ゆるダラ系HIPHOPユニット「ADULT ONLY KIDS」サ上レーベルからデビュー

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ゆるダラ系HIPHOPユニット「ADULT ONLY KIDS」サ上レーベルからデビュー
ゆるダラ系HIPHOPユニット「ADULT ONLY KIDS」サ上レーベルからデビュー

POPなポイントを3行で

  • ADULT ONLY KIDSがサ上レーベルからデビュー
  • イチ・ニーサン・4号&カタ・ヤキソバ・ヤング
  • 緩いダラダラとした世界を味わう
イチ・ニーサン・4号さん(ichiyon)とカタ・ヤキソバ・ヤングさんの2MCからなるヒップホップユニット・ADULT ONLY KIDSが1stアルバム『ADULT ONLY KIDS』を3月25日にリリースした。

本アルバムは、ヒップホップをベースにしながらも3人組バンド・tomodatiJABBA DA FOOTBALL CLUBBAOBAB MCさん、シンガー/ラッパーのez do dan子さんの「ハッピーアワー」制作も話題になった簾ンデゲオチェロなどを制作に招き、キャッチーでダラダラした世界感を醸し出す。

また、イチ・ニーサン・4号さんとカタ・ヤキソバ・ヤングさんの2人はそれぞれキャリアを持ちながらも、新ユニットとしてサイプレス上野さんのレーベル「ドリーム開発」から再デビューという形となる。

ユニークなキャリアを歩む2人の邂逅

イチ・ニーサン・4号さんもカタ・ヤキソバ・ヤングさんもそれぞれ少しユニークなキャリアを歩んできた。

イチ・ニーサン・4号さんはヒップホップをベースに置きながらインドネシアのダンス音楽「ファンコット」などを取り入れたジャンルレスラップユニット・umanecoのメンバーとして活動。
umaneco / NEWDAYS【umaneco12曲連続リリース第12弾!】
あっこゴリラさんを客演に迎えたことでも注目されたアルバム『ワンパクバンパク!』をリリースしたほか、ソロ活動も行っており、いきなりモデルとしてパリコレデビューを果たして話題をさらったラッパー・プラズマさんと「PISS AND THE SPLASH OF GENIUS」で共演を果たしている。

カタ・ヤキソバ・ヤングさんは、daokoさんやjinmenusagiさん、不可思議/wonderboyさんらを世に放ってきたレーベル「LOW HIGH WHO?」の首脳こと、COASARUさんに見出され、彼のアルバム『解毒』に客演。

また、「LOW HIGH WHO?」からフリーダウンロード作品をリリースするなど、自身のキャリアを歩んできた。

どことなく気の合うこの2人が知り合い、いつからか飲み友達に。ダラダラと酒を飲んでは語り合ってはいたが、「ただの酒飲み仲間じゃ終わらせないぜ」と一念発起し、結成したのがADULT ONLY KIDSである。

そして2人はアルバム『ADULT ONLY KIDS』をサイプレス上野さんがつとめる「ドリーム開発」より1stアルバムをついにリリース。「ドリーム開発」といえばサイプレス上野さんとロベルト吉野さんの音源のリリースしていることでお馴染みだが、若手MCのLEON a.k.a. 獅子さん(Leon Fanourakis)のハードコアなEP『Beat to death』をリリースして話題となった。

果たして幅広い作風の作品を発信する「ドリーム開発」からリリースされた『ADULT ONLY KIDS』は、どんな作品かとドキドキしながら蓋を開けてみたところ、絶妙な緩さがなんとも特徴的な作品であったのだ。

多彩な客演を迎えた『ADULT ONLY KIDS』

ZEN-LA-ROCKさんの紹介でアルバムは幕を開ける。キャッチーなポップサウンドからゴリゴリなヒップホップソング、さらにエモ系シティーポップが並ぶ実に多彩な作風だ。

今作は新世代エレクトロポップの申し子と評されるtomodatiが大きく制作に関わっており、アッパーなポップソングがリスナーを出迎えてくれる。

7曲目に収録された「feed back」では「仮面ライダーになりたかった」という男の子のロマンをtomodati自ら歌う柔らかい伸びのあるシティーポップに仕上がっている。

10曲目収録の「オレンジ」もtomodatiの作風が色濃く残るノスタルジックなアッパーソング。ADULT ONLY KIDSはその雰囲気を壊すことなく、「銀行は閉まる!役所も閉まる!ひ○子・薬師丸!」と緩いラップで独自の世界を構築する。

BAOBAB MCさん制作曲「淡い節」「温い雨」もこのアルバムに彩りを添えてくれる。単純に曲としての完成度が高く、聴いたあとに心に残る。

「淡い節」に関しては客演で参加しているフィメールラッパー・モリーさんの緩めのラップもADULT ONLY KIDSと相性が抜群だ。そのほかにhagurumaさんやFATLEEさんなど様々なトラックメーカーのサウンドが集まる。

極めつけはアルバムのラストを飾る「愛デンティティ」。tomodatiのつくる野太いヒップホップソングだが、ADULT ONLY KIDSに加え、パブリック娘の文園太郎さん、DALLJUB STEP CLUBの森心言さん、4×4=16さん、そしてラッパーのKMCさんがマイクリレーを披露。

あまりの個性派揃いに急性個性中毒を起こしかねないこの曲はむさ苦しい名曲に仕上がっており、その暑苦しさに心を揺さぶられる。

”ゆるゆるダラダラ”な世界観に浸る

サウンド面や豪華な客演も楽しめるこのアルバムだが、一番の聴きどころはやはりADULT ONLY KIDSのリリックだろう。

前述の通り、キャッチーなトラックの上でADULT ONLY KIDSのラップが乗るというのが本アルバムに通底するスタイルなのだが、そのリリックもなんとも緩い。

ゆるゆるダラダラ──中でも9曲目に収録された「サマームード」のリリックにそのダラダラぶりが象徴される。

やることなくてダラダラ、昨日も見たビデオをもう一回見る。内容も覚えてるのに」というリリックは20代も後半に差し掛かった男の子たちの等身大の姿。

無気力ではなく、言うならば「テキトー」。その心地の良いダラダラっぷりがこのアルバムでは楽しめる。

いつまでも子供の心を忘れない大人、ADULT ONLY KIDSの緩いダラダラとした世界をぜひ味わってもらいたい。

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