シンガポールの芸術家 ホー・ツーニェン、VRのインスタレーションで歴史を再演

シンガポールの芸術家 ホー・ツーニェン、VRのインスタレーションで歴史を再演
シンガポールの芸術家 ホー・ツーニェン、VRのインスタレーションで歴史を再演

「ヴォイス・オブ・ヴォイド──虚無の声」

POPなポイントを3行で

  • シンガポールを代表する美術家 ホー・ツーニェン
  • アニメーションとVRによる「歴史の再演」
  • 会場は山口情報芸術センター(YCAM)
シンガポールを拠点に活躍するアーティストのホー・ツーニェンさんによる展覧会「ヴォイス・オブ・ヴォイド──虚無の声」が2021年4月3日(土)から7月4日(日)にかけて開催される。

会場は山口情報芸術センター(YCAM)

VRとアニメーションによる新作映像インスタレーションが世界初公開される。

日本をモチーフに作品制作するホー・ツーニェン

ホー・ツーニェンさんは、さまざまな歴史的、哲学的テクストや素材から映像作品、インスタレーション、演劇的パフォーマンスを発表してきたシンガポールを代表するアーティストの1人。
ホー・ツーニェンインタビュー
近年は東南アジアの歴史に深い関わりを持つ、第二次世界大戦期の日本についても作品を通じて取り上げている。

本展では、1930年代から40年代の日本の思想界で大きな影響力を持った「京都学派」をテーマに、YCAMとのコラボレーションのもと、VR(バーチャル・リアリティ)とアニメーションによる新作の映像インスタレーションが発表される。

「京都学派」は哲学者の西田幾多郎さん(1870〜1945)や田辺元さん(1885〜1962)を中心に形成された哲学の学派。近代化が進み、東洋でありながら西洋化した日本において、西洋哲学といかに内面で折り合うことができるかを模索した。

アニメーションとVRによる「歴史の再演」

本展で発表する新作「ヴォイス・オブ・ヴォイド──虚無の声」が取り上げるのは、「京都学派四天王」と呼ばれた西谷啓治さん(1900〜1990)、高坂正顕さん(1900〜1969)、高山岩男さん(1905〜1993)、鈴木成高さん(1907〜1988)によって、真珠湾攻撃の直前の1941年11月末に開催された座談会「世界史的立場と日本」。

本作では、この座談会の内容を中心に、彼らと彼らを取り巻く人々が1930年代から40年代にかけて産み出したさまざまなテクストにアプローチ。3Dアニメーションと日本のアニメの美学を組み合わせ、VRによって鑑賞者がアニメーションの登場人物へと同一化し、没入感のある体験をもたらす。

歴史上の人物やその逸話をもとに、公式に語られてきた歴史をイメージとテクストの集積によって紐解き、虚構や矛盾を含む複雑性を露わにさせるホー・ツーニェンさんと、VRをはじめとするテクノロジーを用いた新しい芸術表現を模索してきたYCAM。

両者のコラボレーションによって、師と弟子、講演者と聴衆、加害者と被害者といった京都学派を取り巻く錯綜した関係を描き出し、VRによる登場人物への同一化を通し、歴史の再演が試みられる。

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イベント情報

ホー・ツーニェン:ヴォイス・オブ・ヴォイド──虚無の声

開催日時
2021年4月3日(土)〜7月4日(日) 10:00〜19:00
休館日
火曜日(火曜日が祝日の場合は翌日)
イベント休止日
4月22日、5月6日、5月12日、13日は休止
会場
スタジオA
関連イベント
5イベント
入場料
入場無料

主催:山口市、公益財団法人山口市文化振興財団
後援:山口市教育委員会
助成:公益財団法人花王芸術・科学財団
企画制作:山口情報芸術センター[YCAM]
制作:山口情報芸術センター[YCAM]
共同制作:カディスト・アート・ファウンデーション、TPAM – 国際舞台芸術ミーティング in 横浜
助成:ナショナル・アーツ・カウンシル(シンガポール)
声の出演:笛田宇一郎(笛田宇一郎演劇事務所)、高山明(Port B)、神里雄大(岡崎藝術座)、大石将弘(ままごと/ナイロン100℃/スイッチ総研)、アギト、鶴舞裕午、村上晃一、矢吹
監督、脚本:ホー・ツーニェン
ドラマトゥルク、脚本、翻訳:新井知行
翻訳:辻井美穂
音響空間デザイン:Katsuhiro Chiba
VRプラットフォームデザイン:堂園翔矢(Qosmo)、中嶋亮介(Qosmo)
3Dモデリング:鳥谷部正輝
キャラクターデザイン:杉本拓也
録音:中村公輔
グラフィックデザイン:鈴木哲生

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