回っており、ストリーミングによる収益性は日本全体の音楽市場の50%以下というシェア率となっている。

一部のアイドルに支えられるCD文化

そのような状況がある中で、オリコンが発表した2021年度のシングルセールスランキングの上位を見ると、Snow Manなにわ男子King & Princeジャニーズや、乃木坂46日向坂46といった坂道シリーズ、INIなどK-POP系アーティストたちの名前が数多く並ぶ(外部リンク)。

これらアイドルの音楽CD販売においては、初回限定盤や通常盤などリリース形態によって楽曲の収録内容が異なったり、特典がつけられたりするなど、CDの複数枚購入を促すいわゆる「複数枚商法」が長らく常態化している。

その是非はともかくとして、オリコンのセールスランキングは一部ファンの複数購入によってつくられた結果とも言えなくもない。

言い換えれば、日本のガラパゴスなCD文化、そして日本音楽市場は、一部の熱狂的なファンによる複数枚購入によって支えられている。「CDを買ったことがない」Z世代が3割を占めているという今回のアンケート調査の結果が、それを裏付けている。

※記事初出時、一部に誤りがございました。お詫びして訂正いたします。



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2件のコメント

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Wsword1126

都築 陵佑

この度はコメントのご投稿ありがとうございます。KAI-YOU編集部の都築と申します。

ご指摘いただいた件につきまして失礼いたしました。
先ほど画像の差し替え対応をいたしました。

こちらの不手際によりご迷惑をおかけいたしましたことお詫び申し上げます。
今後ともKAI-YOU.netを、何卒よろしくお願いいたします。

匿名ハッコウくん

匿名ハッコウくん(ID:5863)

使用されている画像はCDではなくハードディスクですね
訂正したほうがいいとおもいます