放送から21年経った今もファン主体のイベントが開催されるなど、現在もその人気は高い。
同作のプロデューサーであるNBCUniversalの上田耕行さんが7月6日、作品の二次創作を日本に居住している個人にのみ、監修不要で商用・非商用にかかわらず無償で許諾することを記したガイドラインを発表した。
期間は放送30周年となる2028年7月6日までの約9年間となってるが、この発表には早くもファンから喜びの声が上がっている。
熱狂的愛好家が少なくない『serial experiments lain』
「存在は認識=意識の接続によって定義され、人はみな繋がれている。記憶はただの記録にすぎない。」という世界観の元、主人公の岩倉玲音(いわくられいん)に起こる様々な出来事を追い、仮想と現実、ワイヤード(Wired=繋がれたもの)にまつわる描写がなされた『serial experiments lain』。キャラクターデザイン原案は『灰羽連盟』などで知られるイラストレーター・漫画家の安倍吉俊さん。
陰謀論的なネタや疑似科学ネタ、ナノテクノロジーなど、不気味な雰囲気を漂わせる事象を多く取り扱い、そのために好き嫌いが激しく分かれる、言い換えれば刺さる人には刺さるカルト的人気を誇る作品だ。
放送20周年を迎えた2018年、渋谷でファンイベントが行われ、作品の製作陣も集結し大いに盛り上がったことも記憶に新しい。
広がるファンの表現
公表されたガイドラインは、日本に居住している個人にのみ商用・非商用にかかわらず、『serial experiments lain』の二次創作を許諾するもの。しかも監修不要、権利者へのロイヤリティも発生しないという。しかし当然ルールはある。【Lainファンの皆さんのみ拡散希望】https://t.co/U2lOVi6pS3
— ueda yasuyuki (@uedayasuyuki) July 6, 2019
AKIRA エヴァの派手なニュースの後に糞地味ですまないが
初回放送日が今日がなんでな…簡単にいうと20周年のファン活動のお礼かねてガイドラインにまもれば個人とかで二次創作物で
勝手に商売してもいいよというOpen theNext.#lainTTL
ガイドラインを読むと、例えばアニメ本編の素材をそのまま使用したり、社会的・教育的に悪影響を及ぼす恐れのある二次創作は許されていない。
また、二次創作の許諾を受けられるのは個人のみであり、法人には適用されない。
その他ガイドラインの詳しい内容については、上田さんが更新した「二次創作に関してのお知らせ」を参照していただきたい(外部リンク)。「堅苦しいガイドラインなんて読む気がしない」という方向けに、「ゆるぬる解説」なるものも用意されている。
二次創作ゲームを制作し、それを販売しても良いというわけだ。簡単にいうとCyberiaイベント(筆者注:前述の20周年イベントのこと)で「PS版が高額で手に入らない」クレームに対し
私が返答した「誰か勝手に(もっと良い)ゲームつくれよ」を会社として正式に認めますとか
そんな感じです。「ゆるぬる解説」より
上田さんは「身を粉にして作品に尽力していただいた熱心なファンの方々に対して自分も会社員なりにできるお礼はしたいと思い会社と相談をした結果」と今回の決断に至った経緯を明らかにした上で、
と語り二次創作を歓迎している。魔法少女☆ありすのイラストを描くもよし
ハカー康夫の3Dモデルつくるもよし
幸せだった頃の柊子さんの小説やポエムを書くもよし
その創作物でTシャツやらフィギュアやらコミックやらアニメやら
ゲームやらVRコンテンツからARいやMR、まさかのAIエンジンで
「lain お友達リストを表示して!」「……ゼロ件です」と言わせてほろりとなるもよし
つくるもよし、つくらないもよし ロイヤリティゼロなのです!
『0、1のデジタル作品なんで掛け合わせたら 結果ゼロカロリーなんです!!』
え、ちょっと何を言っているかよくわからなくなりましたが 要は特に制限しません。
ウマーベラスなのです。 「ゆるぬる解説」より
この発表には「2次創作を公式が許可って物凄いことだぞ!めっちゃワクワクしてきた。」 「思い切った事するな」 「これは凄い英断だ」などのコメントが多く寄せられている。
Serial experiments lainの2次創作を公式が許可って物凄いことだぞ!めっちゃワクワクしてきた。ワイアードの世界が体験できるVRソフトとか誰か作ったら買っちゃうかも。#lainTTL
— おが (@motipon0720) 2019年7月6日
lainの2次創作が日本に居住する個人なら商用、非商用に関わらず無償で許諾って
— Del子 (@Delko_21) 2019年7月7日
思い切った事するなhttps://t.co/0Bl84W7fcV
陰鬱な世界観で彩られた『serial experiments lain』は日本のアニメにおける本流ではないが、今なお色あせず、光を放っている。これは凄い英断だ。
— マッケン (@Red_Makken) 2019年7月6日
二次創作がこれまで以上に活性化することで、作品世界とそのファンコミュニティがどう広がり、変容していくのか。その先行きを見守りたい。
Time to live
時間制限付きでlainは遍在する 「serial experiments lainのファンの皆様へ 二次創作に関してのお知らせ」より
盛り上がる二次創作文化
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