10年間を走り抜けた大往生、プロデューサーたちの率直な意見
コミケに訪れたプロデューサーに『モバマス』終了について聞いたところ、最も多く登場した単語が「大往生」だった。自身のサークルスペースで「アイドルマスター」シリーズの同人誌を頒布していた男性(30代)は「一言で言うなら、感謝」と端的に表現。「ビジネスだから、時が来たら終わるという判断は正しいと思う。それでも『モバマス』があったから、この10年間、2次創作が楽しかった。本当にありがたいですね、大往生ですよ」と振り返った。
他のサークルで登場するアイドル・塩見周子の本を頒布していた女性は「寂しいんですけど、10年前のゲームだし、今の時代には追いつけなかった部分もあると思います。それでも、大往生だったんじゃないでしょうか」と終了に理解を示す。
もう1人の女性は「エリアボス(※)として登場したときからの周子担当だったので、やっぱり、残念というのが一番大きいです」と率直に寂しさを口にした。
※『モバマス』では、プロデューサーとなり、自分が担当するアイドルと共に日本各地でお仕事を行い、その地域のアイドルたちと人気を競っていく。ゲーム内における新たなエリアに合わせて、その地域を出身とする新アイドルが登場していった。
2015年のテレビアニメから『モバマス』をプレイし始めたという男性(20代)は、タイトルとの出会いからこれまでを感慨深げに語った。「高校生のときにアニメが始まって、そこから城ヶ崎美嘉ちゃんや北条加蓮ちゃんを好きになって、ライブにも行くようになって。そうして10年近く楽しんでいたコンテンツがこうして大往生を迎えるのは感慨深いです。寂しいですが、お疲れ様でしたって言いたいですね」と、自身の『モバマス』との出会いを振り返った。
「大ダメージです」感謝しつつも別れを惜しむ声
一方、「イベントの内容も『デレステ』だけではできない形で世界観を広げてくれていたので、終わってしまうのは惜しい」との声も。ほかにも、「『モバマス』は、Pドル(※)の一番の供給元だったじゃないですか。それが無くなってしまうのは、Pドル民としては大ダメージですね(笑)。なんとなく予感はしてたけど、ついに来たかという感じですね」という2次創作を楽しんできた人ならではの意見もあった。
※プレイヤーの分身であるプロデューサーと、担当アイドルのカップリングのこと。
『アイドルマスター シンデレラガールズ』のサービス終了する2023年3月30日まであと約半年。2010年代のソシャゲシーンを牽引した『モバマス』の最後。プロデューサーはそれぞれの思いを抱きながら迎えようとしている。
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2022年8月13日(土)・14日(日)の2日間にわたって東京ビッグサイトの東・西・南展示棟(サークル・企業ブース)で開催される「コミックマーケット100」(C100)を特集。 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響で中止・延期を経て、2021年12月に2年ぶりに現地開催された世界最大級の同人誌即売会が迎える、記念すべき100回目。 冊子版カタログの復活、ワクチン・検査パッケージの非導入、東西エリアの移動制限解除、そして来場者数上限を8〜9万人に引き上げ──。 1975年の第1回開催以来、コロナ禍という特殊な状況でも歩みを進めるコミケ。サークル、コスプレ、一般参加者、さらには準備会と全参加者を追う。
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