ピーナッツくん×nerdwitchkomugichan対談 『Walk Through the Stars』制作秘話

ピーナッツくんとnerdwitchkomugichanを見守った玉田デニーロの存在

玉田デニーロさん

──『Tele倶楽部』の全曲解説インタビューではボツ曲も相当数あったとお聞きしましたが、今回はどうでしたか?

komugichan めっちゃあるよね?

ピーナッツくん ありますね。アルバムの流れに合わないからお蔵入りになったり。あとは僕のラップがダメだなぁって自分で取りやめた曲もあります。

komugichan 歌詞を入れないまま終わったのもあるし、最後の方までつくったけどお蔵入りしたのもあるし。あと俺のビートが悪いなぁって(笑)。

ピーナッツくん そういう意味では、ビートはめっちゃつくってましたよね?

komugichan 「respawn」が出来たあとにばーっと50曲ぐらいつくって、そのうち2つを「Makeup」と「KidsRoomMan」に使ったね。残りの48のビートは全ボツです。トータルでは70曲ぐらいつくったかな。
ピーナッツくん - KidsRoomMan (Prod. nerdwitchkomugichan)
──お互いに納得できないものはボツになったんですね。制作中に意見がぶつかったりはしなかったんですか?

komugichan なかったよね?

ピーナッツくん まったくなかったナッツ!

──玉田デニーロさんはMIX担当で、ピーナッツくんとkomugichanを一番近くで見てこられたと思いますが、制作中の2人はどんな様子でしたか?

玉田デニーロ 「これどうですか?」「あ〜いいですね!やりましょう!」「こういうのはどうですか?」「それは微妙じゃないですか?」「あ〜微妙かも!」みたいな感じで、コミュニケーションの引っかかりが無くて、すごく噛み合っていたのが印象的ですね。逆に俺がMIXの視点で「これはどう?」って提案したら「それはちゃうっすねぇ」ってなって「そうかぁ」みたいな(笑)。

コイデシュンペイ あったあった。

ピーナッツくん&komugichan ごめんなさい!

玉田デニーロ でも息がピッタリの2人だからこそ良いアルバムになったんだと思います。

特にkomugichanが「やりたいことをやる!」ってスタンスが強いので、ピーナッツくんもそれに感化されて「やんぞ〜!」ってなっているのを横で見てて「楽しそうやなぁ」って。

コイデシュンペイ お父さんだ…。

──お互いにリスペクトし合っていて、相性が良いんだなということは、お二人の今日のやり取りからも伝わってきます。

ピーナッツくん でも玉田さんがいたからこそ全曲ちゃんと仕上がったし、もらったアドバイスをもとに完成した曲もあるんです。「Youngpixar」なんて玉田さんがいなかったらできなかった曲なんですけど、これはあとの全曲解説の時にお話しするナッツ。

決死の覚悟で引き受けたプロデュース、自問自答を繰り返した日々

──komugichanはもともとピーナッツくんのファンだったわけですが、アルバム全体のプロデューサーを引き受けるにあたってのプレッシャーのようなものはありませんでしたか?

komugichan いや、死ぬかと思いましたよ。僕は長く音楽活動をやっているけれど、パソコンを使ってトラックメイクをしはじめたキャリアとしては1年も経ってないぐらいの新人だったので。引き受けたはいいけど「あ、終わったかもしれない」って何度も思ったり。

ピーナッツくん 今作はkomugichanがアルバムとしての流れをちゃんとつくってくれてたから、流れで聴いた時に「え、こんなに見えてたの?」ってびっくりしたナッツ。ありがとうございます。

komugichan こちらこそありがとう。ピーナッツくんのアルバムに泥を塗るのは絶対に嫌だったけど、でも絶対に一緒に曲をつくりたかったからプロデューサーを引き受けて、めっちゃ嬉しくて。

