中国企業との「小説家になろう」小説大賞 異世界転生や政治、幽霊など禁止

中国企業との「小説家になろう」小説大賞 異世界転生や政治、幽霊など禁止
中国企業との「小説家になろう」小説大賞 異世界転生や政治、幽霊など禁止

「JINKE小説大賞」/画像はJINKE社公式サイトより

POPなポイントを3行で

  • 「小説家になろう」中国企業・JINKE社とのタイアップ企画
  • 「JINKE小説大賞」で異世界転生作品が応募不可に
  • 「中国での映像化に際し、大掛かりなCGが必要な内容は避けて」
小説掲載数69万以上、登録ユーザ数は160万人以上を擁する日本最大級の小説投稿サイト「小説家になろう」が実施している中国のモバイルゲーム会社「JINKE」(金科文化)社とのタイアップ企画「JINKE小説大賞」が、一部で注目を集めている。

「小説家になろう」の初となる海外企業とのタイアップコンテストで、大賞に選ばれた作品には30万円の賞金と中国での映像化が約束される、というもの。

と、ここまではごく普通のコンテストだが、注目したいのは募集要項欄にある応募条件についての記載だ。

そこには、中国での映像化という前提ならではの禁止事項(縛り)の数々が。

異世界転生モノ禁止! な「JINKE小説大賞」

「JINKE小説大賞」の応募条件には、例えば「主人公が高校生以上であること」、「作品全体を通してリアリティの感じられるストーリーであれば、若干のファンタジー・SF等の要素を含むのは問題ない」などの条件とともに、「上映に際し禁止される可能性がある次の事項は避けるようにお願いします」という記載が。

その具体例として示されたのは以下の通り。

・政治的立場の表明
・現実的な政治を反映させたテーマ
・異世界での第二の人生など
・幽霊・社会的通念に反する恋愛(教師生徒、同性愛、兄弟姉妹の恋愛など)・猟奇的すぎる、暗すぎるテーマ・暴力的すぎるテーマ

適切な扱いが求められる政治的な内容や同性愛のほか、近年のWeb小説発として定着した一大ジャンル「異世界転生モノ」(キャラクターが異世界に転生し、そこから始まる物語)もはっきり禁じられている。

中国の注目エンタテインメント企業・JINKE社

JINKE社が手がけるモバイルゲーム/画像はJINKE社公式サイトより

「JINKE小説大賞」の主催は、中国のエンタテインメント企業・JINKE社。

グループ会社が所有する「トーキング・トムとフレンズ」シリーズのモバイルゲームは、日本を含む世界で80億回以上ダウンロード。さらにアニメも世界中で放送され人気を博しており、ハリウッドでの映画化も決定しているという。

また、 2017年のカンヌ映画祭では黒澤明監督の未映像化脚本10本の映画化権を取得したことを発表、多くのメディアに取り上げられて話題になったことも。

問題は中国の映画における厳格なガイドライン?

「JINKE小説大賞」ではJINKE社による中国での映像化を前提にした作品を募集。テーマは「働く女性」、「サスペンス・推理もの」、「ファンタジー」、「復讐もの」、「ヒューマンドラマ」、「学園純愛もの」、「ゲーミフィケーション」の7つから選択できる。

テーマ指定以外に、上述の様々な内容に関する制限が設けられている今回の企画。

中国ではこれまでにも『バック・トゥ・ザ・フューチャー』や『ゴーストバスターズ』など、時間を遡ったり、超常現象が内容に盛り込まれている様々な海外映画の国内上映をガイドラインに抵触しているとして上映を禁止したことがある。

「異世界転生モノ」に限って言えば、過去にも、KADOKAWAのライトノベルレーベル「NOVEL 0」が2017年に主催した小説コンテストはじめ、異世界転生モノを禁止する賞は存在してきた。

今回はそれに加えて、中国の映画に関する厳格なガイドラインが改めて浮き彫りになり、注目を集めている形だ。

Twitterでは「JINKE小説大賞の募集要項見たけど、転生系NGじゃん」、「縛りが強いですね」など、日本ではお目にかかれない禁止事項の数々に反応するコメントが多く見受けられた。

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1件のコメント

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匿名ハッコウくん

匿名ハッコウくん(ID:3077)

アレ?昔
「チャイニーズ・ゴースト・ストーリー」という映画がありましたよね?間違いだったらゴメンナサイ