SFアニメ『リック・アンド・モーティ』 Netflixが認める”ぶっ飛んだ”魅力

SFアニメ『リック・アンド・モーティ』 Netflixが認める”ぶっ飛んだ”魅力
SFアニメ『リック・アンド・モーティ』 Netflixが認める”ぶっ飛んだ”魅力

『リック・アンド・モーティ』/画像は『リック・アンド・モーティ』Twitterより

POPなポイントを3行で

  • 『リック・アンド・モーティ』シーズン5が配信開始
  • 世界で評価の高いパロディ満載のシニカルコメディ
  • 日本のクリエイターによるスピンオフも人気
SFコメディカートゥーン『リック・アンド・モーティ』のシーズン5が6月21日(月)よりNetflixで配信を開始した。

毎週1話ずつの配信となっており、解禁されているキービジュアルでは映画『アクアマン』や「スーパー戦隊シリーズ」のアメリカ版『パワーレンジャー』などのパロディが確認できる。

大人のためのカートゥーン『リック・アンド・モーティ』

画像は『リック・アンド・モーティ』Twitterより

『リック・アンド・モーティ』は、アメリカをはじめ世界中で愛されている作品。

アメリカでは、アニメ専門チャンネル「カートゥーン ネットワーク」から派生した大人向け作品用のチャンネル・アダルトスイムで放送中。日本ではアダルトスイムが放送されていないため、Netflixの配信で視聴できる。

宇宙一の頭脳を持つ天才科学者だがいつも酔っ払っているリックと、彼の孫で優しく気弱な14才のモーティを主軸としたSFコメディとなっており、多少の物語性はありつつも、基本は1話完結のオムニバス形式をとっている。

モーティ(左)とリック(右)/画像は『リック・アンド・モーティ』Twitterより

リックの発明品で別次元や宇宙を冒険したり、モーティが自身の発明品を悪用し周囲が振り回される話が多く、下ネタやグロテスクな描写、倫理観のタブーに切り込むネタが盛り込まれているので、SNS上では大人版ドラえもんと揶揄されている。

アメリカで非常に高い評価を得ており、2015年には、アニメのアカデミー賞と呼ばれるアニー賞で一般向けテレビアニメーション作品賞にノミネート。

シーズン4の第8話「困った時は酸のタンク(The Vat Of Acid Episode)」は、アメリカでもっとも権威ある文化賞のひとつ・エミー賞を受賞している。

ネトフリも「ちょっと変わってて、ぶっ飛んだ」と評価する魅力(ややネタバレあり)

本作は、Netflixの作品説明欄に「ちょっと変わった」や「ぶっ飛んだ」といったタグ付けがされ、「15才未満の視聴は推奨しません」と表示されている大人向けのカートゥーンだ。

この作品は「ちょっと変わった」、「ぶっ飛んでる」と表記/画像はNetflixのスクリーンショット

登場キャラクターも強烈で、主人公のリックはいつも口からヨダレのようなものを垂らしており、スラングやFワードを連発するうえ、合間にはゲップまで挟んでくる。この下品さを堪能するためにも、字幕で見ることをお勧めする。

まともに見え、人によっては同情さえしていたかもしれないモーティも、徐々に過激な行動をとり始めている。(エピソードによっては、一番ぶっ飛んでいる場合も。)

基本的によだれが垂れているリック/画像は『リック・アンド・モーティ』Twitterより

そんな強烈なキャラクターたちだが、1話約20分の間、彼らに嫌悪する暇はない。なぜなら、リックのつくり出す発明品が引き起こす事態やちりばめられた映画のパロディーなどの情報量があまりにも多すぎて脳がパンク気味になるからだ。

たとえば、ある回では、パラレルワールドから様々な世界のリックとモーティが集まった惑星国家が登場する。中身や性格はいつも通りの2人だが、人間型はもちろん、爬虫類型やロボット型などそのバリエーションは多種多様だ。

ボードゲーム化もされたシーズン1のエピソード10「リックとの遭遇」/画像はAmazonから

映画のパロディとしては、『バック・トゥ・ザ・フューチャー』や『スター・ウォーズ』、『オーシャンズ11』、『ターミネーター』などの有名作はもちろん、年に一晩だけ殺し合いが合法化される映画『パージ』や蠅と合体してしまった人間の苦悩を描く『蠅男の恐怖』などのマイナー映画のパロディも行っている。

そのスタイルは最新シーズンでももちろん健在であり、公開されているキービジュアルでは、『パワーレンジャー』のような恰好をしたキャラクターたちの姿が公開されている。

公開されているシーズン5のキービジュアル/画像はリック・アンド・モーティFacebookより

映画好きからそうでない人まで、原作を過激にパロディした勢いのあるダークなユーモアに満ちた描写で笑ってしまうだろう。

また、ダークなユーモアだけではなく、家族との絆や諍いを筆頭に、十代の悩み、アルコール依存症、天才の孤独などのシリアスなテーマが描かれることもある。どれも感動を誘ってはいない描写だが、勢いのあるコメディとの落差で思わずしんみりと感動してしまう。

とはいえ、基本的にはNetflixに「ちょっと変わった」「ぶっ飛んだ」と烙印を押されるのも納得のいく強烈な印象とブラックな笑いを与えてくれるエピソードがほとんど。普通のコメディ作品に飽きた人にはオススメな中毒性高めのシニカルコメディ作品となっている。
【Morty Resets His Life】

日本のアニメ業界とリック・アンド・モーティ

本作はスピンオフやファンアートを公式が推奨している作品としても有名で、公式からの依頼で日本のクリエイターたちによるスピンオフが制作されている。

特に、「Fate」シリーズや「七つの大罪」シリーズを手掛けたスタジオディーンが手がけた公式短編スピンオフ『Samurai & Shogun(侍と将軍)』は人気が高く、YouTubeでは1300万回以上再生されている。
【侍と将軍】
同作は小池一夫さんが原作、小島剛夕さんが作画を担当した漫画『子連れ狼』のパロディとなっており、江戸時代の日本を舞台に侍・リックと将軍・モーティが血飛沫舞う大立ち回りを演じる。

その華麗な太刀さばきから、短編にもかかわらずファンから「もっと見たい!」という声が多く上がっている。

ほかにも、アニメ『神之塔-Tower of God-』の監督・佐野隆史さんが手がけた公式短編スピンオフ『Rick and Morty vs. Genocider』では、東京を舞台にどこかノスタルジックなSF作品に仕上がっており、こちらも約800万回再生されている。
【Rick and Morty vs. Genocider | A Special Rick and Morty Anime Short】
どちらも、本編のキャラクターや設定を活かしたオリジナリティ溢れる短編スピンオフになっており、ファンから高評価を受けている。

眉毛の繋がりは1話前半で気にならなくなります

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