でも実際に作業をはじめてからは1人でずっと自問自答してました。「いけるか? 俺いけるか?」って。思い返すとほんま普通にしんどかった(笑)。

──めちゃくちゃ葛藤があったんですね。

komugichan やばかったです。今までにもHEAVENRY0N4さん、Lil Soft Tennisさん、Age Factoryの清水エイスケさんらが結成した関西発のコレクティブ)として出したアルバムでビートを作ったこととかはあったんですけど、今回のような大きな作品を長期間でつくったのは初で、手探りでしたし。 komugichan でも大きなプレッシャーの分だけ勉強もしたし、責任を持ってプロデュースしたからこそ、いつもの1年よりも遠くに行けてると思います。この実感を得られることが、誰かと音楽をつくる良さですね。

ピーナッツくん 僕もkomugichanにプロデュースしてもらって光栄ナッツ。

これまではVTuberとして音楽をやることの意味を意識的に繋げてたところがあって──その世界の中で試行錯誤してきたけど、今作をつくる過程で別に何も意識しなくても良いんだと思えて。それは3人の音楽家の、カッコいい生き方に触れられたからナッツ

玉田デニーロ 嬉しい〜!

komugichan 感謝。黄金感謝龍。

コイデシュンペイ ゴールデンサンクスドラゴン

ピーナッツくん なんか変なこと言ってる人もいますが気にしないでください。みんなの変な口癖ナッツ。

nerdwitchkomugichanの決意表明「絶対にあいつら黙らす」

──komugichanがピーナッツくんとの制作で得たものの大きさが伺えましたが、ピーナッツくん的にはいかがですか?

ピーナッツくん komugichanはこんな見た目なんですけど......

komugichan ちょっと(笑)。

ピーナッツくん いつも少年のようなピュアな心で音楽に向き合ってるから、僕も感化されて、少年のような心で曲をつくれたナッツ。あ、5歳児だけど。だからプロデュースをお願いして本当に良かったです。

komugichan 嬉しいなぁ。しんどかったのはウソじゃないけど、それ以上に楽しかったので、プロデュースさせてもらえて嬉しかったですね。それに僕はプロデューサーを引き受けた時に、絶対にあいつら黙らすぞって決めてて。

──あいつら?

komugichan 「ピーナッツくんのくせに良い曲で草」とか言うてる奴らです。あいつら黙らします

玉田デニーロ&コイデシュンペイ (笑)。

ピーナッツくん 3人とも口元は笑ってるけど目が笑ってないナッツ。治安が悪くなってきたナッツ!

──見た目と作品のギャップは度々言われてしまうことですが、今作の意欲的な作風はこれまで以上に多くの人に届くものだと思います。改めて、アルバムのタイトルについてお聞きしたいのですが、なぜ『Walk Through the Stars』になったんでしょうか。収録曲をタイトルに使うのははじめてですよね。

ピーナッツくん 僕はいま毎日6000歩を目標に歩いているんですけど。

──2021年から2022年の年越し配信で決まった罰ゲームですね。
【カウントダウン】年越しカフェラテ飲もう~!
ピーナッツくん はい。それでいつだったか、夜に歩きながら今作のデモを聴いてたら星が見えて、その時に“Walk Through the Stars”ってワードを思いついたナッツ。

実は先にアルバムのタイトルに使うことが決まっていて、そのあとに曲のタイトルになったんですが、この「Walk Through the Stars」は、いままで言えなかった僕の本音もかなり込められた曲でして。

──いままでのピーナッツくんからすると変化を感じるというか、興味深いラインが多くて、気になっていました。

ピーナッツくん ありがたいことに、最近はVTuberとしても、音楽活動の面でも、いろいろと評価していただけるようになったんですが、でも同時に、マジでなんにもわかってくれないなって思わされることも多々あって……いや、長くなるのでこれは楽曲の解説のパートにとっておくナッツ。

──そうですね。ピーナッツくんまで治安が悪くなる前に、KAI-YOU Premiumの全曲解説にいきましょう。

【続き】『Walk Through the Stars』全曲解説を見る!

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